舞台「トムラウシ」 石黒英雄、大湖せしる参加の取材会レポートが到着!

2023.01.25

2023年2月4日(土)から2月12日(日)まで、東京・自由劇場にて上演する舞台「トムラウシ」。主演の石黒英雄と大湖せしるが参加した取材会のレポートが到着いたしました。「トムラウシ」は、小説家・劇作家・演出家・シナリオライターとして幅広く活躍する “秦建日子”が書き下ろすオリジナル舞台作品で、サスペンス要素のあるストーリーを軸にしたストレートプレイのお芝居に、《和太鼓の生演奏をフィーチャー》したエンターテイメント作品となっています。

取材会レポート


――今回の舞台「トムラウシ」への出演が決まったときのお気持ちを教えて頂けますか?

石黒 「今回のオファーを頂く前から主演の作品に挑戦したいという気持ちがあったんです。コロナ前からのいろんな経験を経て、コロナで少し仕事がなくなり、ちょっとくすぶっていた時期もありつつ、今の自分の年齢でどこまでできるのかと。今の自分の考えや価値観を踏まえた上で、挑戦する場所が欲しくて、そういうタイミングのときにオファーを頂いたので、すごくありがたくて、素直に嬉しかったです。その分心が引き締まりましたし、新しい自分を出すためにやろうという気持ちでいっぱいです」

大湖 「私はミュージカル系の作品に出演することが多かったので、ストレートプレイに出たいと最近思っていたところにいただいたお話だったので、このタイミングでいただけて、嬉しかったです」


――大湖さんは2.5次元の舞台にも多く出演されていますが、ストレートと2.5次元では気持ち的に異なりますか?

大湖 「全然違いますね。2.5次元はまずキャラクターがあって、そこに近づけていくというか、その役のその答えがあるんです。それをいかに舞台として成り立たせるか、真似事だけでは駄目なので、どう作っていくかの難しさがあります。ストレートプレイの場合は演出家の方の頭の中には、役に対しての答えはある程度あると思うんですが、それも含めて一緒に作っていける楽しさもあると思うので、すごい楽しみですね。今回の『トムラウシ』は新作ですし、どれも正解で、自由だからこそ難しくもありでも、楽しみでもあります」


――この取材会のタイミングではまだ稽古が始まっていませんが、台本を読んだ印象はいかがですか?

石黒 「かなり序盤はもう大湖さんが演じる梨花がストーリーを進めていく感じですよね(笑)」

大湖 「プレッシャーが…(笑)。頑張ります」

石黒 「プレッシャーをかけているわけではなくて(笑)。台本の序盤は大湖さんの役が話を回していくので、主役性があるよね、梨花は。僕は役としては受けというか」


――大湖さんはTwitterで公開したドレス姿と看守、2つの衣装のギャップも印象的でした。

大湖 「ビジュアル撮影のときは、台本は頂いていたけれど、まだはっきりとはわかっていなくて。宝塚で男役と女役をさせていただいてきたことを活かせるのはこういう見せ方かなと。ただ、写真の看守の恰好で見せたような格好良いところは、そんなにキャラ的にないかもしれないですね」


――キャラクター的にはかわいらしい印象ですよね。

大湖 「そうそう。なので、稽古をやりながら作っていく感じですね」

石黒 「僕としても、いまのところはやってみないとわからないなっていう気持ちしかないですね。そういう気持ちもありつつ、逆の視点でこちらもやらないといけないのは確かで、大湖さんが物語を回すキャラクターを演じながら、その逆の視点からも楽しめるように、こちらもやっていかないといけないのが芝居というもので。そういう風に僕たちがどれだけ濃くやっていけるか、どれだけキャラクターを立たせられるかも重要。受けの立場だと聞きながらの芝居、例えばセリフのないところの動きをどうするか、そういうことをやっていくのが舞台なので、そこをちゃんと重点的に稽古をしつつ、和太鼓をやりながら、新しい世界観を出せたらなと思っております」


――ストレートプレイのお芝居に、《和太鼓の生演奏をフィーチャー》するというコンセプトを聞いたときには、どう思われましたか?

石黒 「僕は純粋に面白いなと思いました。もともと和太鼓に関しては旅番組で訪れた佐渡島で“鼓童”というプロ集団にお会いして、和太鼓のパフォーマンスや楽しさを教えていただいたので、いつか和太鼓をちゃんとやってみたいなって思っていたんです。今回、和太鼓とストレートプレイと聞いて、〈僕ができるんだ〉という喜びと、またストレートプレイで主役ができるという二つの喜びがあって。僕としては非常にありがたい組み合わせだなと思いました」

大湖 「私も最初お話を頂いたときに、和太鼓、楽器を交えた舞台ということを聞いて、このお話を受けたいと思った部分が大きいですね。宝塚のときに和太鼓をずっと叩いていた作品があったんですが、18年前だったんですよ。だから、最初の方はいまだに苦手なリズムはあるけれど、体が思い出す感じはあって、やっぱ楽しいなって。それを芝居と一緒にやっていくのはすごく楽しみです」


――石黒さんは座長としてはいかがですか?

石黒 「芝居だけではなく座長としても、どういう風になれるのかなとは思っていて、無理をしても駄目だから……。無理して座長感を出すのも嫌だし(笑)、まだわからないですけど、なにか失敗することも含めて、経験としてちゃんとやっていけたらなと思っております。過去に2か月ぐらいのロングランの公演をやっていたことはあるんですが、10日ぐらいの作品での座長が初めてに近いので、座長感は出さない方がいい気がする(笑)。ただ、僕が真ん中に立つ以上、安心して芝居してほしいですね」

大湖 「ついていきます(笑)。すでに座長感ありますよね」

石黒 「ないです!ないです!(笑)」


――最後に舞台を楽しみにされている方へのメッセージをお願いします。

大湖 「まだコロナの心配もあるなかで、無事に上演できることを祈るしかなくて、ただ、お客様も勇気を出して劇場もいらしてくださるから、『トムラウシ』を見て何かを持って帰って頂けるように、カンパニー全員で一丸となって作り上げていきたいです。無事に上演できることを願って、頑張りたいと思います」

石黒 「和太鼓とストレートプレイということで、新しい舞台が見られるんじゃないかなと思いますし、キャスト、スタッフ一同新しい組み合わせで、面白いものが見られると思います。僕自身、かなり新しい自分を出していこうと思っていますので、それを見に来てください。是非劇場でお待ちしております」

 

取材・文=長澤香奈

 

あらすじ

こんな理不尽な世界はおかしい。
あんたたちも、そのおかしさに気づいているはずだ――。
国による不当逮捕が横行していたある日。人気絶頂中の国民的俳優・大和仁もまた、ありえない理由で逮捕されてしまった。裁判所から下された判決は、100年の強制労働の刑。大和は、脱獄不可能といわれる雪山の牢獄「トムラウシ監獄」へと送られてしまう。
牢獄で同室となった個性的な囚人たち4人は、理不尽な状況を受け入れ、トムラウシ監獄で死を迎える覚悟を決めていた。
「俺は、ここで死ぬつもりはない」
先にある人生を自分の意思で選ぼうとする大和。生きる意味を掛けて、選んだのは――「脱獄」。
トムラウシ監獄をぶっ潰すために大和は立ち上がった。
彼らは無事にトムラウシ監獄を脱獄できるのか?
そして、彼らが本当に戦うべき相手とは・・・・・・。