豪華実力派キャストたちが言葉の応酬で魅せる!
ある少女の死をきっかけに始まる医療機関のパワーゲーム
2021年11月に海外新作舞台『ザ・ドクター』をPARCO劇場で上演する事が決定した。
埼玉・東京を皮切りに、12月には兵庫、豊橋、松本、北九州と巡演する。
本作品は、2019年ロンドンのアルメイダ劇場のアソシエイトディレクターであるロバート・アイクが、1912年に発表されたシュニッツラーの「Professor Bernhardi(ベルンハルディ教授)」を翻案し、自ら台本を手がけて演出。
同劇場で開幕するやいなや、連日SOLD OUT、ザ・ガーディアンをはじめ各紙でFIVE STAR★★★★★(最高評価)で絶賛され、翌年2020年には英国で最も権威あるローレンス・オリヴィエ賞「Best New Play(作品賞)」「Best Actress(女優賞)」のノミネートを始め、イギリス演劇賞各賞に輝いた今最も注目の話題作。
医療研究所の所長でありエリート医師のルース。ある少女の死をきっかけに、宗教・ジェンダー・階級差など、あらゆる社会問題がルースの頭上に降りかかり、医師としての自分を見つめ直していくという物語。
そして日本初演となる今回、PARCO劇場オープニング・シリーズ『ゲルニカ』を第28回読売演劇大賞優秀作品賞に導いた栗山民也を演出に迎え、主人公ルース役には『ピアフ』で第49回菊田一夫演劇賞『フェードル』で第52回 紀伊国屋演劇賞を受賞し、名実ともに日本を代表する女優大竹しのぶ。デビュー以来休むことなく舞台に立ち続け、栗山が絶大な信頼を置く大竹が今回演じるのはエリート医師!とある医療機関で繰り広げられるパワーゲーム。大竹にとっては久しぶりの社会派現代劇で、自らの医師としてのアイデンティティと向き合うこの難役を、いかに演じるのか期待が高まる。
共演には橋本さとし、村川絵梨、橋本淳、宮崎秋人、那須凜、天野はな、久保酎吉、明星真由美、床嶋佳子、益岡徹ら実力・人気を兼ね備えた俳優達が結集、現代の苦悩と縮図が魅力的に描かれた最高傑作!
そして、この度少女の死をきっかけに「医師」と「ひとりの人間」との間で揺らいでいく主人公ルースのアイデンティティや、ルースを取り巻く10人の登場人物それぞれの思惑を感じさせるビジュアルが完成した。
11人全員が、どこかしら不穏な表情を浮かべるビジュアルは、本作品のテーマともなるあらゆる社会問題を映し出している。
白衣を身に着け、エリート医師・ルース役として撮影に臨んだ大竹は、「命というものが人間にとって大きなテーマであると思います。医師はそこに携わる人。これまでいろいろな人が、いろいろな作品で医師役をやってきていると思いますが、奇をてらわずしっかりと演じたい。『人間である前に、医師だと思っています』というルースの台詞はあるけれども、やっぱり、ひとりの人間を、演じたいなと思っています。」と語っていた。
ストーリー
イギリス最高峰の医療機関・エリザベス研究所。
その創設者であり、所長のルース・ウルフ(大竹しのぶ)は、訳あって自ら妊娠中絶を行い、敗血症で運び込まれた14歳の少女を看取ろうとしていた。そこに「少女の両親から傍についていてほしいと頼まれた」というカトリックの神父、ジェイコブ・ライス(益岡徹)が現れる。神父に対し、ルースは面会謝絶を告げて、集中治療室への入室を拒否する。若手医師(那須凜)から少女の容態の急変を知らされ、同僚の医師ポール・マーフィ(橋本淳)やマイケル・コプリ―(宮崎秋人)と手を尽くすが少女は死を迎える。少女の死に立ち会えなかった神父は、典礼を拒絶されたとして怒り、この出来事を公にすると告げて去る。ほどなく、このことはインターネットから発信され、研究所の出資者の耳にも入ってしまう。
ブライアン・シプリアン教授(久保酎吉)や、広報担当のレベッカ・ロバーツ(村川絵梨)は、ルースへの批判を不当なものとして、相手にはしていない。だが、次期所長の座を狙う野心家ロジャー・ハーディマン教授(橋本さとし)やマーフィらは、一部の出資者たちが怒っていることを問題視。それでも毅然と「自分に落ち度はない」と主張するルース。その姿勢は、自身の元教え子で保険担当大臣のジェマイマ・フリント(明星真由美)からも支持されたように見えた。しかし、彼女を断罪しようとする出資者の動きにより、世論は激化。信仰、人種、ジェンダー……、アイデンティティの違いもあいまって、医師たちもまた医学上、宗教上の主張により対立。
研究所内の分断は深まり、パワーゲームは白熱していく……。
自宅では、パートナーのチャーリー(床嶋佳子)や近所に住むサミ(天野はな)と心を通わせ、自分を見つめ直すルース。自分を取り戻した彼女は医師としての信念を貫くことを決意。自分を責め立てる人々が待ち受ける、テレビのディベート番組への出演を決める――。