名作戯曲『ガラスの動物園』★主演・岡田将生 インタビュー

東京・シアタークリエで絶賛上演中!米国文学最高峰の不朽の名作が1月からは福岡・愛知・大阪へ!!

劇作家テネシー・ウィリアムズの出世作であり、1945 年のブロードウェイでの初演以降、世界中で上演され、国や時代を超え愛され続けてきたアメリカ文学最高峰の名作戯曲のひとつ「ガラスの動物園」。12月12日から東京・シアタークリエで開幕した本作は、2022年1月6日~12日まで博多座にて上演!その後も1月14日~16日の愛知、20日~23日の大阪公演へと各地を巡る。
閉塞感を感じながらも家族と過ごした日々や、叶わぬ夢を見続けながらも懸命に生きる青年トムの回想で描かれていく本作で主人公トムを演じるのは、人気・実力共に兼ね備え、ドラマや映画・舞台にと活躍も目覚ましい岡田将生。そんな彼が、本作への思いについて語ってくれた。

――出演が決まったときの率直な気持ちは?

演出の上村さんとは一度(舞台を一緒に)やらせていただいていたので、安心してこの作品に没頭できるだろうなという気持ちもあったのと、トムという役は難しい役なので、それを自分に任せていただけるのは、単純にうれしかったです。

――トムはどんな人物だと捉えられていますか?
本作は追憶の劇で、トムが27歳と21歳の設定でこのお芝居は形成されています。27歳のトムによる語りの部分からこのお芝居は始まり、トムの目線によって家族が表れてくるのですが、絶妙な心情の変化があって、母と姉を思い出しながら、自分も浸りながら、21歳を思い出しながらやってる様(さま)が、やっていると俯瞰的に27歳の状態になってしまうんですよね。そういうのを今、上村さんと調整しながらお芝居を作っていっています。トムは姉のことが大好きで、姉を置いていってしまった後悔から始まったお芝居なんじゃないかなと思っていて、稽古中もトムという役を咀嚼しながら作っていっている感じです。全部がわかっているわけではないんですけど、本当に家族想いな青年だなというのが率直な印象です。

――演出家・上村さんの演出の魅力は?
この物語の咀嚼の仕方がおもしろくて、構造のつくり方も含め、すごい方だなと。役者や役に寄り添って構築していく作業はとてもおもしろく、今回も最初に台本を一週間くらい読み合わせをしながらみんなで理解を深めていく作業がありました。新たな発見があったり、家族でもいろんな距離感があると思うんですが、その距離感だったりをみんなで話し合いながら物語の理解度を深めていく作業でより一層この作品の強度が増した気がします。みんなで共有しながら作っていくプロセスは、上村さんとお仕事している中で大切な時間で、より一層この作品をみなさんが愛せる、そういう時間を与えてくださっているのはすごいなと思います。

――共演者の印象は?
倉科さんと麻実さんは今回初めて共演させて頂きます。今は母アマンダと姉ローラとしか見えていないというか、倉科さんのことも「姉上」と呼んだりしていて(笑)、自然と絶妙な距離でお芝居を作っていっています。倉科さんとは一度共演してみたかったので、今回家族という間柄でやらせてもらうのは嬉しくて、倉科さんがローラで本当によかったなと思いますね。竪山さんは、以前「ハムレット」というお芝居で共演し、すごく濃密なお芝居を共にした、いわゆる戦友みたいな間柄で、本当に信頼できる役者さんです。四人芝居の中で知っている人が一人でもいると安心するので彼がいてくれてよかったなと思います。麻実さんとは言い争いをするシーンが多くて、「これからひどい言葉をかけますけど・・・すみません」とお話ししながら演っています(笑)。家族的な感じでお芝居を作っていっている感じです。

――舞台の魅力や難しさは?
自分の中では、映像と舞台ではあまり変わらないのですが、舞台のチケット代というものを自分自身は高価に感じているので、お客様にはその値段に見合う物語・お芝居をお見せしたいという気持ちが強いです。だから、来てくださったことに対して後悔はさせたくないという気持ちでいつも舞台に立たせていただいています。舞台は、お客様と一体となってお芝居を作っている感覚もあるので、今回の『ガラスの動物園』は家族の一員というか、その感覚でやれたらいいなと。そういう部分をより一層感じられる瞬間・時間があるのが、舞台の魅力でもあるんじゃないでしょうか。

――シリアスな役やコミカルな役など演じるうえで意識することは?
いつも演じる時は、シンプルに役のことだけを考えています。今回の作品は悲しい物語に聞こえてしまうかもしれないんですけど、空気のつくり方によって笑っていただける部分もたくさんあったり、親子の些細なやり取りひとつが面白く見えてくる瞬間があったりするので、そういうのも感じていただけるんじゃないかなと思っています。コメディのような作品も、みなさんが笑ってくださると嬉しいですよね。それだけお芝居に集中して観てくださっている証拠でもあるので、どのジャンルも僕は好きです。

――作品全体として伝えたいことは?
すごくいろんな解釈の仕方があって、トムという役を自分が演じるということに関して言うと、今回の『ガラスの動物園』は優しい空気感が漂うものにしたいんです。家族というものはやっぱり切っても切れない関係性であって、一番身近な大切な存在なんですよね。それを思い出しながら劇をしていくトムの心構えが、優しい空気に包まれている感じがしていて…。それをみなさんに目撃してもらいたいというか、舞台のあの空間でその空気を少しでも感じていただけたら、皆さんにも家族を思い出してもらえる時間になると思うし、そういう気持ちで劇場から出てくだされば嬉しいなと。悲しい結末ではあるんですけど、そういう空気を纏いたいなっていう思いはあります。

――1月からは博多座公演からスタートしますが、九州・福岡の印象を教えてください
博多座に出演させていただくのは今回初めてで、九州の方に観ていただくのが個人的に嬉しいです!みなさんにあたたかく歓迎してもらえるように頑張らないといけないなと思っているんですが、こういう状況でも行かせていただけて、お芝居できるそのことが、単純にうれしいです。

――お客様へメッセージをお願いします。

今回、初めて博多座で演らせていただくことになりました。新年最初の舞台はぜひ『ガラスの動物園』を選んでいただけたら、素敵な空間をお見せすることができると思いますし、温かく見守ってもらえたら嬉しいなと思っております。ぜひよろしくお願いします。

12月の東京公演からスタートした本作。1月からの福岡・愛知・大阪公演で、各地へ上質な舞台をお届けする。新春から名作の世界へ浸ってみては? ただいまチケット発売中!チケットの詳細はローチケ(webサイト)にてご確認ください。