京都・南座で上演中☆『若き日の親鸞』開幕レポート&舞台写真を公開!藤山扇治郎、はいだしょうこ からのコメントも!!

2023.04.14

前方より範宴=藤山扇治郎、松虫=曽我廼家いろは、黒面法師=須賀貴匡  ©松竹

4月10日(月)、親鸞聖人御誕生八五〇年、立教開宗八〇〇年慶讃法要記念『若き日の親鸞』が京都・南座で開幕した。公演は4月29日(土・祝)まで上演される。

本公演は、ベストセラー作家・五木寛之原作の小説「親鸞」シリーズより、「青春篇」の初舞台化で、小説の世界が目の前に広がる、ドラマティックな作品に。松竹新喜劇の次代を担う藤山扇治郎が、親鸞聖人役で新境地に挑戦。はいだしょうこ、須賀貴匡、春本由香、三林京子、藤川矢之輔ら、多方面で活躍する実力派俳優が共演し、テンポの良いストーリー展開で、親鸞聖人の青春を描き出す。

<舞台の見どころと初日の様子>

平安時代末期、不遇の運命に生まれ、出家を決めていた少年・忠範[ただのり]のまえに、平清盛の手先として恐れられる六波羅王子(須賀貴匡)とその一味が立ちはだかる。法螺坊弁才[ほうらぼう べんさい](曽我廼家寛太郎)やツブテの弥七ら仲間の助けもあり王子を退けるも、皆散りぢりになることに。忠範は、乳母・サヨ(三林京子)に見守られながら、比叡山に入山する。そしてそれから十年の月日が流れ、名を忠範から範宴[はんえん]と改めた主人公・藤山扇治郎が、サヨに教わった歌を歌いながら登場するシーンでは客席から大きな拍手が送られた。範宴は、天台宗の門主・慈円(嵐芳三郎)から、吉水の庵で念仏を説いている法然(藤川矢之輔)の説法が、なぜ世の人の心をつかんでいるのか確かめよ、と命じられる。その道中、自身の煩悩や悪の部分を感じ、命がけの修行に取り組むが、心に仏が現れることもなく、苦しみは増すばかり。修行の場面で扇治郎は、実際に比叡山で修めた五体投地の作法を、力のこもった演技で見せた。

法螺坊弁才=曽我廼家寛太郎、範宴=藤山扇治郎  ©松竹

物語はさらに十年が経ち、比叡の山を下りて京都の六角堂へきた範宴は、病気の人々を治療する弁才と再会し、手伝いをするようになる。弁才を演じる寛太郎のアドリブに、厳しい修行のシーンからは一転、客席からも笑いがこぼれる。範宴はこの六角堂で、紫野[しの](はいだしょうこ)と出会い、互いに心惹かれあうのだが、紫野は病のため、涙ながらに故郷の越後へ帰るのだった。そして範宴は法然の「念仏を称(とな)えれば誰もが救われる」という教えに思いを馳せ、世俗の人々と生きる決心をする。

紫野の妹・鹿野[かの](春本由香)に世話になりながら、法然のもとで修行を続ける中、範宴は善信[ぜんしん]という名を与えられ、さらに選択集の書写を許される。法然に心酔する高僧・安楽房遵西[あんらくぼう じゅんさい](榊原徹士)はそんな善信を快く思っておらず、一方、慈円は比叡山を去った善信を許すことができずにいた。さらにかつての六波羅王子だった黒面法師も善信を狙っていて……。様々な思惑が交錯する都で、大きな事件へと発展していく。

五木寛之の小説に登場するスペクタクルな描写が、出演陣の熱演と舞台ならではの演出で表現される。激しい立廻りもあり、終始目の離せない展開に客席は引き込まれた。

新たな希望を見出した親鸞聖人の門出に、客席からは万雷の拍手が送られ、カーテンコールでは、初日開幕を祝して大谷婦人会・大谷サチカ会長から、扇治郎へ花束が贈られた。

※忠範、範宴、善信はすべて同一人物で、後の親鸞聖人

初日を終えた扇治郎とはいだしょうこからコメントも!

藤山扇治郎 コメント
親鸞聖人のお役と聞いた時は本当に驚きましたが、ついに初日を迎えることができました。本当に座組のみなさまのサポートがあって、ここまでくることができたと思っています。親鸞聖人に見守っていただいて、最後まで怪我無く勤めていきたいと思います!最初から最後まで見どころばかりです。ぜひみなさんに観ていただきたいです!

はいだしょうこ

初めて南座の舞台に立たせていただいて、舞台上から見える光景に感動しました!令和の時代もさまざまな苦難がありますが、この作品をご覧になったお客様が、「生きていくうえで何が大切なのか」など、何か感じていただければ幸いです。千穐楽まで、精一杯勤めさせていただきますので、ぜひ劇場でお待ちしております。