三人芝居「オブセッション」開幕!早くもDVD化決定!

2022.09.15

9月14日(水)東京・CBGKシブゲキ!!にて、三人芝居「オブセッション」が開幕しました。
本作は、加害者と被害者だったはずの男二人が、憑依した彼女を通し、不思議な絆を芽生えさせていく、そんなやりとりを描いたドタバタ憑依コメディです。9月19日(月・祝)までの上演となり、本日の初日公演及び千穐楽公演を含む9月19日(月・祝)の公演を合わせた全3公演にてライブ配信を予定しております。各公演終了後7日後までアーカイブ配信もございますので、この機会にぜひご覧ください。

また、この度、本作品のDVDを2022年12月23日(金)に発売することが決定いたしました。明日9月15日(木)正午より、東映 ONLINE STORE(https://www.toei-onlinestore.com/)にて期間限定(受注受付期間:9月15日(木)12:00~11月27日(日)23:59)で限定予約版の受注受付を実施いたします。受注受付の限定特典として、全アフタートークを収録した特典映像が満載のスペシャルDVDが1枚ついてくる、2枚組の限定予約版の仕様となっております。また、同受注受付期間に、東映にて製作・上演した2つの舞台演劇作品、二人芝居「息子の証明」、 S-IST Stage「ひりひりとひとり」のDVD限定予約版の受注販売もございますので、どうぞお見逃しなく。

以下、本日開幕の三人芝居「オブセッション」のゲネプロの模様とあわせて、演出を務めます粟島瑞丸及び出演者3人が登壇した囲み会見のリポートを掲載します。

 

ゲネプロリポート


昨今、さまざまな“バディもの”が人気を博しているが、こんなバディは見たことがない。

主人公は、結婚間近の恋人を失った三原雄吾(赤澤燈)。そのバディとなるのは、三原の恋人を車で轢いてしまった曽根崎勇(本田礼生)。なぜ被害者の恋人と加害者が相棒になったのか。その理由に、この作品の面白さがつまっている。

最初は、復讐が目的だった。廃墟の一室に曽根崎を監禁し、銃口を向ける三原。だが、突然、曽根崎の体に死んだ恋人・愛の魂が憑依する。ここで曽根崎を殺したら、もう愛と話せない。なぜ愛の魂は今も現世を彷徨っているのか。愛がこの世に残した無念の正体を、三原は曽根崎と力を合わせて探ろうとする。その中で生まれてくる2人の不思議な友情が、観客の心を温かく包み込む。

見どころは、本田と赤澤の息の合った掛け合い。愛との出会いから延々と熱弁する三原と、それを無理矢理聞かされる曽根崎。照明に照らされて自分の世界に浸っている赤澤と、それに対する本田のキレのいいツッコミが客席を温める。愛が憑依してからは、笑いのギアがさらに上がる。愛だと思って三原が近づくと、急に曽根崎の人格に戻る。自分を殺そうとしている三原の顔が目の前にあることに驚く曽根崎のリアクションと、あっけにとられる三原の姿がコミカルで楽しい。何かあるたびに曽根 崎の頭に銃口を突きつけて脅すなど、お約束のネタも散りばめられていて、安定感のある笑いにすっかり心がほぐされていく。

三原同様、曽根崎の命を狙っている柳(大内厚雄)が加わってからは、笑いの構造がより多層的に。曽根崎とタッグを組んだことを柳に知られたくない三原は、柳が顔を出すたび、曽根崎を痛ぶっているフリをする。そのドタバタ感に思わず笑いが漏れ出ることだろう。

曽根崎役の本田は、愛が憑依したときの切り替えが実に見事。声はもちろん座り方や手の使い方まで女性らしくて、その愛らしさについ口元が緩んでしまう。三原役 の赤澤は思い込んだら一直線の性格と、奇想天外な状況に振り回される姿がおかしみを誘う。「悲劇は喜劇」とはよく言う話だが、三原が可哀相になればなるほどつい笑ってしまうところも、この作品の楽しさだ。曽根崎殺しにイキイキと顔を輝かせるベテラン・大内も、いいスパイス。飄々とした空気で作品に軽やかさをもたらしながら、終盤はピリッと引き締める。
上演時間は90分とコンパクト。良質な笑いと、手練れの役者たちによるアンサンブルを楽しみたい人にオススメの1本だ。

 

囲み会見リポート

三人芝居「オブセッション」が開幕した。本作は、MANKAI STAGE『A3!』の本田礼生と赤澤燈、演劇集団キャラメルボックスの大内厚雄による三人芝居。脚本を映画『春待つ僕ら』『リベンジ girl 』のおかざきさとこ。演出を演劇集団 Z-Lionの粟島瑞丸が務める。

初日に先駆けて行われた囲み会見には、本田礼生、赤澤燈、大内厚雄、粟島瑞丸の4人が登壇。本田が「人と人が距離をとらないといけない時代なんですけど、より濃密なものを観 てくださる方々に届けたい」と口火を切ると、赤澤は「あらすじと出演者とスタッフのクレジットしか出てない状態でお客様にたくさんのチケットを買っていただいていることがとてもありがたいことだなと感じています。その期待に応えられるように、初日から千秋楽まで頑張りたい」と熱演を誓った。

感染対策として、現在、客席での私語が禁止されているが、そんな中で「ついつい大声を出して笑っちゃうような初日になれば」と大内が胸を膨らませると、粟島も「“人を楽しませるためには自分たちが楽しまないと”をモットーに、全力で初日を迎えたいと思います」と意気込んだ。さらに作品の見どころについて、本田は「物語がスタートから二転三転四転していく」と述べ、「観ている方によって感情移入するシーンも違えば人も違うと思うし、自分ももしかしたらこういうことがあったなって思うような瞬間もある」と作品の普遍性を強調。その上で、「普通じゃあり得ないズレやシチュエーションが面白い作品だと思っています」とドタバタコメディらしい魅力に自信を覗かせた。

赤澤は、死んだ彼女の魂が本田演じる曽根崎に乗り移るという物語の設定にふれ、「僕の彼女が本田礼生というところが見どころかな」とニヤリ。大内は「昨今、詐欺が横行していますけど、いちばん信頼できる人物に対して本当に信頼していいのかという、社会の問題に切り込んだ作品になっているかもしれません」とぶち上げ、共演者たちから「そうなの?」と笑いを誘っていた。

粟島は出演者の3人について「とにかく3人はお芝居が大好き」と語り、「個々で話し合って新しいものを稽古で出してくれる」とコメント。「3人から生まれたネタがたくさんあった。 3 人の役者魂が魅力です」と胸を張った。

本作はライブ配信も行われるが、本田が「見ていただきたいポイントを明確にカメラが抜いているので、作品の魅力がすごくストレートに伝わるんじゃないかな」とライブ配信の醍醐味を挙げると、赤澤も頷いて「配信だとおうちでリラックスした状態で観れる。何か食べながら観たり飲みながら観たりもできるだろうし、細かいところも観れる」と補足 。アーカイブ配信なら観る時間帯も選べることから「『夜中に舞台が観たいんだ私は!』っていう人にはいいかもしれない」とフリースタイルな観劇の楽しさをアピールしていた。

ゲネプロを直後に控える本田は「コメディのゲネプロ。演劇界でいちばん怖い言葉なんじゃないかなと僕は思っているんですけど」と苦笑い。「少しでも面白いと思ったらぜひぜひ笑っていただけると、僕たちの自信にもつながるし。万が一ひとつも笑いが起きなかったときは初日押してもいいんじゃないかと思っている」と怯えつつ、「密な劇場で演劇を観ていただくことが難しい時代ですけど、空間を共有して楽しんでいただけたら」と笑顔で呼びかけた。

三人芝居「オブセッション」は9月14日(水)から19日(月・祝)までCBGKシブゲキ!!にて上演。初日である9月14日(水)の19:00公演と、千穐楽公演を含む9月19日(月・祝)の13:00/17:00公演の全3公演はライブ配信も行われる。

 

INTRODUCTION

とある一室で起こるちょっと奇妙なドタバタ憑依コメディ

事故で最愛の彼女を失くした三原雄吾(演:赤澤燈)は、親の力で事件を揉み消した加害者の曽根崎勇(演:本田礼生)を恨み、ある廃墟の一室に監禁し、殺そうとする。
しかし、なんと曽根崎にはその最愛の彼女が憑依していた!曽根崎を殺そうとすると、愛する彼女が出てきて、殺したいけど殺せなくなってしまう三原。同じく曽根崎の命を狙う柳(演:大内厚雄)も現れ、三原は殺したいほど憎い曽根崎を守る羽目になってしまう。不思議な協力関係となる三原と曽根崎。やがて彼女が曽根崎に憑依した衝撃の理由が明らかになり、事態は思わぬ展開に発展していく…
加害者と被害者だったはずの男二人は、憑依した彼女を通し、不思議な絆を芽生えさせていく。殺したいけど、殺せない。そのままでいてほしくないけど、そうじゃない。そんな不思議なやりとりを描いたドタバタコメディ!人と人はどうつながって、人は人を通じて、どう変わっていけるのか?

「おまえが今やるべきことはおれを殺すことじゃない。…おれを守ることだ!!」