伝説の舞台再び!『ピサロ』5月PARCO劇場でアンコール上演決定!

2021.02.27


昨年コロナ禍でわずか10回という幻の上演となった伝説の舞台
将軍・渡辺謙とインカ王・宮沢氷魚が対決。今に響く傑作、再び!

5月15日(土)~6月6日(日)PARCO劇場で舞台『ピサロ』のアンコール上演が決定!

2020年3月、PARCO劇場オープニング・シリーズ第一弾公演として華々しく開幕する予定だった渡辺謙主演『ピサロ』は、コロナ禍により、初日を延期、45回予定がわずか10回の上演となった。観劇が叶わなかった多くの方々のリクエストに応え、2021年5月、アンコール公演の幕を開ける。

『ピサロ(原題:ザ・ロイヤル・ハント・オブ・ザ・サン)』は、16世紀、167人の寄せ集めの兵を率いて、2400万人のインカ帝国を征服した、成り上がりのスペインの将軍ピサロの物語。『アマデウス』、『エクウス』などで、トニー賞最優秀作品賞、ニューヨーク劇作批評家賞など数多くの賞を受賞した英国を代表する劇作家ピーター・シェーファーによる傑作戯曲。日本初演は36年前の1985年PARCO劇場。山﨑努がピサロ、当時まだ無名だった渡辺謙がインカ帝国の王・アタウアルパを演じ、観客に鮮烈な印象を残した。昨年、渡辺謙は、自身に「俳優を一生の仕事とする」覚悟を決めさせる一本となった本戯曲に、タイトルロールとして帰還。しかも年齢が60歳、新生PARCO劇場のオープニング・シリーズ第一弾ということで、渡辺謙にとってもPARCO劇場にとっても「Reborn」ともいうべき節目の上演となった。渡辺謙のピサロは、スケールと情熱を湛え、人間存在の深みを共感させる素晴らしいものであった。

演出は、英国ロイヤル・バレエで長く活躍し、『ウィンド・イン・ザ・ウィローズ』で2014年ローレンス・オリヴィエ賞ベスト・エンタテイメント賞を受賞したウィル・タケット。その演出は、ダイナミックでかつ美しく、異文化の衝突の奥にある人間の内面の葛藤や孤独、存在の深淵までを鮮やかに描き出した。

そして、ピサロに対峙する太陽の子・インカ王アタウアルパ役を演じたのは宮沢氷魚。2018年、三島由紀夫最後の長編小説を舞台化した『豊饒の海』でも、進境著しい演技をみせた宮沢氷魚が挑んだアタウアルパは、渡辺謙に伍して譲らないと評され、その気品と風格が舞台に輝きをもたらした。1年後の本年5月、渡辺謙、宮沢氷魚に加え、栗原英雄、大鶴佐助、長谷川初範、外山誠二ら実力ある俳優陣が再び結集。待望の『ピサロ』の幕が上がる。老境の将軍ピサロが探し続け、手に入れたものは何だったのか。インカ王との対決は彼に何をもたらしたのか。人類史上止むことのない文化・民族の争いを背景に、人間存在の本質に迫る傑作『ピサロ』。傑作のアンコール上演に期待!

渡辺謙コメント

昨年出演させて頂いた『ピサロ』、新型コロナウィルス感染拡大の影響で、残念ながら10回の公演をもって中止となってしまいました。その後、すぐに必ずリベンジ公演するぞと皆と話しておりました。念願が叶い、再びこの難敵と向かい合う機会を得ました。ウィル・タケットのダイナミックな演出の舞台を是非ご覧下さい。

宮沢氷魚コメント

新型コロナウィルスの影響で残念ながら10回で幕を下ろした『ピサロ』が一年の時を経て再び上演されることを大変嬉しく思います。再演できる奇跡とまた舞台の上に立てる喜びを噛み締めながら毎公演頑張ります。
沢山の困難を乗り越え、パワーアップしたこの作品をぜひ観に来て下さい。

演出:ウィル・タケット コメント

昨年、新生PARCO劇場のオープニングを飾った『ピサロ』が今回再演に至り、東京に再訪できることを大変嬉しく思っています。多くの方々にとって困難な一年ではありましたが、演劇が、観客の皆様へもたらす力を、パルコのような製作者が信じ続けているということに、私は大いに勇気づけられました。
この作品の為に、またあの多くの出演者たちが結集し、創作を共にできるかと思うと、興奮を抑えきれません。寛大で、素晴らしい俳優である渡辺謙氏が見せる、驚異的なピサロの演技は、皆を触発しますし、共演者も卓越したパフォーマンスを見せてくれます。
そういった優れた俳優の方々の演出を、また務めさせて頂くことを、大きな誇りに思いますし、前回の上演時の経験からも、今回は、皆が、さらなる深みへと到達し、ピーター・シェーファーの素晴らしい戯曲の持つ力を引き出し、共鳴させてくれると信じています。
この作品を、前回よりもさらに多くの観客の皆様に、美しいPARCO劇場でご覧頂けることを、楽しみにしています。視覚的な驚異をも伴う、大きな旅路の物語の中、演者達ひとりひとりが、人間の魂の持つ強さや脆さを、鮮烈に描き出してくれることでしょう。

あらすじ

西暦1531年。齢60を超えた粗野な成り上がりの将軍ピサロは、彼の人生の最後の遠征となるインカ征服への準備を始めた。
集まった兵士は一攫千金を夢見る平民たち。
そんな傭兵を含む167名を率いて、ピサロはペルー征服へと出発した。
6週間をかけ、森をぬけ、2週間かけてアンデスを超える過酷な行軍の末に、数千人のインディオを虐殺し、自らを太陽の子と謳うインカの王アタウアルパを生け捕りにする。
ピサロは、アタウアルパを釈放する代償として、莫大な黄金を要求する。
そして、莫大な黄金を手にしたピサロとスペイン人たちは・・・・

 

撮影:阿部章仁