写真上段左から、中村米吉、 宇野結也、小澤亮太
写真下段左から、 市瀬秀和、佐藤和哉(篠笛)、紫吹淳
先日、2022年12月に愛知、2023年1月に東京での上演決定が発表された、歌舞伎俳優の中村米吉が外部作品初出演するという主演舞台『オンディーヌ』。この度、舞台を彩る新たなキャストとして、宇野結也、小澤亮太、佐藤和哉(篠笛)、市瀬秀和、紫吹淳らの出演が明らかに。主演のオンディーヌには、新作歌舞伎『風の谷のナウシカ』のナウシカ役など、歌舞伎界の注目の若手女形として挑戦を続ける中村米吉。かつて数々の名優が演じてきた騎士のハンスには、舞台で活躍中の人気若手俳優、宇野結也と小澤亮太がWキャストで出演。水の精の王(奇術師)には「スーパー歌舞伎Ⅱ」や時代劇を中心に活躍中の市瀬秀和、そしてオンディーヌを諭す水の精(王妃)に紫吹淳の特別出演を得て豪華な顔ぶれが揃った。さらに水の精として篠笛奏者の佐藤和哉の参加で、ビジュアル・言葉・音楽が融合し、深く美しい森の湖の世界へ誘う。
本公演では、映像・舞台で数々の名作を手掛けてきた星田良子の上演台本・演出により、「水の精」たちで演じられる新しい世界観の『オンディーヌ』を目撃することになりそう。
永遠の愛を信じて人間界に入った水の精オンディーヌの悲恋を描く本作。実力派俳優達が織りなす極上のエンタティンメントにご期待あれ!
「オンディーヌ」とは
本作は、フランスを代表する劇作家ジャン・ジロドゥの最高傑作。永遠の愛を信じて人間界に入った水の精オンディーヌと、遍歴の騎士ハンスの悲恋を描いている。1939年パリのアテネ座の初演では、洗練されたセリフ運び、独創的なヒロイン像などが絶賛を博した。1954 年にはニューヨークでも、オードリー・ヘップバーンのオンディーヌで上演され、外国演劇部門のニューヨーク劇評家賞を受賞。日本では1958 年に劇団四季が初演し、その後も上演を重ねられている20 世紀屈指の古典劇だ。今回は言葉と音楽・ビジュアルを融合し、現代の詩劇として綴られる。
【ものがたり】
年老いた漁師夫婦の小屋に遍歴の騎士ハンスが一夜の宿を求めて訪れる。
ハンスにはベルタという婚約者がいるが、漁師の娘オンディーヌと恋に落ち、結婚を決める。実はオンディーヌは水の精である。
水の精の王に「結婚は許すが、男が心変わりし、オンディーヌを裏切ると、男は死ぬ」と警告をされる。
オンディーヌはハンスに王宮に連れて行かれるが、なじめず天衣無縫にふるまう。
これを恥じたハンスは、かつての婚約者で王の養女であるベルタに心が戻り、ハンスの身の危険を予感したオンディーヌは自ら姿を隠す。
ハンスとベルタの結婚準備中に、オンディーヌは魔物にとらえられ、水の精として裁判にかけられる。
再会したオンディーヌを前にハンスは、オンディーヌへの真の愛に気づくのだが…