2017/3/30(木)IHIステージアラウンド東京にて開幕!
主要キャラクター8人をご紹介!
【目次】
<1>捨之介(すてのすけ)/小栗 旬
<2>無界屋蘭兵衛(むかいやらんべえ)/山本耕史
<3>天魔王(てんまおう)/成河
<4>極楽太夫(ごくらくだゆう)/りょう
<5>兵庫(ひょうご)/青木崇高
<6>沙霧(さぎり)/清野菜名
<7>狸穴二郎衛門(まみあなじろうえもん)/近藤芳正
<8>贋鉄斎(がんてつさい)/古田新太
<1>
過去も名前も捨て、飄々と生きる情の深い男
“玉ころがしの捨之介”を通り名にし、女を色里に売る稼業をしている着流し姿の色男。
飄々としていて人好きのする情の深い男だが、いつも手にしている大きな鉄煙管を武器にしていざ戦うとめっぽう強い。
実は捨之介と天魔王と蘭兵衛の三人はかつて織田信長を崇拝する側近、いわゆる“信長親衛隊”の一員だった。
信長亡き後、名前を捨ててそれぞれ別々の人生を歩み始めていた三人だったのだが、運命に引き寄せられるようにして関東荒野で再び出会うこととなる……。
1990年の初演、1997年版、2004年『アカドクロ』版では劇団☆新感線の看板役者である古田新太が、この捨之介と、対立する天魔王とを一人二役で演じていた。
もともと初演時には古田への罰ゲーム的な発想から「タバコを吸う暇を与えないように」ということでわざわざ一人二役で出ずっぱりの役を考えたとのこと。
それが2011年版からは捨之介と天魔王を二人の役者がそれぞれ別の個性で演じるようになったことで、そこからは“織田信長の影武者だったそっくりの二人”という設定ではなくなった。
“Season花”バージョンも捨之介と天魔王は別の役者が演じるので“影武者”設定ではないものの、蘭兵衛も含めて信長への想いを通じてお互いに深い感情を抱く関係として描かれていく。
<2>
信長への忠誠心が深く、刀も銃も抜群の腕の持ち主
関東一の色里と名高い“無界の里”の主人。
宿場としても利用されている無界はいつも活気があり、女たちはみんな強く美しくたくましいと評判の里だ。
蘭兵衛はそんな無界の女たちにはとても優しいのだが、ほとんど笑顔は見せることがなく無口でクール、陰がある美男子。
首には大きめの数珠を常に下げていて、得意な横笛は武器になることも。
刀さばきは抜群の腕だが懐には短銃も忍ばせていて、敵と見なした相手には容赦なく殺気を向ける。
匿っている女たちの中でも特に、極楽太夫とは深い信頼の絆で結ばれている。
かつては織田信長に特別な想いを抱いていた“親衛隊”の一人。
1990年初演では当時の劇団の看板女優であった鳳ルミ、1997年では劇団員の粟根まこと、2004年『アカドクロ』では水野美紀、同年『アオドクロ』では池内博之、2011年版では早乙女太一が演じていた。
いずれもクールビューティーな役づくりではあったが、商いを生業としていたところから、粟根ヴァージョンだけはなぜか武器が横笛ではなく巨大なそろばんだったりもした。
<3>
髑髏の仮面と甲冑に身を包んだ異形の魔人
武装集団“関東髑髏党”の鉄騎兵を率いる首領で、漆黒の甲冑に身を包み、髑髏の仮面を被った異形の魔人。
織田信長亡き後、天下統一を狙う豊臣秀吉に歯向かい、関東の荒れ野にそびえる“髑髏城”に潜んで関東を、やがてはこの世の天下をも手中に収めようと野望を抱いている。
かつては捨之介、蘭兵衛と共に、織田信長を崇拝していた側近の一人でもある。
1990年の初演から、1997年版、2004年『アカドクロ』版までは古田新太が、2004年『アオドクロ』版では市川染五郎が、捨之介と天魔王を一人二役で演じていたが、2011年版では一人二役ではなく設定を変更して森山未來が演じたことで、それまでの無感情なイメージとはかなり違ってより人間臭い天魔王像が表現された。
気持ちいいほどに徹底したヒールキャラ、悪役なのだが、卑怯な手段を使うことも厭わず、自分より確実に弱い女でも平気でいたぶる弱い者いじめの面がしばしば見えるため、共に天魔王を演じている森山未來も市川染五郎も口を揃えて天魔王のことは“ちっちゃい男”と評していたりもする。
<4>
逞しく、優しく、色っぽく、滅法強い“いい女”
関東一の色里“無界の里”で、誰もが認めるナンバーワンの太夫。
一度会えれば天にも昇る心持ちになるのだが、だからといってすぐになびいてくれることはなく、その後なかなか会えぬ苦しみはまさに地獄だということで、「会って極楽、遊んで地獄、男殺しの極楽太夫」との噂が関東中に広まっているほどの“いい女”。
とある事情で“無界”に流れてきたということもあり、この里へは人一倍、思い入れが強い。
ここが最後の自分の居場所だと思っているのだ。
それだけに“無界”の主人である蘭兵衛との絆も大切にしており、自分を慕う仲間でもある“無界”の女たちへの愛情も深い。
1990年版では羽野晶紀、1997年版では高田聖子、2004年版『アカドクロ』では坂井真紀、同年『アオドクロ』では再び高田聖子、2011年版では小池栄子が演じた。
初演以降は天真爛漫でキュート、気風のいい姉御肌、とさまざまな役づくりで演じられてきたが、2011年版ではたくましくて優しくて面白く、色っぽい上に滅法強いという極楽太夫となっていた。
<5>
“関八州荒武者隊”を率いるリーダーで仲間想いの傾奇者
派手な格好をして粋がっている傾奇者揃いの野武士たち、“関八州荒武者隊”を率いるリーダーが“抜かずの兵庫”。
正義感が強く、関東各地の村々を荒らして回っている関東髑髏党の鉄騎兵にも平気で歯向かっていく無鉄砲なところもあり、良く言えば無垢で素直、悪く言えば誰よりも単細胞。
“無界の里”のナンバーワン、極楽太夫に心底惚れてアタックしているのだが、どんなに熱い言葉や贈り物を捧げてもいつも適当にあしらわれている。
陽気で天然でポジティブ、そしてとても仲間想いの面もあるため人望が厚い。
“抜かずの”という通り名は、物語上は立派な大刀を担いでいるのにそれを抜かずに素手で戦うスタイルなのでということになってはいるが、作家の中島かずきによると「稽古中、どんな時でも常に力を抜かないじゅんの性格を名前に託した」とのこと。
1990年版、1997年版、2004年の『アカドクロ』版では橋本じゅん、2004年『アオドクロ』版では佐藤アツヒロ(ただしこの公演での役名は兵庫ではなく忠馬)、2011年版では勝地涼が演じた。
<6>
気の強さは天下一品、髑髏城の絵図面を持つ少女
誰も知らない城の抜け穴などが描かれている髑髏城の絵図面を持っていたため、天魔王率いる関東髑髏党に追われている少女。
実は、築城術に長けている一族“熊木衆”の生き残りでもある。気が強く口は悪く、ボーイッシュでくノ一のように身軽。
髑髏党の鉄騎兵たちに捕らえられそうになり危ないところを捨之介に助けられ、「女を隠すには女の中」ということで蘭兵衛や極楽太夫のいる“無界の里”に連れていかれる(ちなみに2011年版では、最初から“無界の里”で下働きをしている設定になっていた)。
捨之介と沙霧との関係は、演じる役者によって兄妹や相棒、または恋人のようにも、父と娘のように見えたりすることも。
初演時は“ぺてんの沙霧”という役名になっていたのだが、これは作家の中島かずきによると「演じていた高田聖子が嘘つきっぽかったから、嘘ばかりついているという設定にしていた」とのこと。
1990年版は高田聖子、1997年版は芳本美代子、2004年の『アカドクロ』版では佐藤仁美、2004年『アオドクロ』版では鈴木杏、2011年版では仲里依紗が演じた。
<7>
飄々と捨之介一行にからんでくる謎の人物
捨之介が沙霧を救う過程で出会ったり、バージョンによっては色里・無界屋でたまたま居合わせた客という形で知り合うことになる謎の浪人、狸穴二郎衛門。
正義感があり、偶然行きがかっただけの間柄なのに、捨之介たちに加勢して天魔王や関東髑髏党の面々にも平気で刃向かっていく。
刀だけでなく鉄砲も持ち歩いており、射撃の腕前も一流。
一見すると飄々として人が良さそうなタヌキ親父風の風貌なのだが、実は隙がなく、常にクールな立ち居振る舞いをしている。
無界屋の女たちからの評判も上々。だが、その中から選ぶ女の趣味は……少々マニアックかも……?
1990年版は竹田団吾(ちなみに今回の『髑髏城の七人』Season花では衣裳デザインを担当している)、1997年版はこぐれ修(劇団☆新感線をいのうえひでのりと共に旗揚げしたメンバーで重鎮的な存在の劇団員)、2004年の『アカドクロ』版ではWAHAHA本舗の佐藤正宏、2004年『アオドクロ』版ではラサール石井、2011年版では千葉哲也が演じた。
<8>
必殺剣が打てる超人的な腕前の刀鍛冶
捨之介が天魔王を倒すために、特殊な刀“斬鎧剣(ざんがいけん)”を打ってくれるように依頼する昔馴染みの刀鍛冶、贋鉄斎。
深い山奥にこもって、ひたすら刀を愛し、刀のことだけを考えて生きているようなある種の変人。
しかし、その腕前は超一流。捨之介が関東髑髏党の鉄騎兵たちを次から次へと斬りまくる、この芝居の見せ場の一つ“百人斬り”では基本的には贋鉄斎が重要な役回りを担うことになる。
瞬き厳禁、必見のアクションシーンだ。
ちなみに、捨之介が贋鉄斎との連絡手段に使っているのは伝書鳩だったりする。
1990年版、1997年版は劇団員の逆木圭一郎、2004年の『アカドクロ』版では梶原善が演じた。
2004年『アオドクロ』版では贋鉄斎役は逆木圭一郎だったのだが、三宅弘城演じる弟子の“カンテツ”が実質的には贋鉄斎の役どころとなり“百人斬り”の場面にも三宅が登場し、アクロバティックな殺陣を披露した。
そして2011年版では、なんと女性版の贋鉄斎が誕生。
妻が亡き夫の名を継いだという設定で高田聖子が演じたが、この時の“百人斬り”には兵庫に託すという形で勝地涼が挑んだ。