作・演出 鴻上尚史/出演:竹下景子✕鈴木福✕松村武 『アカシアの雨が降る時』上演決定!

2023.06.29


3世代の個性的な登場人物が彩る時と記憶を巡る家族の物語

 

この度、2023年10月14日(土)~22日(日) 新国立劇場 小劇場にて『アカシアの雨が降る時』の上演が決定しました。東京公演後は、兵庫・石川・岩手・愛媛・大阪と地方へ巡演します。

物語は、桜庭⾹寿美(竹下景子)が倒れた所から始まる。孫の陸(鈴木福)、息⼦の俊也(松村武)が見守る中、目覚めた⾹寿美は陸を自分の夫・つまり陸の祖父の名前で呼び、自分は20歳の大学生で、陸は自分の恋人で、俊也を恋人の父親だと思いこみ挨拶した。俊也と陸は医者のアドバイスに従い⾹寿美の思い込みを否定しないよう、演技を続けることを決意する。こうして3人の⾹寿美の青春時代(70年代)を共にすごす旅が始まった―「家族」という普遍的なテーマを軸に、若者たちの熱気が溢れていた70年代<若者たち抗議活動に参加した「戦車闘争」や、若者のバイブルだった高野悦子著「二十歳の原点」、当時流行した歌やギャグなど>を青年と中年の世代がリアルな現代の悩みを抱えながら体験することで、徐々に変化し、違いを理解し合おうとする姿を描いた、鴻上尚史ならではのリアルとファンタジー、笑いと涙を巧みに操り、身近で普遍的な社会を炙り出す本作は、2021年の初演時も好評を博しました。

主演の桜庭⾹寿美を務めるのは、映画『男はつらいよ』のマドンナ役を3度務め、NHK連続テレビ小説『おかえりモネ』(2021)、舞台『ジン・ゲーム』(2023)などに出演、精力的に活躍している竹下景子。孫の木村陸役に、ドラマ『マルモのおきて』(2011)に出演、人気を博し以降、最近では『真相報道 バンキシャ!』(日本テレビ)でのコメンテーターや7月にはミュージカル『カラフル』の出演を控え、ますます活動の幅が広がる鈴木福。桜庭⾹寿美の息⼦で陸の父親の俊也役に、劇団カムカムミニキーナ主宰として作・演出を手掛ける傍ら、NHK大河ドラマ『青天を衝け』(2021)や舞台serial number07『Secret War~ひみつせん~』(2022)に出演。俳優、声優としても個性的な演技で魅了する松村武。世代の違う個性豊かな3人が集結いたしました!
一筋縄ではいかない鴻上ワールドを3人の俳優たちがどう演じ切るのか、乞うご期待ください!!

 

コメント


◆作・演出:鴻上尚史

この作品は、過去と現在と未来を3世代の個性的な登場人物によって描き出す物語です。70年代の記憶に生きる「おばあちゃん」役は、竹下景子さんです。僕自身、青春時代から竹下さんの映画・テレビを見続けてきました。今回ご一緒できるのは本当に嬉しいです。現在を生きるビジネスマンの息子役には、村松武さんです。ものすごく上手い俳優さんです。そして、未来を生きる大学生の孫役は、子役時代から活躍を続ける鈴木福さんです。魅力的な3人のキャストを迎えて今からワクワクしています。初演の「おばあちゃん」役だった久野綾希子さんへの感謝とリスペクトを胸に、魂込めて作品を作ろうと思っています。


◆竹下景子

『アカシアの雨が降る時』の主人公香寿美さんとは同世代。劇中に登場する歌もギャグも昨日のことのように記憶しています。違うのは社会の出来事に疎かったこと。演劇少女だった私にはベトナム戦争も安保もどこか遠い出来事でした。鴻上ワールドの中で、あの青春を生き直すことができたら。二十歳の私を、50年後の私の体を通してより鮮明に、そしてみずみずしく演じたいと思います。松村武さん、鈴木福さんとの共演も楽しみです。


◆鈴木福

木村陸役を演じさせていただきます。鈴木福です。
初めての3人でのお芝居。鴻上尚史さんの演出のもと、竹下さん、松村さんと、どのようなお芝居ができるのか今からワクワクしています。昨年、初めて立たせていただいた新国立劇場小劇場に戻ってこられることも、とても嬉しく思います。しっかりと稽古を経て、みなさんに素敵な作品を届けられるよう頑張ります!!


◆松村武

初演に引き続き出演させていただくことになりました。いろんな思いに満ちた、個人的にも忘れ難い大切な作品となりました。新たなお二人の素晴らしい方々とともに、再びこの物語に臨めること、何かとても貴重な機会をいただいたと思っております。とにかく心して、観客の皆さんに丁寧にお届けしていけるよう頑張ります。

 

◆あらすじ◆
母が倒れた。
病院に駆けつけると、母は20歳の大学生だと思い込んでいた。
そして、私の息子を、つまり、母の孫を自分の恋人だと信じて呼びかけた。
母の恋人、つまり私の父と息子は、顔がよく似ていた。
母と父は大学生の時に出会ったのだ。
医者は、母は病気であり、母の妄想を否定してはいけないと告げた。
息子は母の恋人として話し、私は恋人の父、つまりは私の祖父として振る舞った。
こんがらがった関係の中、母は大学へ戻ると言い出した。
70年代初頭、恋と革命が途方に暮れ始めるキャンパスへと。