8人の俳優たちは皆、夢を見ている。或いは誰かの夢の中に浮遊する。
8人の俳優たちは皆、森と呼ばれる夢の時空を彷徨う。
8人の俳優たちは皆ピラマスとシスビーの悲恋を演じ、恋をする。
数々のヒット作を生み出し、日本の小劇場演劇を牽引した「オンシアター自由劇場」の解散から28年。串田は自身が探し求める演劇活動『自由劇場』を再開するため、2023年、『フライングシアター自由劇場』と名を改め、企画創作を開始。その第二作目として、『あの夏至の晩 生き残りのホモサピエンスは終わらない夢を見た』を上演。そしてこの度、昨年末に発表した東京公演に加え、6月21日(金)~6月22日(土)にルーマニア公演(シビウ国際演劇祭2024正式招聘作品)、そしてその凱旋公演として、7月5日(金)~7月7日(日)に松本公演も決定した!
原作は、森の妖精たちの戯れが巻き起こす恋の騒動を描いた滑稽な幻想劇『夏の夜の夢』。これまで世界各国において様々な形で上演され、映画や絵本、ダンスやオペラ、音楽にもなった人気作だ。
出演には、元宝塚歌劇団宙組トップスター・大空ゆうひ、世界で活躍するコンテンポラリーダンサー・島地保武、劇団はえぎわ所属の個性派俳優・川上友里、数々のミュージカルや演劇作品で高い評価を受ける皆本麻帆、ドラマや舞台などジャンル問わず活躍を広げる小日向星一、約2年前から俳優活動を開始し急躍進を続けている串田十二夜、花組芝居にて男役・女形の両方をこなす実力派・谷山知宏、そして本作の脚色・演出・美術を手がけ、カンパニーを先導する串田和美と、現代の舞台芸術シーンを率いるアーティストたちが揃った。
串田はこれまで同作の演出を三度手がけてきたが、今回は出自の異なる8名の俳優とともに、独特の発想で偉大なる原作の中に入り込み、解体し、見知らぬ、或いは極く身近な人類が共有する”夢”と捉え、21世紀の我々の世界を見据えるだろう。
その”夢”がどのように舞台上に創り出されるのか、串田が追い求める「演劇的行為」とは何か…、至高の宴をぜひ劇場で目撃しよう!
コメント
串田和美 コメント
ずいぶん長たらしい題名をつけてしまいましたねえ。(略して“夏至夢”でもいいですよ)
ボクがシェイクスピアに限らず外国の戯曲を上演する時、いつも先ず、何故この口調でこの物語を書いたのだろう?まして時代も、習慣も、言語も演劇のありようもずいぶん違うこの戯曲に、今自分が何故惹かれるのだろう?と考えその心惹かれる謎を探しながら、演出のための上演台本を作ります。
この『夏の夜の夢』はボクにとって謎だらけで、とても好きな戯曲で過去に3回上演しました。1回目は1979年にアンダーグラウンド自由劇場の小さな地下劇場で、その次は1994年シアターコクーンで、その次は2002年日本大学芸術学部の映画学科の映画スタジオで、今回が4回目になります。過去の公演ひとつひとつを思い出すとそれぞれ、ずいぶん違った様相で、自分にとってもとても興味深いのです。
“夢”というものは一体何なのだろう?しかも夢を見ながら、ん?これは自分の見ている夢ではないな?今誰かが見ている夢の中に自分が紛れこんでいるのだな?と夢の中で思うことがある。
それは全く知らない遠い国の人かもしれないし、魚かもしれない、山かもしれない、いやいや我々人間には名付けようのない宇宙の何かが見ている夢かもしれない。・・・それが今回の『あの夏至の晩 生き残りのホモサピエンスは終わらない夢を見た』という題名をつけ、シェイクスピアの『A Midsummer Night’s Dream』をいじくり回して愉快な、コメディ仕立ての舞台を創る魂胆でもあります。
きっと“夢”という得体の知れない舞台を観ながら、皆さんに大いに楽しんでいただけることと確信しております。
大空ゆうひ コメント
串田さんから飛び出す、「夢」「壁」「他者と自分が入れ替わったら」etc…気になるワード達。『夏の夜の夢』から広がってどんな作品になるのか期待は膨むばかり。フライングシアター自由劇場第二弾、素敵な共演者の方々と共に創作出来ることがとても光栄ですし、私の何かしらの成分が作品の一部となり力となれるように心と頭を柔らかくして飛び込みます!