ストーリー・コンサート『クララ-愛の物語-』2021年7月、上演決定!

2021.06.04

読売日本交響楽団チェリスト渡部玄一が織り成す
本格的なクラシック演奏と朗読の融合!
充実のキャスト陣による再演が決定!!

ストーリー・コンサート『クララ-愛の物語-』は世界的に有名なドイツの2人の天才作曲家ロベルト・シューマンとヨハネス・ブラームスと彼らを愛し、支えたクララ・シューマンの物語を読売日本交響楽団のチェリスト渡部玄一が生み出した本格的な演奏と朗読で構成したかつてないスタイルの公演です。

本作は昨年12月の東京公演において大きな反響と高い評価を得ました。そしてご覧になられました多くのお客様より再演への熱い要望を頂き、この度、早くも再演が決定致しました。今回の再演ではさらに内容をブラッシュアップし、人気と実力を兼ね備えたキャスト陣2組による上演が決定いたしました。クララ役には初演に引き続き、再度クララ役に挑戦する元宝塚男役トップスターの水夏希。退団後も確かな表現力でミュージカルをはじめ、様々な舞台で活躍しております。そして声優としての活躍をはじめ、数々のミュージカル、舞台において瑞々しい存在感を放つ伊波杏樹が演じます。またシューマンとブラームスの2役を演じますのは、ヴォーカルグループLE VELVETSのメンバーとしての音楽活動をはじめ、ミュージカル等で実力を発揮している佐賀龍彦と数々の舞台、TV、映画において比類なき個性と演技力で幅広い活躍をみせる渡辺大輔という充実のキャストが決定致しました。最高のキャストと日本トップクラスの演奏者による新たなストーリー・コンサート『クララ-愛の物語-』にどうぞご期待ください。

ものがたり

1819年9月13日、ピアノ教師フリードリッヒ・ヴィークの次女としてクララは生まれました。クララは幼少の頃より、ピアニストの才能を発揮し、天才少女としてその名は広まりました。やがてヴィーク氏は一人の青年を弟子にとります。青年の名前はロベルト・シューマン。大学で法律家を目指しますが音楽の道を諦めきれず、ピアニストを目指します。しかし、指のケガがもとで断念、作曲家を目指すようになりました。やがてクララとロベルトは互いに愛し合いますが、これに気付いた気難しく厳格なヴィークは二人を遠ざけます。ヴィークの二人に対する誹謗中傷はさらにエスカレートし、ロベルトはヴィークを名誉棄損で訴えます。そして2人結婚を許可する判決が下り、晴れて2人は結婚しました。

2人が結婚して13年の歳月が経ちました。そしてクララはピアニスト、ロベルトは作曲家として確固たる名声を手に入れました。2人はお互いに支え合ってきましたが、ロベルトは疲労から神経が衰弱していき、外部との接触を拒むようになりました。さらに病状は悪化し、彼の名声は落ちる一方でした。そんな中、知人の紹介で訪問してきた若きヨハネス・ブラームスが自作のソナタをピアノで弾き始めると、ロベルトの顔に喜びの光が射しました。ロベルトはヨハネスのために「新しい道 」と題した論評を発表しました。ロベルトの厚意に深く感謝したヨハネスは、彼の最も忠実な弟子となり、シューマン一家に明るい日差しを持ち込んだかのようでした。しかしロベルトの心の病は、密かに肥大していったのでした。

1854年2月、ロベルトはライン川に身を投げました。数年来、ロベルトを悩ませていた幻聴がいよいよ耐え難いものとなり、その後、療養施設に収容されました。知らせを聞いたヨハネスは急いで駆け付け、身重だったクララとシューマン家を助けました。こうした中でヨハネスとクララの距離は縮まり、2人の間には好意以上の感情が芽生えました。入院の2年半の間、ロベルトはあれほど愛していたクララとの面会を頑なに拒みました。次第に自分を失い、時として獣のようにわめき散らす自分の姿を見せたくなかったのかも知れません。病院から危篤の知らせが届くと、クララは2年半ぶりに愛する夫の元に駆けつけました。そしてシューマンは不自由な体でクララを抱きしめるのでした。クララが到着した日から翌々日、ロベルトは永遠の眠りにつきました。

ヨハネスはその後、ヨーロッパを代表する大作曲家となりました。またクララも演奏家としてその名声を不動のものとしていきました。2人は強い愛情で結ばれ、時には夫婦のように、家族のように、また同志として、ロベルトの死後40年にわたって絆を深めていったのです。そんな2人にもやがて別れの時が訪れるのでした-。

曲リスト

【第1部 ロベルト】
シューマン
「あなたに初めてお会いして以来」
歌曲集 『女の愛と生涯』作品 42-1 詞:シャミッソー(ソプラノ、ピアノ)

ピアノ三重奏曲第2番 第2楽章(ヴァイオリン、チェロ、ピアノ)

交響的練習曲よりⅷ(ピアノソロ)
「クライスレリアーナ」 より第1曲(ピアノソロ)
「ウィーンの謝肉祭の道化」よりインテルメッツォ(ピアノソロ)
「献呈」歌曲集『ミルテの花』作品 25-1 詞:リュッケルト(ソプラノ、ピアノ)
「くるみの木」 歌曲集『ミルテの花』作品 25-3 詞:モーゼン(ソプラノ、ピアノ)

ブラームス
ハンガリー舞曲 第5番(ヴァイオリン、チェロ、ピアノ)

【第2部 ヨハネス】
シューマン
「トロイメライ」『子どもの情景』作品 15-7(チェロ、ピアノ)

ブラームス
「エドヴァルト」ピアノ曲『 四つのバラード』作品 10-1(ピアノソロ)
「永遠の愛について」 歌曲集 『四つの歌』作品 43-1 詞:ヴェンツィヒ(ソプラノ、ピアノ)
ヴァイオリンソナタ第2番イ長調 第1楽章 (ヴァイオリン、ピアノ)
ピアノ三重奏曲第1番ロ長調 第1楽章(ヴァイオリン、チェロ、ピアノ)

※曲目に変更が生じる場合がございますので、予めご了承くださいませ。

出演者コメント

<水夏希>
クララ・シューマンの物語に再び出会います。素晴らしい生演奏と共に新しいパートナーと新鮮な気持ちで取り組みたいと思います。初演の時とは全く違う世の中ではありますが、変わらない物は何一つありません。全ては時と共に生まれ変わっていく。変わらない過去の出来事、歴史に残された素晴らしい音楽。その解釈さえも時代と共に変わっていく物だと思いますので、新たな発見と共に、今liveで上演できる瞬間を大切に、物語を紡いでいきたいと思います。お楽しみに。

<佐賀龍彦>
シューマンとブラームスを演じます。同じ時代、同じ時間を多く過ごした2人の作曲家は、全くといっていいほどに違う曲調の作品を残しました。そしてその2人に深く関わったのが天才ピアノ奏者クララ。3人の、音楽と恋慕と苦悩の物語。今回の朗読と音楽の融合は、互いがより輪郭を持って皆さんに届くのではないかと思います。新しい彩りに心を染めに、是非おいでください。

<伊波杏樹>
本作、『クララ-愛の物語-』 にてクララ役で出演させて頂きます、伊波杏樹です。演奏者の皆様、そしてキャスト2名で紡がれていく音楽朗読劇ということで、魅了する素晴らしい演奏に気持ちを委ね、愛を信じ、歩き続けた彼女と、彼との生い立ちを、しっかりと演じ、届けたいと感じています。その場所へ響き渡る〝音〟と〝言葉〟たち、立体感のある素敵な作品に仕上げていきたいと思いますので皆様 是非よろしくお願い致します!

<渡辺大輔>
この素敵な作品に携わる事ができ、なおかつ実在した人物を演じられる事に幸せを感じています。
素敵な物語に加え、ソプラノ、ヴァイオリン、チェロ、ピアノ4名の奏者によって奏でられるシューマンとブラームスの数々の名曲との融合で、どのような化学反応が起きるのか心の底から楽しみです。いま世の中が大変な時期ではありますが、皆様の貴重な時間をお借りして素晴らしい時を過ごせればと思っております。