“ニューウェイヴの旗手”から”日本演劇界の旗手へ”!劇作家・演出家ケラリーノ・サンドロヴィッチ(KERA)、平成30年秋 紫綬褒章受章!

2018.11.02

平成30年秋の叙勲にて、劇作家・演出家ケラリーノ・サンドロヴィッチ(KERA)が、紫綬褒章を受章することが発表された。
ケラリーノ・サンドロヴィッチ(KERA)は、ミュージシャン出身の劇作家、演出家、映画監督、音楽家。1982年、自身がリーダー・ボーカルを務めるニューウェイヴバンド「有頂天」を結成。また自主レーベル「ナゴムレコード」も立ち上げ「筋肉少女帯」「たま」「電気グルーヴ」など人気アーティストを多数輩出、そのムーブメントは“ナゴムギャル”という流行語も生み出した。並行して1985年には「劇団健康」を旗揚げし演劇活動を開始する。音楽と演劇を通じ1980年代のサブカルチャーブーム、バンドブームの大きな一翼を担った。「劇団健康」解散後、1993年に劇団「ナイロン100°C」を始動。以降25年に渡り、多種多様な作風で、精力的に作・演出作品を発表。多数の劇団員が人気俳優に成長し、2018年劇団結成25周年を迎えた。劇団公演及びプロデュース公演で多くの作品を発表しながら、映像監督として4本の映画とドラマの監督と脚本を手掛け、また音楽活動も継続し、才能を縦横無尽に発揮してきた。

近年の演劇活動の充実は目覚ましく、作品は高い評価を得ている。2015年第40回菊田一夫演劇賞受賞。2016年第23回読売演劇大賞 最優秀作品賞/優秀演出家賞受賞、芸術選奨文部科学大臣賞受賞。2017年第51回紀伊國屋演劇賞個人賞受賞、読売演劇大賞 最優秀演出家賞受賞、第4回ハヤカワ「悲劇喜劇」賞受賞、読売文学賞戯曲・シナリオ部門受賞。
3年の間に多くの賞を受賞し、まさに“受賞ラッシュ”といった状況だ。
名実ともに円熟期を迎えているKERAは、2019年も走り続ける。

さらに、2019年から1年に1本ずつ数年に渡り、KERA戯曲の名作を、今をときめく演出家陣が演出する新シリーズ「KERA CROSS」(企画製作:東宝・キューブ)がスタート。
KERA作品を異なる味わいで堪能できる贅沢な企画になるに違いない。詳報を待ちたい。

2018年11月現在は、KERA作・演出の新作公演KERA・MAP#008『修道女たち』が上演中であり、既に2019年6~7月上演『キネマと恋人』再演も発表されているが、以降のKERA作品上演の発表も期待したい。
KERAより受章に際しコメントが届いた。

 

【コメント】
<ケラリーノ・サンドロヴィッチ>

頂戴出来る物は拒まない主義の私とは言え、この度賜った章はひときわ大きな喜びです。「もっと好き勝手やれ」と背中を押された気分。これまで創作に関わってくれた全ての人と分かち合いたい。お客様も含めて。とりわけ、ずっと一緒にやってきた劇団員たち、昔自分の身勝手で迷惑かけまくったバンドメンバー、そして、舞台では女優、家では私設秘書にしてこの上なく信頼できるアドバイザーとして支えてきてくれた奥さんと。

僕は舞台の脚本を、日々の稽古を見ながら書く方法を取っているので、俳優さんが実際に動いてくれない事には、作品一本書き上げることもままならない。スタッフさんとも「この芝居、この制約の中で、何が出来るのか」という事を話しながら創っています。そういう意味で私の脚本はどの作品も、皆との共同執筆だと思っています。

もし、他の劇作家や演出家、音楽家と何か違う事があるとすれば、やりたいことしかやってこなかったこと。それから、これまで創ってきた作品の、“量×質”の総量。この点は自己評価としては大抵の同業者の3人分くらいはいくんじゃないかと。(笑)

集中力も体力も落ち、なにかと挫けそうになる昨今の私ですが、まだまだやらねばと背筋が伸びました。やりたくないことはやりませんが。

談 ケラリーノ・サンドロヴィッチ

 

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