『お勢、断行』2020年の全公演中止を経て、ついに開幕!初日コメント・舞台写真到着!

2022.05.17

2020年の全公演中止を経て、ついに開幕!

2017年の『お勢登場』に続く世田谷パブリックシアター×倉持裕のタッグで、2020年2~3月に上演を予定していた『お勢、断行』。開幕の2日前、新型コロナウイルス感染症の拡散防止のためツアー公演含め全公演をやむなく中止。2年の時を経て、ついに世田谷パブリックシアターの舞台で開幕!

気鋭の劇作家/演出家・倉持裕が描く稀代の悪女・お勢。善悪が目まぐるしく入れ替わる迷宮世界。

『お勢登場』では、江戸川乱歩によるケレン味あふれた8本の短編を、卓越した構成力で見事舞台化し好評を得た劇作家/演出家・倉持裕。本作は、乱歩の迷宮世界を踏襲しながらも、稀代の悪女・お勢という魅力的なキャラクターをモチーフにした、善悪せめぎ合う全く新たな謀略の物語。
椎名林檎を始め多くのミュージシャンの作品に参加し、多彩な活動を続ける斎藤ネコの音楽、迷宮感を見事に表現した二石周作の舞台美術、大正末期から昭和初期の時代 の気配を漂わせる太田雅公の衣裳など、狂騒的で混沌とした雰囲気の中で、極彩色の人間模様が展開。

強烈なキャラクターを演じる個性豊かな実力派俳優陣

自らも悪事に染まりながら、企みを巡らす人間たちに正義の鉄槌を下さんとする主人公・お勢を演じるのは、読売演劇大賞優秀女優賞を受賞するなど舞台での活躍目覚ましい倉科カナ。柔らかな透明感と確かな演技力が印象的な福本莉子は、資産家の娘・晶を演じる。
江口のりこ、池谷のぶえ、堀井新太、粕谷吉洋、千葉雅子、大空ゆうひ、正名僕蔵、梶原善と実力派俳優が勢ぞろいし、企みをめぐって強烈な個性を放つキャラクター達を見事に演じる。

初日を迎えてのコメント(2022年5月11日)

倉持裕(作・演出)

ゲネプロを終えて開演時間を待つ間、ここまでは二年前に経験済みだけれど、ここから先は未知の領域だ、という感覚で、初日の幕が開くことに戸惑いすら覚えました。
上演するために稽古に励んで来たはずなのに、上演することに現実感がなかったのです。恐ろしいことですが、この、開演までの数時間が、開幕直前に中止になったトラウマを最も感じた時でした。
そうして迎えた初日は、言い尽くせないほど嬉しかったです。二年前は、上演できないことの悔しさを知り、今回は、お客様の前で上演することがどれほど嬉しく、幸せなことなのかを知りました。
まずは、ご来場いただいたお客様と、今回の公演に力を尽くして下さった皆様に感謝申し上げます。

倉科カナ(淺葉勢役)

「お勢、断行」2年越しにやっと幕が上がりました!
2年前はゲネまでやってコロナの影響で公演が出来ませんでした。作るだけ作って止まったままなのに時は前に進んで、今までずっと心のどこかにシコリのように残っていたものが、今日幕が上がり、皆さんからの拍手を頂き、なんと言うか、すっと肩の荷が降りた気がします。
まだコロナの影響で悲しいな悔しいなと思う出来事も多いですが、時は着実に進み、人間の底力で少しずつ明るい兆しが見えてきたのではないかなと感じています。
2年前悔しい思いをしたキャスト、スタッフだからこそ、とてもこの公演にかける思いは強い!明日からもより、ブラッシュアップされた舞台「お勢、断行」を皆さんにお届け出来ると思っております。
ぜひ劇場へいらしてください。

福本莉子(松成晶役)

今日、無事初日を迎えお客様の反応を間近で感じることが出来てとても嬉しかったです。
私は今回新しくこの組に参加させて頂きましたが、2年前に一度出来上がったものを稽古場で試行錯誤しながら常にいい物を生み出そうとする皆さんの姿を見てこれは絶対にお客様に届いて欲しい、いや届けなきゃいけない作品なんだと強く思いました。そして私自身も自分の殻を破ろうと挑戦し続けた濃密な1ヶ月でした。
さらにパワーアップした舞台「お勢、断行」を是非観に来てください。

撮影:細野晋司