岩松戯曲の傑作、26年ぶりの再演・新演出公演!
1992 年、市ヶ尾の坂—―。何かが消えていこうとしていた夏の終わり。
大森南朋、三浦貴大、森優作ら三兄弟と、美貌の人妻・麻生久美子とその夫・岩松了、その家政婦・池津祥子の交流によるミステリアスな家族の物語。
本日、5月17日(木)より、東京・本多劇場にてM&Oplaysプロデュース「市ヶ尾の坂-伝説の虹の三兄弟」を上演致します。本公演は、作演出家の岩松了とM&Oplaysが定期的に行っている公演で、今回は1992年に「竹中直人の会」で上演された「市ヶ尾の坂」を新演出で上演致します。2014年に16年ぶりに再演され、その普遍的な戯曲の力で高い評価を得た「水の戯れ」に続く、岩松戯曲の傑作、26年ぶりの再演となります。
1992年、市ヶ尾の坂で暮らす三人兄弟がいた。田園都市計画の名の下、無くなることを余儀なくされている兄弟の家。
状況に抗うすべとてなく懸命に生きていこうとする母なき兄弟と、三人と触れ合うことになった母になることが出来ぬ美貌の人妻の、絵合わせのような家族劇。
今回の上演にあたり、あれから「25年後、その市ヶ尾の坂は高速道路の青葉インターに続く壮観な空中道路の入り口になっています。今われわれは、あの兄弟を、あの人妻を、どんな思いで思い返すのでしょうか?」と思いを馳せる岩松によって生まれ変わる本作にご期待ください。出演者には、2013年の「不道徳教室」以来4度目の岩松作品となる大森南朋、2009年の「マレーヒルの幻影」で初舞台を経験した麻生久美子、今回が初の岩松作品となる三浦貴大、2016年連続テレビ小説「べっぴんさん」の中西直政役での好演が記憶に新しい森優作、2014年の「ジュリエット通り」以来4年ぶりの岩松作品となる池津祥子、そこに岩松了も加わり、人気、実力ともに兼ね備えた個性的なキャストが大集結。ミステリアスな岩松戯曲に挑みます。
【初日前会見 登壇者コメント】
≪演出・作 岩松了≫
26年振りの公演となるので、再演ですが、新作舞台のつもりで挑みます。本作は僕が作った作品では珍しく、26年前に実在した場所、時間を元にした架空の物語なので見ている方々に感じ取ってもらえればと思います。見に来て下さった方々が、どういった印象を捉えるか楽しみです。
≪大森南朋≫
岩松作品は過去何作か出演していますが、毎回新たな気持ちで緊張感を持って演じています。台詞が綺麗な印象があり、稽古の際には、空間的にお教え頂けるので、その都度新たな事を勉強させて頂けるので好きです。皆さんに気に入ってもらえるか、楽しんでもらえるか今から楽しみです。頑張ります。
≪麻生久美子≫
明日からの初日が不安になるくらい今からとても緊張していますが、大好きな岩松作品に出られる機会を頂いたので、自分の中で楽しんでいければと思います。岩松さんの演出は、いつも必要な遠回りをさせてくれて勉強になりますし、演出する時の言葉がかっこ良くてしびれていました。稽古の際には相手がいるからこそ、こう動くといいのかと考えています。以前までは稽古で楽しめる事がなかなかなかったのですが、本作では楽しんで稽古をする事が出来ました。
≪三浦貴大≫
緊張はしますが、岩松作品には素敵な言葉や台詞がたくさん散りばめられているので、噛まないよう一所懸命頑張ります。岩松さんの演出は周りから厳しいと聞かされていましたが、何度も同じ場面を繰り返す事で、言葉を丁寧に扱う事や、状況に合わせての台詞使いとか今後にも活かせる事を学べました。この作品に出られた事は、これからの役者人生の中で大切な時間になると思います。
≪森優作≫
岩松さんの作品は人の状況というか、相手の状況を敏感に感じないといけないので、緊張しますが一所懸命頑張ります。
≪池津祥子≫
26年前に実際に観て、衝撃を受けた作品に出られてとても嬉しく震えています。岩松作品は想像力をかき立てたり、人間関係を大切とした作品ですし、一つ一つの台詞が素敵なので丁寧に演じていければと思います。