2021年8月初演の『瓶詰めの海は寝室でリュズタンの夢をうたった』の再演が開幕!
「おぼんろ」の舞台でとびきり贅沢な夏休み!!
8月18日(木)池袋・Mixalive TOKYO Theater Mixaにて、劇団おぼんろ第21回本公演「瓶詰めの海は寝室でリュズタンの夢をうたった」が開幕しました。昨夏に上演されるやいなや熱狂的なファンが生まれ、その圧倒的な世界観で紡がれた風変わりな冒険譚は、誰もが笑えて泣ける、そして一生忘れない物語として大きな評判になりました。今回の再演では「リュズタンを世界中の誰もが知っている物語に」をスローガンに新キャストに橋本真一、日向野祥、瀬戸祐介、大久保桜子、二ノ宮ゆいを迎え、役柄固定のミックスキャストでパワーアップして上演します。
どうかあなたも、リュズタンの世界を愛する仲間になってみませんか?
開幕に先駆けまして初日会見&公開ゲネプロを行いました。コメントと舞台写真が到着しましたので掲載します。
コメント
クラゲ役:末原拓馬
40日間くらいの作品作りの稽古を経てこれからゲネに向かいます。同じ演目をもう一回仲間を増やしてやるというのは緊張があったし、顔合わせの時点でもミックスキャストで大丈夫かなとか捲り子入れて大丈夫かなという迷いはあったけど、漕ぎ出してみたらそこに海は広がっていたという感じです。語り部10人と捲り子でやれたことはとても楽しいです。稽古の最初に物語は物語られて初めて成長していくって話をするのですが、10人でこの物語について話し合ったり、それぞれの感性が違ったり、合致するところがあったりして。僕は劇団員を愛していますし、自分の弱い部分などを支えてくれて、いなかったら自分はここまで来れなかったと思っていていますが、同様に今回の仲間たちも自分の中では劇団員みたいな立ち位置だと思っていて、これから先何十年も同じ世界でやっていくんだろうなと思っているし、おぼんろっておぼんろの物語をやった人が自称していいと思っています。ほんとに仲間のみんな大好きで、当たり前にこのまままたやるよね、前世からまたやるって決めてたんだろうなって思ってます。今は準備したので嘘みたいに遊ぶつもりで今日を迎えています。多分作品を作るということに特化したすごい強いカンパニーだなと思っています。おぼんろにとってもすごい変革の時期なんだなと思い、未来を楽しみにしています。
トノキヨ役:さひがしジュンペイ
Q.今回は初演の5人から客演さんやめくり子さんたちを迎えての上演となりますが、大所帯での上演についての思いをお聞かせください
まず楽しいということがあって、客演さんや捲り子さんたちもハードスケジュールの中で、それぞれの役に対してモチベーション高く臨んでいただいて、それに対して俺たちも刺激になってっていうのがものの見事にハマったなと思っています。それが舞台に出るのではないでしょうか。捲り子さんに関して言えば献身的に稽古に臨んでいただいて、俺たちの動きをチェックした上で、どこに入ればいいかというのをずっとずっと考えてくださってて、そういったお互いに舞台上でいい作品にしたいなっていうお互いの心遣いが作品の雰囲気と相まって舞台に紡ぎ出されるんじゃないかと思って楽しみにしています。
トノキヨ役:わかばやしめぐみ
Q.女性としてトノキヨを通じてお客様に観てもらいたい点や主演を務めることに対する想い
稽古を通じて感じたこととしては、この物語は人間を描いていて、男性版、女性版というのが全く関係ない物語だなということでした。小学生に戻る物語なので、性別に関係なく繰り広げられる、人間としてのトノキヨ像を楽しんでいただけたら嬉しいです。お客様が入るとまた変わると思いますのでぜひそこを見ていただきたいと思っております。
クラゲ役:橋本真一
Q.おぼんろ初出演ということで、おぼんろという団体について思うこと、魅力、おぼんろの独自性などについて
過去にいろいろな劇団さんに出演させていただいてきましたが、どちらかと言えば演出家さんからのトップダウンで作品を作る団体さんが多い印象なのですが、おぼんろさんの場合は拓馬さんの才能から生み出されるものを劇団員の方々がみんなで膨らませて、肩を組んで作っているんだなという印象が強いです。劇団員の皆さんは拓馬さんが描く世界観を表現するプロの方々なんだなと感じました。作品の世界観としてはテーマパークのようなポップさと、その中に人間の深い部分もしっかりと描かれているので、その両方が一緒になって絡み合って積み重なっているところがおぼんろ作品の魅力だなと思います。
ワカメボーイ役:日向野祥
Q.稽古場での印象深かったこと、印象深いシーン
僕も今回おぼんろさんに初めて出演させていただきましたが、いろんなカンパニーに出演させていただく際に、初めは演出家さんはどういう人なんだろうとか、共演者の方々やスタッフさんはどういう人たちなんだろうと思って参加すると思うんですが、最初に僕は顔合わせの段階からこんなに家みたいなアットホームさってあるんだって感じました。それは拓馬さん筆頭に劇団員の方々が分け隔てなく接してくれたことがあるかなと思います。忘れられないエピソードとしてはりんぺい(高橋りんぺい)さんが初めての稽古の時に、二つくらいの椅子を飛び越えてきて、フレンドリーに「よろしく!」と挨拶してくれて、それでまず壁が取れました。そういう入り口を作ってくれた劇団員に感謝です。稽古が進んでいくにつれて、拓馬さんの世界観を全員で緻密に作ろうっていうところに全力で挑ませていただきました。絵本が飛び出てきたような、おもちゃ箱をひっくり返したような作品だなと感じていて、そういったところを感じていただきたいなと思っています。
ワカメボーイ役:高橋倫平
Q.リュズタンという作品について感じること、魅力、見所
2時間半を5人でやるというのはすごいですよ。あとは捲り子や客演さんたちを見てほしいです。舞台美術や演出なども素晴らしいので楽しんでいただけたらと思います。
ラッコ役:瀬戸祐介
Q.リュズタンという作品について感じること、魅力、見所
この作品は最初はまるでRPGを進んでいくような、いろんな登場人物に出会っていくトノキヨ目線でお客様は楽しんでいただくと思うのですが、それが徐々に話が進むにつれて、僕らの人間性に出会ったり、それぞれの登場人物が持っている心の傷ゆえの強さだったり、仲間と乗り越えてきたからこその強さだったりが見えてきます。中盤になってみんなで同じ船に乗り始め、最後は「いい夢だったな」という台詞で終わるのですが、お客さんも一緒にみんなでいい夢を見られるような一体感が生まれるといいなと思っています。僕らが全力で連れて行きますので、そこを全力で楽しんでいただけたら嬉しいなと思っています。
ラッコ役:塩崎こうせい
Q.何度もご出演いただいていますが、その中で感じるおぼんろとについて思うこと、魅力、おぼんろの独自性などについて
おぼんろはみんなで演出するのでそこが独特ですね。他の団体は演出の意図に合わせて役者は動くのですが、おぼんろはそれぞれの意見を総合して作っていくのですごくクリエイティブな空間になるなといつも思っています。そういった意味では緊張もないのですが、千秋楽も初日のような気分でやっています。初演やっていますが、積み重ねで作っていくので、この先も20回を超えた新しいものになっていくんじゃないかなと思っています。
サンゴの姫役:二ノ宮ゆい
Q.アイドル役の声優として活動する事も多いですが、アイドルに憧れてアイドルになれなかった女の子を演じるというのはどのような気持ちですか?
今回台本を読ませていただいた時に、ミナちゃんが自分の傷とか痛い部分を吐露するセリフは自分にもすごい刺さりましたし、これをどう自分の傷とか痛みとかとリンクさせて出せるかというのがまだまだ模索中なのですが、自分とリンクするところを重ね合わせながら、自分と違うところはちゃんとはっちゃけるとか、テンションを上げるとかそういうところはちゃんとできたらいいなと思って稽古に臨みました。エンターテイメント性が強い舞台なので自分自身慣れていなかったり、難しいなと思うところが多くて、今もまだ壁にぶち当たっているのですが、それを乗り越えて楽しく作っていけたらいいなと思っています。
サンゴの姫役:大久保桜子
Q.初舞台だと思いますが、ゲネと本番を控えての今のお気持ちをお聞かせください
今は緊張しています。稽古の初めはうまくできるか不安だったのですが、稽古を進めていくうちに皆さんすごく楽しそうで、自然とこちらの不安が吹っ飛びました。楽しそう、私も飛び込みたいという気持ちになっていきました。なので今は楽しみな気持ちが強いです。
あらすじ
トノキヨは、ヨボヨボシワクチャで老人だ。
夢も希望もないまま、何十年ものあいだ誰とも関わらず独りぼっちで生きてきた。
毎晩、次の日の朝が訪れることを心底嫌がり、朝目覚めると、早く夜が訪れ1日など終わればいいと願い続ける毎日を繰り返していた。
ある夏の夜、トノキヨのもとに、水色の少年が現れた。
少年は自らをクラゲと名乗り、小瓶を掲げて声を弾ませた。
「海を盗んできた!」
覗き込むと、小瓶の中には海が入っていた。
戸惑うトノキヨなどおかまいなしで少年が小瓶を床に叩きつけると、中からは海があふれ出し、ベッドは瞬く間に大海原に放り出されたのだった。
トノキヨは困ってしまった。
なぜならその晩トノキヨは、生きていることが嫌になって眠り薬をたらふく飲んだのだった。
海の世界で出会う、奇妙な仲間たち。
一刻も早く目覚めてまた眠り薬を飲みたいトノキヨは、そのためには遠い昔に提出し損ねた夏休みの宿題をおわらせなければならないと告げられ冒険に出る。
あなたは小学5年生の夏休み、何をしていましたか?
大人になりたかったわけではないのに、子供ではいられなくなってしまったすべてのあなたに贈る、風変わりなファンタジック冒険譚。
進もう、覚めては始まる夢の先まで。
公開ゲネプロ舞台写真