☆絶賛上演中☆PLAY/GROUND Creation #5『Spring Grieving』│演出・井上裕朗からの開幕コメント到着!

2023.05.26

撮影:保坂萌

これまで海外戯曲を上演してきた演劇創作ユニットPLAY/GROUND Creationが、初めて日本人作家による新作を二本立てにて上演。その作品、PLAY/GROUND Creation #5『Spring Grieving』が、5月19日(金)に東京・サンモールスタジオで開幕した。本作では、昨年上演された新国立劇場『私の一ヶ月』など活躍の場を広げているMo’xtraの須貝英を作家に迎え、PLAY/GROUND Creationの井上裕朗が演出を担当。二作品ともに、家族と死別し遺された者たちが、その死といかにして向き合っていくかのドラマを描き出す。

この開幕に際して、PLAY/GROUND Creationの主宰で演出を手掛けた井上裕朗から以下のコメントが到着した。

井上裕朗 コメント

今回は劇作家の須貝英くんを迎えて、ユニットとして初めて新作に挑戦をしています。近しい人の「死」を通して、遺された人間がその「喪失」をいかに受け止め、受け入れ、「再生」していくかについての物語を二本作りました。「桜川家の四兄弟」は、母の死を経て、遺された四兄弟の思いが渦巻く三日間を描いた「動」の物語。「春を送る」は、ハラスメントが原因の自死かもしれない弟の死を経て、遺された父と兄の二年に渡る変化を描いた「静」の物語。全く色合いの異なる二つの物語ではありますが、同じ手法で、同じ空間で立ち上げられる、双子のような作品になりました。

この二作品には「奥谷基次郎」という共通の登場人物が出てきます。2011年〜2013年の「春を送る」で描かれる物語を経て、2022年の「桜川家の四兄弟」にも再び登場してきます。それぞれ独立した作品ではありますが、二本合わせて観ていただくと、彼の人生が浮かび上がってくるような作りにもなっています。

真摯で誠実で才能溢れる13人の俳優陣と、思いや理想を共有する素晴らしいスタッフ陣とで作り上げた、シンプルで美しい二つの作品です。ぜひ劇場にてお立ち会いください。

本公演は、5月31日(水)まで東京・サンモールスタジオにて上演。ただいまチケット発売中!詳細はローチケ(webサイト)にてご確認ください。

あらすじ

『Spring Grieving』side-A「桜川家の四兄弟」
2022年3月、母はこの世を去った。古い家と、桜の木と、たくさんのメモを遺して。
個人塾を経営する長男「恵一」、高校教師の次男「勇気」、居酒屋で働く三男「制多」、ミュージシャンになりたい四男「正義」。
お母さん、僕はあなたに愛されていましたか。

『Spring Grieving』side-B「春を送る」
2011年3月、弟はこの世を去った。通っていた大学の渡り廊下から落ちて死んだ。
その大学で准教授だった父と、証券会社で働く僕はどうもそりが合わない。正直、弟のことも苦手だった。 だけどあいつのことばかり考えてしまう。こんな春の日には。