舞台「KAKERU」 まちゃあき&家城啓之 インタビュー

裸一貫で挑む歴史ロマン、原点に立ち返る挑戦

 

動画サイトに投稿したリズムネタ『本能寺の変』が話題を呼びダンサーとしてだけでなく、お笑いとしての知名度も上げたエグスプロージョンのまちゃあきが演出・振付を務めるノンバーバル演劇の制作が決定した。ノンバーバル演劇とは言語の要素を排した舞台作品のことで、本作でも言語以外の表現で物語が展開される。

まちゃあき「最近はリズムネタやコントを発表する機会が増えましたが、もともとはダンサーとして言葉のないダンス作品を作っていたので、いつかまた動きだけで表現する舞台を作りたいと思っていました。それでこの度、思い切って僕の原点でもある動きだけの作品を作ろうと思い、企画を立ちあげました」

本作の脚本を務めるのは脚本家、演出家としてマルチな活動を続ける家城啓之。

家城「脚本作業に関しては舞台上で人が動いている場面を想像しながら、台詞なしで表現できる世界を言葉に落としこんでいます。正直最初は台詞がないということにもどかしさを感じていたのですが、段々と《ここは動きだけでボケをはさめそうだ》とノンバーバルな発想が生まれてくるようになりました。実際どれくらいの笑いが起きるのか前例がないので予想できないのですが、僕にとっては興味深く、また挑戦的な企画です」

本作の物語は原案をまちゃあきが書き、それを元に家城啓之が細かい設定を肉付けして脚本にしている。

家城「いただいた原案はまちゃあきさんらしい、歴史とその時代のロマンがつまった激しい物語で、後半はあらすじだけでウルっとくるような内容でした。僕はそのなかでも特にラブストーリーの部分を膨らませて、よりエモーショナルな内容になるよう執筆しました」

まちゃあき「僕が舞台で表現したいのは、お芝居ならではの感情の振り幅です。また、そこにダンスの理屈抜きの臨場感を加えて、お客さんの心を激しく揺さぶる舞台にしたいと思っています。なので、観にきてくださるお客様には《考えるんじゃなくて、感じる》そんな楽しみ方をしていただけると嬉しいです」

まちゃあきと家城啓之のノンバーバルという新たな挑戦に注目だ。

 

インタビュー・文/大宮ガスト
Photo/村上宗一郎

 

※構成/月刊ローチケ編集部 9月15日号より転載
※写真は本誌とは異なります

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【プロフィール】
まちゃあき

■まちゃあき ’81年生まれ。ダンサー、振付師として活動する。動画サイトに投稿された「踊る授業シリーズ」で一躍注目をあびた。

家城啓之
■やしろ ひろゆき ’76年生まれ。お笑い芸人としての活動ののち、現在は家城啓之名義で演出家、脚本家など多岐にわたり活躍している。