☆絶賛上演中☆舞台「女の一生」博多座公演・初日前囲み取材会レポート到着!大竹しのぶ、段田安則、高橋克実、風間杜夫が登壇!!

2022.11.24

写真左から、風間杜夫、高橋克実、大竹しのぶ、段田安則

珠玉の名セリフの数々が心を打つ、ある女の一代記
今だから伝えたい!激動の時代を駆け抜けた女の一生

終戦直前の1945年4月に森本薫が文学座に書き下ろしで、杉村春子が生涯にわたって主人公の布引けいを演じた、日本演劇を代表する不朽の名作『女の一生』。2020年には段田安則が演出を手掛け、大竹しのぶが初演。その魂を込めた演技は、多くの観客の心を打った。そしてこのたび、絶賛を浴びたこの不朽の名作『女の一生』の再演が決定し、待望の博多座初登場が実現!11月18日(金)に博多座にて幕を開けた。

ゲネプロ舞台写真より。 左から、高橋克実( 堤栄二 役)、大竹しのぶ(布引けい 役)

この博多座開幕の前日、マスコミ向けにゲネプロと囲み取材会が行われ、本作で主人公・布引けいを演じる大竹しのぶ、次男・堤栄二役の高橋克実、本作の演出も手掛ける長男の堤伸太郎役の段田安則、叔父の堤章介を演じる風間杜夫が登壇し、和気あいあいとした雰囲気の中、意気込みを語った。

まずは演出も手掛けている段田から「新橋演舞場、南座に続き、念願の博多座公演!ここで集大成となりますが、皆さんに楽しんで頂けるものをお届けしたいと思います」と挨拶が。続いて大竹からは「他の演目が(コロナの影響で)公演中止になったというニュースが耳に入るたびに心を痛めつつ、この作品は新橋演舞場・南座を経て、博多座でも幕を上げることができました。博多座には4月に『ピアフ』で出演させていただき、とても温かい拍手で千穐楽を迎えられたことを今でも忘れられません。博多の美味しいものが食べられたらいいなという思いはあるのですが、悲しいけど(笑)そこはまだ我慢して、今回も最後まで駆け抜けられるよう一生懸命頑張りたいと思います」と真っすぐな瞳で語った。

そして、博多座の舞台に立つのが初となる高橋克実は、「先輩たちの足を引っ張らないように誠心誠意込めて、芝居を務めたいと思います」と少し緊張した面持ちで力強く語った。それに続いて、同じく博多座が初となる風間杜夫は「『とにかくいい劇場だから、一度は立ってみた方がいい』と役者仲間に聞いておりましたが、本当に立派な劇場ですね。ここまで上演を重ねてきまして、出演者一同…自信満々でございます(笑)。特にですね、高橋克実演じる栄二は、最初の頃から比べて成長著しいです(笑)。しのぶちゃんの演技はもちろんですが、高橋克実の演技力にぜひ注目してご覧いただけたらと(笑)」と、わざとプレッシャーをかけるようにおどけてみせて、会場は一気に和やかなムードに。

これだけでもカンパニーの仲の良さが伝わってくるが、思わぬ先輩からの“推し”コメントに大竹からは、「初演では気苦労で7キロ痩せたんでしょ?(笑)」と問いかけられた高橋。「そうですねぇ、今回は2・3キロですか?あ、違いますよ?変なプレッシャーとかではなく、いい意味での緊張感の中で痩せたってことですよ(笑)。60歳過ぎると、どの現場でも一番上の方になるんですが、このカンパニーだと駆け出しのようになりますんで、いい意味でのプレッシャーを感じつつ頑張ってます」と高橋も笑顔で語った。

そして見どころに関する質問に段田は、「今もそうですが、私と高橋君とで頭に“何か(カツラ)”(笑)をのせて、学生服を着て登場するところが見どころでしょうか(笑)」と思わぬコメントに、「でも、学生服に見えないよねぇ。おじさんが黒い服着てるって感じで(笑)」と大竹からのするどいツッコミが。しかしそれにもめげることなく段田は「実は私は、(林翔太演じる)野村精三役や、布引けいだって演じてみたいって思ってますからね。それほど、どの役も魅力的だし、どの役も見どころ満載です」と、コメントを残した。

そして、今度は高橋が「今回、風間先輩がノリにのってます!」と、先程の“推し”プレッシャーコメントへの反撃に。「私が、ある場面で一旦袖にハケまして、カツラを脱いで着替えるんですが、その場面を風間先輩など数名が目の前で見られていまして、それを見て風間さんはテンション上げて舞台へ出られていくという…(笑)。いいチームワークが出来ております!」と、先ほどとは逆に風間を“推し”てきた高橋だったが、そこは風間の方が一枚上手のようで、「その話の続きで言えば…。ヅラ替えがありまして、その立派な“光”を後ろから見させてもらって「ハゲまされる」という感じです(笑)。何かそれに応援される感覚で、私は一幕二幕を進めております(笑)。とにかく、一人一人が楽しんでこの舞台に挑んでいますので、それが皆さまにも伝われば…と思います」と返した。そのやり取りに最後は大竹が「どうしよう、ひどいお芝居だと思われたら(笑)」と発言し、全員が爆笑。

ゲネプロ舞台写真より。左から風間杜夫(堤章介 役)、大竹しのぶ(布引けい 役)、林翔太(野村精三 役)

しかし最後は、2020年の途中公演中止を経ての今回の再演に挑む気持ちについての質問に対して、それまでの爆笑ムードからガラリと雰囲気が変わり、各自が舞台への思いを語った。

まず大竹からは「初演では客席を半分にして、客席から声を発してはいけないという状況でした。観る側も覚悟をもって観ないといけない状況にも関わらず、お客様はこの芝居を選んで観に来てくださったんだと思うと、たとえお客様が一人だったとしても私たち演者は覚悟を持って芝居を続けなければならないと思いました。この『女の一生』が最初に上演された当時は戦時中だったんですよね。そんな中でも上演する道を選んだということ、なぜそんな状況下でも芝居を見せたいという思いにいたったんだろう?と考えたら、その時とじような気持ちを、いま私たちも感じるているんだと思ったことが心に残っています。初演の時の緊張感は忘れることが出来ないと思います」と語られた。

そして段田からも「一番いい席で13,500円するんですよね。コロナ禍で不安な状況の中、れでも高いお金を出して皆さまが各地来てくださいました。そんな大事なお金を出してきてくださることへの有難みを、コロナ禍になって余計に感じましたね」と語れば、高橋は「2年前は一席ずつ空けた座席で、カーテンコールはしのぶさんと二人だけでしか出られない状況でしたが、それが今回は全員で最後に出られるんです。京都の初日なんて客席から『声、出てへんで!』と叱咤激励を受けて(笑)、ようやく盛り上がってきたなって感じました」と、通常に戻りつつある客席とのエピソードも聞かせてくれた。

そして最後に風間からは「初演時は、一幕…二幕…と、出演が終わった人は帰って、残った人だけでのカーテンコールでしたが、今回は全員が最後まで残れて御礼の気持ちを伝えて幕が下せることになります。来てくださったお客様に感謝の気持ちを伝えて終われるのが本当に嬉しいことだなと感じています」と、感謝の思いが語られた。

ゲネプロ舞台写真より。左から、大竹しのぶ(布引けい 役)、段田安則( 堤伸太郎 役)

幾度となく困難な壁が立ちはだかりながらもたくましく生きてゆく主人公の姿には、令和を生きる私達の胸に訴えかけてくるものがある本作。ようやく見えだした『いつも』の景色を体感しに劇場へ足を運んでみては?

まもなく折り返しを迎える本作の上演は11月30日(水)まで。チケット好評発売中!詳細は下記「公演概要」欄からご確認ください。