竹生企画史上最も濃い2人の演技合戦を堪能せよ
竹中直人×生瀬勝久。強烈な個性を持った実力派コンビによる演劇シリーズが、竹生企画だ。その第3弾『火星の二人』がいよいよ始動する。見どころは何と言ってもここでしか見られない2人の濃厚な演技合戦だ。
生瀬「竹中さんはシャイでロマンチストで、ご自身の世界観がある方。そこに毎回僕が土足で踏み込んでいくわけですから、竹中さんにとってはやりにくいと思いますよ(笑)。でも、僕はそれが楽しい。竹中さんと言えば本来攻撃的で、ムチャクチャにされてきた方。でも最近はすっかりダンディで物分かりの良い人になっている。竹中さんのことを本気でリスペクトしているからこそ、今回も思い切り竹中さんのことを困らせたいと思います(笑)」
作・演出には、過去2回同様、倉持裕を迎える。本作は、大事故から奇跡の生還を果たした男2人を軸にした「生き抜くこと」を巡る物語だ。
倉持「お2人のぶつかり合いが竹生企画の見せ場。過去2回は腐れ縁という設定だったので、今回は敢えて初めましてという関係性にしたいな、と。でも完全に赤の他人じゃ気を遣ったままの関係で終わってしまう。そこで何か強烈な共通項がほしいなと思って、この設定を考えました」
事故により生きる気力を失った主人公(竹中)。彼の自宅へ、同じ事故の生存者でありながら逆に活力をみなぎらせている男(生瀬)が転がり込んでくるところから物語は動き出す。
倉持「お2人からSF的なものがやりたいというお話はいただいていて。ふと思いついたのが、このタイトル。火星は30年に2回だけ大接近するらしくて。それが2人の関係にリンクすればいいな、と。過去2回と比べても、今回が一番2人きりのシーンが多くなると思う。ユニット名に偽りなしの作品になると思うので、楽しみにしていてください」
生瀬「もう設定が爆発的に面白いですよね。これをどういう終着点に持っていくのか非常に楽しみです。自信を持ってお届けしますので、これまでの作品をご覧いただいた方はもちろん、まだ観たことがない人もぜひ劇場へ。竹生企画を侮るなかれ、とお伝えしたいですね(笑)」
インタビュー・文/横川良明
Photo /阿部卓功
※構成/月刊ローチケ編集部 1月15日号より転載
※写真は本誌とは異なります
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【プロフィール】
生瀬勝久
■ナマセ カツヒサ ’60年、兵庫県出身。舞台、ドラマ、映画と幅広く活躍。’18年1月より舞台『アンチゴーヌ』に出演中。
倉持裕
■クラモチ ユタカ ’72年、神奈川県出身。劇団ペンギンプルペイルパイルズ主宰。’04年、『ワンマン・ショー』で岸田國士戯曲賞受賞。