キャスト全員で5つのジャグリングに挑戦!
「涙を流しながら練習したこともあった」と明かす
劇団4ドル50セント第2回本公演「ピエロになりたい」のゲネプロが報道陣に公開された。上演に先立って行われたフォトセッション&囲み取材には、主役を務めるダブルキャストの湯川玲菜と仲美海ら総勢25名が登場。舞台の見どころや意気込みを語った。
劇団4ドル50セントは、秋元 康プロデュースの演劇を中心とした総合エンタテインメント集団で、今回の公演は劇団として2回目の本公演。プロデューサーの秋元 康が公演のタイトルとピエロの養成学校という設定を提案し、この公演のために新曲2曲を書き下ろしている。メインキャストのコメントは下記の通り。湯川玲菜
「ポーカーという役は、感情のないキャラクターですが、その中にかわいらしさもあり、最終的にはみんなを引っ張っていくような役どころです。自分自身も成長した姿を見せられるようにがんばっていきたいと思います」
仲美海
「今回はダブルキャストで主演を務めさせていただくということで、とても責任を感じていて、プレッシャーもあるのですが、それよりもこの劇団のメンバーとスタッフさんとこの舞台を作れたことをすごくうれしく思っています」本西彩希帆
「今回は劇団としても個人としてもたくさんのことにチャレンジさせていただきました。新しい劇団4ドル50セントをみなさまにお届けできるようにがんばります」前田悠雅
「今回は作品が喜劇ということもあって、劇団員同士でどうすれば劇団がもっと面白くなれるかを考える機会が多くありました。特に25人でのパフォーマンスに力を入れて、お客さまをワクワクドキドキさせられる舞台を作っていきたいと思っています」福島雪菜
「もう初日を迎えるのかという不安もありますが、個人としては『SLAM DUNK』(マンガ)の仙道のように冷静に、でも心は熱く、最後までがんばりたいと思っています」蕪祐典
「今回は全14公演ありますが、どの公演も手を抜かず、全力で駆け抜けていきたいと思っています」
奈波慎剛
「来てもらったお客さんに“観に来てよかった”と思ってもらえるように、全公演、全力で挑みたいと思っています」
岡田帆乃佳
「第2回公演をこんなに素敵な劇場でやらせていただけるということで、私たちの1年間の成長をみなさんに見ていただけるようにがんばります」
長谷川晴奈
「私が演じるスマイリーはすごく明るくて元気な子で、体は小さいんですが存在感を出せる役なので、千秋楽までがんばっていきます」
本作の見どころについて、湯川は「今回はジャグリングという新しいことに挑戦していて、みんなで5種類のジャグリングに挑戦しているところはぜひ見ていただきたいです」「2ヵ月間練習したんですが、涙も流しながら取り組んだこともありました。でも、今はあきらめなくて良かったと思っていますし、ジャグリングの構成は劇団員みんなで意見を出し合いながら考えたので、より良いものができたと思います」と、手応えを感じていた。また、劇中で披露される曲について、仲は「秋元 康さんの新曲2曲をピエロメイクで披露するところも見どころだと思います」と語った。
その後、キャストたちが、カスケード、シガーボックス、皿まわしなど、劇中で披露する5つのジャグリングを実演。しかし、時折、失敗する姿も見られたため、最後に報道陣から「本番では大丈夫そうですか?」とツッコまれると、キャスト全員で「本番は大丈夫です!(笑)」と返し、笑いを誘った。
【ゲネプロレポート】
囲み取材の後に、物語の中盤以降のゲネプロが公開された。
どこかの国、どこかの町、どこかの学校……。その伝統ある学校、ジェスター校には世界中から若い男女が集まっていた。
彼らはあだ名で呼び合い、年齢、名前などの素性を一切明かさないことを約束させられている。
なぜなら、この学校はピエロの養成学校だから。
ピエロは化粧をして道化を演じなくてはいけない。彼らの素顔など、笑顔を売るピエロに必要ないのだ。
「ポーカー」と呼ばれる女の子がいた。
名前の由来はポーカーフェイス、感情を表に出さず 無表情なため、そう呼ばれてきた。
両親の離婚、学校での人間関係、世界に対する諦め……。
彼女は感情を押し殺しながら生きてきたのだ。
幼い頃、母親に連れられて行ったサーカス。
笑顔を売るピエロの存在が、いつしか彼女の夢になっていた。
そして、自分を変えるため、 ピエロの養成学校に入学したのだ。
学校には、自分の顔が嫌いな少女、うまく笑えない女、自分がつまらない人間 だから誰かを演じたい男など、一癖も二癖もある仲間たちが集まっていた。
彼らはピエロの養成学校での 厳しい授業を通して、自分を変えていこうとする。
そして、卒業公演の日、彼らは化粧の下で泣いたり笑ったりしながら、精一杯にピエロを演じた。
全ては笑顔になるために……。
この物語は、少年少女たちの成長を通して自分の本当の顔を探す旅である。
物語の中盤、ジェスター校の生徒たちは、学校の秘密を知ったことがきっかけで、25人全員でカスケード(3つの玉を使用したお手玉)100回連続成功に挑戦することになる。舞台上に25人が勢揃いし、一糸乱れぬ姿でカスケードに挑戦する姿は圧巻。一人でも失敗すれば、全員で最初からやり直しという厳しいルールが緊張感をよりいっそう高めていた。
そして、物語の後半では、全員がピエロ姿になり、5つのジャグリングや歌とダンスを披露。一見、華やかに見えるステージの中で、生徒たちの絆や困難に立ち向かう強さなどが繊細に表現されていた。
劇団4ドル50セント第2回本公演「ピエロになりたい」は、12/2(日)まで東京・オルタナティブシアターにて上演される。
取材・文/小林ぴじお
撮影/ローソンチケット