舞台『巌流島』横浜流星&中村隼人 囲み取材会レポート @門司港

2022.12.22

写真提供:博多座

1612年(慶長17年)、関門海峡に浮かぶ小島「巌流島」で繰り広げられた、剣豪・宮本武蔵と佐々木小次郎の歴史に残る世紀の対決。誰もが知るこの決闘を、新解釈・新設定で、画期的なアクション時代劇として描く新作舞台『巌流島』。堤幸彦による演出で、宮本武蔵役にはアクションにも抜群の冴えを魅せ、TVドラマ・映画と近年の活躍が目覚ましい若手ナンバーワン俳優の横浜流星が、そのライバル佐々木小次郎を若手歌舞伎俳優の中でも『スーパー歌舞伎II(セカンド)ワンピース』や新作歌舞伎『NARUTO(ナルト)』にも出演し注目度の高い、中村隼人が演じる。

2022年10月末、山口県下関市の巌流島で行われたオンライン配信による本作の製作発表会。その様子はローチケ演劇宣言でも掲載中だが、この製作発表会後、巌流島を後にした横浜流星と中村隼人の二人が向かった先にローチケ演劇部も直撃!関門海峡が見渡せ、巌流島も望める福岡県の門司港・関門海峡ミュージアム内に登場した二人。関門海峡をバックに、記者への質問に真摯に答えてくれた。

今回が2度目の顔合わせとなった二人。最後には思わぬ話の展開に―――。

――最初に舞台『巌流島』の出演話が届いた時の感想は?

横浜「2年前に舞台のお話をいただいた時は、周囲からは武蔵というよりは小次郎のイメージがあったようです。自分としては武蔵のような(熱い)心も持っていると思っていましたので、いい意味で皆が抱く僕へのイメージを裏切りたいという楽しみもありました。でも、残念ながら2年前は公演が中止になってしまいました…」

隼人「2年前、この舞台の発表があった頃、僕はちょうど博多座で『スーパー歌舞伎II(セカンド) 新版 オグリ』の公演中で、『巌流島』が博多座でも上演されるという情報は知っていました。そして、このたび出演のお話を頂き、完成されたカンパニーに自分が入っていくことへの責任のようなものをすごく感じました。でも、流星君のことは他の出演作品で知っていましたので、彼が演じる武蔵にどの様にぶつかっていけるだろうかと思うと、非常に楽しみになりました」

――舞台出演で心掛けていることは?

写真提供:博多座

横浜「自分は緊張が顔に出ないタイプなんです。でも、どんな作品でも緊張はしますし、するものだと思っています。失敗しちゃダメだと思うと余計に緊張してしまうので、そこは役に入って楽しんでしまおう!と思いながらいつも役に臨んでいます。稽古を経て生まれるチームワークもありますし、舞台は生モノですから本番を重ねることで新たな何かがそこに生まれると思うので、それを大事にしたいと思います」

隼人「僕は、役になりきって楽しむことを忘れないようにしています。緊張って、肩にも喉にも力が入ってしまって、せっかく稽古してきたものが出せなくなると勿体ないじゃないですか。まだ緊張をコントロールすることは難しいですが、意外と緊張したままポーンと舞台に出た時の方がいい芝居が出来る時もあります(笑)」

――横浜さんは本格的な殺陣は“初”だそうですが、お二人は殺陣にどんなイメージを持たれていますか?

横浜「殺陣と言っても様々な形があると思います。以前出演した、白虎隊をモチーフにした作品での殺陣は、踊りのような、“舞う”ような殺陣でした。今回、堤さんからは『生々しい、派手な殺陣にしたい』と言われています。音響や映像と相まって完成度が増していくと思うので、演出を最大限に活かした殺陣が出来れば良いなと思います」

隼人「殺陣となると押し引きや駆け引きが大事になってくるものですが、流星君は空手をやっていたということで、“当てる感覚”、本当の闘いを感覚として分かっていると思うんです。僕は芝居での疑似的な闘いを殺陣で経験しているから、二人の持っている感覚をミックスさせて、いい殺陣が見せられたらいいなと思います」

――隼人さんは歌舞伎以外の舞台が“初”となりますが、実際に進みだして今の心境は?

写真提供:博多座

隼人「今日は武蔵のゆかりの地、小倉城や手向山を一緒に周ってお話を聞いていく中で、流星君のふとした表情が武蔵に見えてくる瞬間が何度かあって、きっと憑依するというか、役に入っていくタイプの役者さんだなと思いました。そういう方と一緒にお芝居が出来るというのは、役者としてとても楽しみですね。僕の方が舞台経験が多く、年齢も少し上だからちょっと引っ張っていきたいと思う部分もあります」

――隼人さんは歌舞伎公演で全国各地を周られているので、ここ福岡にも多く来られているかと思います。横浜さんに福岡でおススメするとしたら何がありますか?

隼人「そう!福岡の情報は詳しいですよ~(笑)」

横浜「それはありがたいです (笑) 」

隼人「結局は食べることが楽しみになるんですが、やはり疲れた時はお肉とか食べたら翌日すぐに元気になります。ありきたりですけど、もつ鍋、水炊き…。あと、福岡は3月に行くからまだ少し肌寒いと思うので、イカがたぶん美味しいと思う」

横浜「イカですか!意外です」

隼人「海鮮類とか、東京では食べられないような値段で新鮮で美味しいものが味わえるかなぁ」

――その他に、何か博多座での楽屋での過ごし方やバックヤード、舞台機構など、アドバイスはありますか?

隼人「楽屋の過ごし方!?いきなり先輩風吹かせちゃう?(笑)」

横浜「それは気になります(笑)。ぜひ聞かせてください」

隼人「博多座に関しては、一つ一つの楽屋が大きくて、廊下も広い!普通の劇場裏だと、衣裳を着て廊下にいると2・3人も通ればぶつかるくらいなんですけどそこが大丈夫なくらい広いです」

横浜「えぇ!そんなに広いんですか」

隼人「出演者同士がぶつかる心配も少ないかな。あと、僕が歌舞伎をやる大劇場だけで判断すると、博多座は音響が特にいいですね。音が違うんです」

横浜「(深く頷きつつ)へぇ、そんなに違うんですか?」

隼人「音圧も全然違うんですよ。天井も高く、音が気持ち良く反響するので台詞が聞き取りやすいですね。照明もあらゆるプランに対応してくれるので、堤さんの演出が活きる劇場だなと思います」

――今のお話を聞いて、横浜さん、どうですか?

横浜「僕は初めての劇場になりますし、そういった目線の話を今聞けてよかったです。今回、地方公演でたくさん周らせていただくので、各地の会場で音響も変わってきますよね。そこは、ちゃんと確認しながら作っていかなければと、改めて思いました」

隼人「それともう1つ。(博多座の楽屋では)エレベーターに気を付けてください」

横浜「え?エレベーターですか?」

隼人「2台だけなので、楽屋は地上階なんだけど、一度間違えて地下に下りてしまうとなかなかエレベーターが来ないから、気を付けて(笑)」

横浜「はい(笑)」

――――と、最後は和やかな雰囲気で会見は終了した。

この日、会うのが2回目となった横浜流星と中村隼人。最初はまだお互いに緊張を感じさせていた二人だったが、徐々に二人の距離が縮まっていく瞬間を垣間見れたような気がして頼もしく感じた。稽古が始まればさらに深まり、舞台にいい影響をもたらしていくことだろう。そんな二人の深化の行方は、ぜひ劇場で!

最後に話題にあがった大千穐楽の地となる博多座公演のチケットは、2023年1月28日(土)10:00より一般発売開始!!舞台『巌流島』公式サイトでは、福岡公演の先行受付を実施中だ。

その他開催地の発売情報などの詳細は、下記の公演概要欄にある「チケット情報はこちら」から今すぐチェック!

◆取材会の会場となった門司港の『関門海峡ミュージアム』◆

取材会が開かれた関門海峡ミュージアムは、北九州市門司区の門司港駅から徒歩圏内の体験型博物館。
外観・内観ともに、大型客船をイメージして建てられおり、関門海峡沿いに位置することで、最上階展望デッキから雄大な関門海峡を独り占めできるその眺望は圧巻。近くの渡船場からは巌流島(船島)へ渡れるフェリーも運行している。