PLAY/GROUND Creation #5『Spring Grieving』5月19日(金)~5月31日(水)まで、サンモールスタジオにて上演が決定!須貝英・井上裕朗からコメント到着!

2023.03.27

これまで海外戯曲を上演してきたPLAY/GROUND Creationが、初めて日本人作家による新作を二本立てにて上演。昨年上演された新国立劇場『私の一ヶ月』など活躍の場を広げているMo’xtraの須貝英を作家に迎え、PLAY/GROUND Creationの井上裕朗が演出を担当。

二作品ともに、家族と死別し遺された者たちが、その死といかにして向き合っていくかのドラマを描く。

side-A「桜川家の四兄弟」では、鍛治本大樹、林田航平、小早川俊輔、河原翔太が母親と死別した四兄弟を演じ、亡くなった母親を永井幸子が、四兄弟を訪ねてくる母親の知人を池田努が演じる。

side-B「春を送る」では、辻親八が息子と死別した父親を、三津谷亮が遺された兄を演じ、亡くなった弟および彼らの従弟の二役を竹田光稀が演じる。

チケットの一般前売は4月15日(土)10時よりスタート、一部公演では出演者らによるアフタートークを実施。また、公演終了後に公演の配信も予定。

須貝英 コメント

PLAY/GROUND Creationは何度も作品を観させていただいているし、井上裕朗さんとは俳優としてご一緒していて付き合いも古く、演劇界で一緒に頑張っていく仲間として頼もしく思ってはいましたが、まさか新作公演の依頼が来るとは思っておらず、驚きと喜びがありました。しかしその後すぐに、今まで団体で上演されてきた海外の名作戯曲に比肩するものが書けるのだろうか……という不安が込み上げて来て、大丈夫なのかな……と震える日々を送っておりました。でも、「どんな話にしようか?」と居酒屋で話し合っていたら不思議とその気持ちも薄くなって、せっかくのチャンスだからとにかく面白いものを一緒に作ろうという気概が込み上げて来ました。

今回は身近なことを描きたい、普段何気なく触れている当たり前の人々や物事のことを書きたいと思いました。それはもしかしたら僕や裕朗さんや皆さんにとってとても近いものになるのかもしれません。遠くから愛でる桜にも近付けば花びらの一枚一枚があるように、誰かのさりげない人生の一幕にフォーカスするような作品になればと思います。

井上裕朗 コメント

今回は初めて、日本人作家による新作に挑戦します。社会を俯瞰した大きな物語ではなく、家族や恋人・親友といった濃密な人間関係の中で生まれる小さな物語に焦点を当て深掘りしていく、というこれまでの方向性は、今回の新作においても継続したいと思い、そういった作品にはピッタリの、そして長い付き合いのある須貝英くんに執筆をお願いすることにしました。

個人的な話になりますが、この数年の間に、僕は両親と大切な友人を亡くしました。須貝くんもお母さまを亡くされました。今回須貝くんと組んで新しい作品を生み出すにあたって、二人がともに経験した、大切な人の死と、その悲しみを抱えた遺されし者たちの物語を立ち上げたいと思いました。僕や須貝くんのとても個人的な物語であるのと同時に、誰かにとってのとても個人的な物語にもなればと願っています。

今作では、もともと活動の主軸を俳優に置いていた須貝くんが本を書き、僕が演出をし、オレノグラフィティくんが音楽を作ります。俳優たちが中心となる創作にもご注目ください。

【あらすじ】

『Spring Grieving』side-A「桜川家の四兄弟」
2022年3月、母はこの世を去った。古い家と、桜の木と、たくさんのメモを遺して。
個人塾を経営する長男「恵一」、高校教師の次男「勇気」、居酒屋で働く三男「制多」、ミュージシャンになりたい四男「正義」。
お母さん、僕はあなたに愛されていましたか。

『Spring Grieving』side-B「春を送る」
2011年3月、弟はこの世を去った。通っていた大学の渡り廊下から落ちて死んだ。
その大学で准教授だった父と、商社で働く僕はどうもそりが合わない。正直、弟のことも苦手だった。 だけどあいつのことばかり考えてしまう。こんな春の日には。