Bunkamura30周年記念 シアターコクーン・オンレパートリー2018 DISCOVER WORLD THEATRE Vol.4『民衆の敵』赤楚衛二 インタビュー

満足したら、終わり。どん欲に、役者をやっていきたい

 

人気シリーズ最新作「仮面ライダービルド」への出演など、活躍の幅を広げている若手俳優の赤楚衛二が、古典戯曲である『民衆の敵』に出演を果たす。本作は、2016年に好評を博した『るつぼ』に引き続き堤真一主演×ジョナサン・マンビィ演出で贈る骨太の社会派作品だ。

赤楚「出演が決まったと聞いたときは、ただただ驚きでした。初めての古典作品で、堤さんをはじめ共演の方々も豪華で、海外の方の演出も初めてで…。この1年は仮面ライダーで、いろいろな経験をさせていただきましたが、一方で仕事が確実に安定している分、どうしても慣れが出てきてしまったんです。そんな時、1年目の苦労していた頃を思い出すと、あぁ頑張ろう!という気持ちになれました。この仕事は満足したら終わりだから、どん欲にやっていきたい。今回は、素晴らしい方々との共演なので、一度自分をゼロに戻して、1年目のような気持ちで、多くのことを吸収したいです」

物語は、街の温泉が汚染されているという事実を告発しようとするところから始まる。同調していた新聞社も、税金が使われると知り手のひらを返してしまう。赤楚はそんな新聞社の若き記者ビリングを演じる。

赤楚「ビリングは新聞記者なので、真実を求める好奇心が強いはず。若さゆえの力という部分もあるんじゃないかと思っています。その上で、テーマである報道の矛盾をしっかり伝えたい。現代のこととも照らし合わせやすいですよね。あれ、おかしいな?と感じることは誰しもあると思うので」

 

役者として挑戦を続けている赤楚だが、意外にも自分らしい瞬間は“家でくつろいでいる時”だという。

赤楚「オンオフははっきりしている方です。最近、安眠枕を買ったんですが、生活を豊かにするものを買うたびに、本当の自分はこっちだな、と思います(笑)。家のドアを開けて、誰もいなくても〝ただいま~〟って言うと、自然とオフになるし、玄関を出るとオンになる。不思議ですね、ドア(笑)」

彼にとって新たな挑戦となる本作。役者としての新境地を予感させる。

赤楚「転機になるかも、という気はしています。いつか振り返ったとき、やっぱり転機だったと思えるよう、がむしゃらに頑張りたいと思います!」

 

インタビュー・文/宮崎新之
Photo/川野結李歌

 

※構成/月刊ローチケ編集部 8月15日号より転載
※写真は本誌とは異なります

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【プロフィール】
赤楚衛二
■アカソ エイジ ’94年生まれ。サマンサタバサのメンズモデルオーディションでグランプリ受賞。’17年からは『仮面ライダービルド』に出演中。