『ロボット』全キャスト・ビジュアル・公演詳細解禁!

2024.07.05

撮影:阪野貴也

シアタートラムにて2024年11月から上演される『ロボット』の全キャスト・公演ビジュアル、そして公演詳細が解禁された。

何をもって人間というのか。ロボットは我々に何をもたらすのか―――

今作の戯曲はおよそ 100 年前の 1920 年に、チェコの国民的作家・劇作家であるカレル・チャペックによって発表された。チャペックは「労働」を意味するチェコ語「robota (ロボタ)」から、「ロボット」という言葉を新たに生み出したと言われている。
戯曲の発表から約 100 年経った今、このチャペックの代表作を演出するのは、卓越した発想力とユーモアで、独特の奇想天外な世界観を描き出す作風に定評のあるノゾエ征爾だ。ノゾエは「もしかしたら今が、ロボットが『ロボットらしい』うちに公演できる最後のチャンスなのかもしれない。」と話す。
ロボットと人間の共存が始まりつつある 2024 年に生きる人々に向けて、シニカルかつ不条理なドラマとして転換し、現代の物語としてお届けする。

キャストについて

作品の舞台となるロッサム・ユニヴァーサル・ロボット社の社長ドミンを演じるのは渡辺いっけい。2022年上演『住所まちがい』以来の世田谷パブリックシアター主催公演出演となる。
元宝塚歌劇団トップスターの朝夏まなとは、世田谷パブリックシアター主催公演初登場。ドミン社長の妻にして、人権同盟代表としてロボットの地位の向上を訴えるヘレナを演じる。
ロボットの反乱後、ただ一人のこされる人間であるロボット研究者アルキストを演じるのは、ストレートプレイとミュージカルの両輪で数多くの舞台や映像作品に出演してきた実力派の水田航生。これまでも『お勢登場』、『マーキュリー・ファー Mercury Fur』、現代能楽集VIII『道玄坂綺譚』の世田谷パブリックシアター主催公演に出演してきた。

その他に、舞台のみならず映画やドラマ・ナレーションなど多岐に渡り活躍する菅原永二、コミカルな役から威厳のある役まで幅広く演じこなす加治将樹、近年はテレビドラマでの活躍も目覚ましい坂田聡、緻密さとダイナミックさを兼ね備えた演技を得意とする山本圭祐、目を引くキャラクターと親しみやすさに定評がある小林きな子、シェイクスピア作品で幾つものタイトルロールを演じた内田健司、数々の舞台作品に出演してきた柴田鷹雄・根本大介といった、魅力的なキャストが揃った。

100 年後の世界を予見したかのようなチャペックの戯曲の世界を、 11 名の役者がノゾエ征爾の演出により“遠すぎない未来の世界”として立ち上げる。乞うご期待。

原作について : カレル・チャペック「ロボット」 (海山社・栗栖茜訳)

1920 年に書かれた今作は、機械文明の発達が果たして人間に幸福をもたらすのか否かを問いただす、チャぺックの予言的作品であったと言われる。
ノゾエは「まずこれが 1920 年に書かれたことがすごいのですが、さらに驚くのは現在の我々が着実にその道に進んでいるということです。人間は幸せを求めるがゆえに、よかれと思って進化へと向かう。ただ幸せと進化が必ずしも並列するとはかぎらないということも我々は理解しています。この物語の愚かな人間が辿りつく先でつきつけられる大きな課題に、皆で真摯に向き合い、一緒に考えられるような作品にしたいと思っています。」と話す。

あらすじ

舞台は人造人間(ロボット)の製造販売を一手にまかなう工場。ロボットの進化により人間は労働から解放され、労働せずとも生活していけるようになった。やがて人間たちは全てをロボットに任せるようになり、自分からは動かないまでに退化してしまった。やがてロボットたちは団結して反乱を起こし、人類抹殺の計画を始める―――