舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』│藤田悠&福山康平&門田宗大&西野遼 インタビュー

劇場でしか味わえない「ハリポタ」体験を!

舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』がロングラン上演中だ。ロンドンで誕生した本作は、『ハリー・ポッター』シリーズの19年後を描く新たなオリジナル・ストーリーで、原作者・J.K.ローリングが自ら演出家のジョン・ティファニー、脚本家のジャック・ソーンとともに創作。映画を観た人にこそわかる面白さ、初めて観る人にも伝わる壮大さと繊細な物語など、見どころはつきない。アルバス・ポッター役の藤田悠、福山康平、スコーピウス・マルフォイ役の門田宗大、西野遼が、舞台ならではの見どころを様々な視点から語ってくれた。

福山は「映像じゃないとできないようなことが目の前で飛び交い、生身の人間で、舞台でここまでできるんだと、特に舞台をあまり見たことない人に感じてもらえるのではないか」と舞台初心者にこそ響く点を挙げた。
藤田は「いろいろなテーマがあり、老若男女全員に刺さるようなストーリー。“愛”というワードがよく出てくるけど、愛って何だろうと考えるきっかけになるくらい重厚。“愛とは○○”と定義付けられないところまでいくので、観終わった後に何か考えてくれたら嬉しいです」とその物語性を推し、
門田が「親子愛だったり、親友の愛だったり」と付け加えた。
西野は「毎日濃密に芝居をぶつけ合っているので、お客様も巻き込んで、日々一つのものを作り上げている。皆様にもその一部分になってほしいです」と呼び掛けた。

現在、1年半を超えたロングランを続けている本作。同じ役を演じ続けるのは大変で、山と谷しかなかったと口を揃えた。
「やっぱり並大抵のことではなかった」と福山が呟くと、
藤田は「平坦になればなるほど鮮度が落ちていく感覚で、気持ちが動かなくなっていくから、どう向き合うか。今もまだ朝から毎日緊張します」と明かした。
昨年8月から加わった西野は「僕はまだ半年。1年半やり続けてる先輩達が本当に凄い。そして、経験でわかったことを惜しみなく教えてくれる。ありがたく受け取って、僕なりに必死に挑戦しています」と3人を讃えた。

専用劇場で上演され、赤坂の街ごとその世界観が楽しめるのも見どころの一つ。

藤田が「テーマパークに行く感覚で楽しめる非日常がすごい」とアピール。
西野は「目の前で本当に火が出たり、水が飛び散ったり、煙も出たり。3時間40分の舞台が一瞬で過ぎるくらい釘付けになれる」とその一端を明かした。
門田が「海外で賞を受賞したプロフェッショナルが集まっている舞台。幅広いジャンルから集まった異種格闘技戦の役者、海外クリエイターたちが作った舞台装置、照明、音響。初めて観る舞台がこの作品ならすごい贅沢」と興奮気味に語ると、
藤田が「大人の本気を感じます」と唸った。

各役複数キャストで組み合わせの妙もある。

門田は「幼さが変わる気がする。自分の喜怒哀楽のテンション感も変わるのがいいところ。これほどのロングランだと、同じ役だけど違う相手に対して、どんどん作り込んでいける。毎日見逃してほしくない」と思いを込めた。
藤田は「出会いの瞬間の相手のセリフ、表情、居方で、芝居の受けが変わる。そこから物語が始まっていくから、最終地点がやっぱり毎回全然違う」という。
福山は「1年半やってきて、長い間やって良かったと思う日が増えて楽しくなった。やらなければわからなかったことがたくさんあり、やらなければ自分が変わっていかなかった自覚がある」と愛おしそうに話した。

互いにロングランを支え合う相棒にも感謝を送り合った4人。ぜひ一度、舞台ハリポタ体験を!

インタビュー&文/岩村美佳

※構成/月刊ローチケ編集部 2月15日号より転載

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【プロフィール】

藤田悠
■フジタ ハル
ロンドン出身の帰国子女。’22年に舞台「ハリー・ポッターと呪いの子」で俳優デビュー。

福山康平
■フクヤマ コウヘイ
’15年に映画「予告犯」でデビュー。’18年、NHK大河ドラマ「西郷どん」にも出演。

門田宗大
■カドタ ソウダイ
「今日から俺は!! 劇場版」「おっさんずラブ」など映画やドラマを中心に幅広く活躍。

西野遼
■ニシノ リョウ
’19年の「第32回ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」で準グランプリ&QBナビゲーター賞を受賞。ドラマや映画でも活躍中。