ONWARD presents 新感線☆RS『メタルマクベス』disc3 Produced by TBS 長澤まさみ インタビュー

2017年にオープン以来、アジア圏ではここでしか体験できない劇空間が味わえるとあって、多くの観客が訪れては心を動かされてきたIHIステージアラウンド東京。1年以上かけて上演を続けた『髑髏城の七人』シリーズに続き、2018年後半の話題を集めているのが新感線☆RS『メタルマクベス』だ。世界的名作、ウィリアム・シェイクスピアの『マクベス』を宮藤官九郎が脚本を書き直し、いのうえひでのりが演出するという、いまだかつてないほど刺激に満ちたステージがここに降臨する。3組のチームに分かれる今シリーズのうち、11/9(金)に開幕し、12/31(月)の大晦日までの上演となるdisc3で、ランダムスター夫人を演じることになったのが、長澤まさみだ。映像での幅広い活躍はもちろんだが、それと並行して舞台にも様々な方向性の作品に精力的に取り組んできている長澤。劇団☆新感線の舞台にはこれが記念すべき初参加となる彼女に、意気込みを聞いた。

 

――劇団☆新感線の『メタルマクベス』という作品へのオファーを聞いた時は、どう思われましたか。

長澤「もともと新感線の舞台は好きでしたし、機会があればいつか出てみたいなと思っていたんです。ですから、お話をいただいた時はとてもありがたかったし光栄に思いました」

 

――たとえばどんな作品がお好きでしたか?

長澤「これは劇団公演ではなかったと思いますが、いのうえさんが演出をされていた作品で『天保十二年のシェイクスピア』(2002年)が大好きだったんです。私が14歳くらいの時に観に行かせていただいたのですが、出演されていた事務所の先輩の沢口靖子さんがそれまでの印象とは全然違うお芝居をされていて、とても魅力的で素敵。こんな風に役柄でイメージを変えられるんだ!と、ものすごく驚きました。別に、変身願望があるというわけではないんですけどね(笑)。でも、時にはこんな自分がいてもいいじゃないかって思えるような思い切ったキャラクターが、新感線の舞台には多く出てくるような気もしていて、そういうところもいいなあ、好きだなと思います」

――今回は、disc1、disc2、そしてdisc3と、3組のチームによる競連続上演という形になりますが。

長澤「そうですね。私、IHIステージアラウンド東京に『髑髏城の七人』のシリーズを観に行かせていただいていたのですが、いろいろな方が同じ役を演じるということがとても面白い試みだと改めて思ったんです。演じる側にとってはとてもいい機会になると思うし、観る側にとっても違う楽しみ方ができますしね」

 

――IHIステージアラウンド東京という劇場についてはいかがでしたか。

長澤「のめり込んで作品を観られるので、とても集中できました。舞台が広いと、物語世界も広く感じますし。そこもすごいなあと思いながら、夢中で観ましたね」

 

――客席が360°回転することについては。

長澤「私は、あまり気にならなかったです。ごく普通にそれを受け入れて、ストーリーに入り込みながら回っていました。不思議な感覚も味わえて、とても素敵な劇場だと思いました」

――今回はもちろん歌う場面もたくさんあるわけですが、長澤さんは既に『キャバレー』でミュージカルは経験済みですね。

長澤「はい、そうです。ミュージカルの大変さはその時の経験で身に沁みてわかっていますから、今回はしっかり落ち着いて取り組めたらなと思っています」

 

――disc3のカンパニーの中で、特に気になっている方はいますか。

長澤「峯村リエさんとご一緒できることが、とても心強いです。以前ドラマで共演させていただいたことがあって、すごく尊敬する先輩なので。それとやはり劇団員の方々も大勢いらっしゃるということで、不安が少し解消される気がします。先輩方がいると心の支えになりますし、とにかく頼りになる方々ばかりですし。そして舞台というのは決してひとりだけのものではなく、みんなで作り上げるものだと思っているので、私もその一員としてしっかりとがんばらせていただくつもりです!」

 

インタビュー・文/田中里津子
Photo/村上宗一郎

ヘアメイク/河北裕介
スタイリスト/MIYUKI UESUGI(3rd)