8月です。夏本番ですね。暑いです。こんな時は劇場に行って熱さを感じましょう!(とはいえきっと劇場は涼しいはず。野外劇はのぞく)
てなわけで、今月の「優先順位高めです」です。今月より、桃尻犬野田さん参加です。
脚本家・演出家・俳優・野田慈伸の優先順位高め!
はじめまして。
桃尻犬という演劇団体をやっています野田慈伸です。
観劇の「優先順位高め」な公演を紹介、という事なので、
多分面白いだろうなっていう公演や、前の公演評判良かったから今回も面白ければいいなあ、な公演、あとは面白くなさそうすぎて逆に気になる公演や内容とかよりも今あなた(達)がどんなことやるのか気になる!公演などもピックアップできればいいなと思います。やればやるほど自分の首を絞めそうです。よろしくお願いします。
●劇団アンパサンド「歩かなくても棒に当たる」
兎にも角にも今はアンパサンドじゃないでしょうか。
あの人も褒めてる、あの人も見に行ってる、今度はあの人と仕事しているなど、いちいち活躍が気になるアンパサンド。シアタートップスで発売日にチケットほぼほぼ完売らしく、チケットが売れないと嘆いている昨今、夢が広がるニュースです。
かくいう自分も発売日にチケット予約しました。
ナカゴーやら五反田団やらが作風の養分になってると安藤さんがどこかでおっしゃってた気がしますが、もはや独自の作風と活躍で今後どこまでいくのか、大変楽しみです。
出演者も川上友里さんや永井若葉さんなど豪華すぎる女性だけの狂宴(ときっとなるでしょう)。こんなに見るのが楽しみなのも久しぶりです。
●Mrs.fictions『ミセスフィクションズのファッションウィーク』
Mrs.fictionsと日本のラジオとなかないで、毒きのこちゃんの3団体の合同公演。
公演のホームページには「3つの団体が「ファッション」をテーマに創作した作品を一度に上演するオムニバスイベント」という説明と、なんかおしゃれな挨拶の言葉が書かれていましたがよくわかりませんでした。なぜお洒落をコンセプトにしたんでしょう?
3団体でお洒落なのって毒きのこちゃんの猪股さんぐらいじゃないですっけ?ミセスの今村さんもお洒落かもしれない。でも他の人におしゃれなイメージ無い。日本のラジオは公演の雰囲気や誂えはお洒落な気がします。
ミセスさんがずっとやられてた15ミニッツメイドもそうですが、こういうオムニバスでいろんな団体やいろんな役者が見れるというのはめちゃくちゃいい企画です。
でも実現するのがいろんな面でハードルが高い。それをやってくれてるんだから、見に行く優先順位は高いでしょう。こういう企画がもっと気軽にいろんなところでやれるようにできないかなと思います。
あとはチケット取れるのかはわかりませんが、
●シソンヌライブ13treize
●かもめんたる×劇団かもめんたる特別ライブ『アックメ』
このあたりのコントライブもぜひ見たいですし、
●ハイバイ「ワレワレのモロモロ2024 札幌東京編」
も気になりますね。「ワレワレのモロモロ」はいくつか拝見してて、ドキュメンタリーと演劇の間のような、他では体験できない感動を覚える公演です。この公演のファンなのでこの前も名古屋まで見に行ってきました。
もうちょっとなんだそれっていう公演も紹介できるようアンテナ伸ばしておきます。
ちょっと暑すぎて、昨日自分も熱中症になってしまったのでほんとに水分補給だけは絶対にしてください。「暑さに負けるな」とか誰かが言っていましたがもはや噴飯モノです。
いまは「暑さと闘うな」です。絶対負けます。
野田慈伸
脚本家、演出家、俳優。演劇団体『桃尻犬』主宰。
映像作品の脚本やお笑い芸人へのコント演出などいろいろ活動中。
パタカラぷろじぇくとVol.1短編戯曲リーディング
「妹のこども」「オーストラリアの母」作・演出:野田慈伸
9月5日(木)~9月6日(金)@ニューサンナイ
X(旧:Twitter):@naraduke7
脚本家/演出家・萩田頌豊与の優先順位高め!
8月になりましたね。クーラーをつけると涼しいので皆様是非、つけることをお勧めいたします。
昔と今とじゃ、暑さが違うといいますし、住んでる地域など日にちによって暑さは全然違います。その都度、クーラーをつけるかどうかは皆様にお任せします。
以下、お勧め。
そうしましたらローソンチケット演劇部、活動報告をさせていただきます。
・ハイバイ「ワレワレのモロモロ2024 札幌東京編」
誰に言われなくても行かれると思いますが、お勧めさせていただきます。
今回のワレモロは東京と札幌の話みたいですね。大変楽しみでございます。
・Mrs.fictions『ミセスフィクションズのファッションウィーク』
ミセスのファッションウィーク。超おしゃれだと思います。いろんなファッションを見るように、演劇を楽しめる。演劇とファッションってどこか似てて、もしかたしたら似て非なるものなのかもしれませんね?
・劇団アンパサンド「歩かなくても棒に当たる」
何があっても必ず観に行きます。
心より尊敬し、心から恋焦がれております。
・イキウメ「奇ッ怪 小泉八雲から聞いた話」
伝承を小泉八雲から聞いた話として、タイトルに持ってくるの格好良すぎる。
イキウメが小泉八雲から話聞いたらそりゃあ面白いだろうなとワクワクしてます。
・レティクル座『真・バトルサウナー城崎』
レティクル座新作。男臭い作品で、今回も馬鹿馬鹿しくてポップだと思います。
・盛夏火『熱病夢見舞い』
盛夏火、劇場公演。もう団地演劇が懐かしい。独特な空気感とどこか懐かしい90年代の田舎の原風景を思い出させてくれる、盛夏火の夏公演。少し怪しくて、夏に強い作品を描く団体だと思います。
・優しい劇団『優しい劇団の大恋愛vol3』
尾﨑くんの劇団。
優しい劇団少しづつ本当に名古屋から旋風を起こしている。
格好いい。行動力の化け物モンスターだと思います。
1日だけですが、是非に。
・アマヤドリ・二本立て本公演『牢獄の森』『うれしい悲鳴』
学生時分。
2013年に『うれしい悲鳴』を観に行って衝撃を受けたのが未だに記憶に新しいです。もう一度あの衝撃を。是非に。
・排気口『暗愁行尸』
今回も去年に引き続きホラーみたいです。
夏は怖いものが見たい。そう思います。
排気口の皆様もそう思ったと思います。
以前、排気口の菊池さんとお話しさせていただいた時「夏は怖いものが見たい」と仰っていました。それを聞いた僕も、夏は怖いものが見たいなと思いました。
排気口には毎年夏はホラーやってほしいなと思います。
以上8月の活動報告でした。
夏は2部構成とはよく言ったもので、夏の始まりと夏の終わりは全く違う季節だと思います。
夏が終わる時こそ夏の本領、その時に元気がないと勿体無い。ペース配分忘れずに。皆様良き夏を。
また9月にお会いしましょう。
萩田頌豊与
脚本家。演出家。
日本で最もチケットの取れる劇団『東京にこにこちゃん』主宰。
1991年1月4日生まれ。
身長193cm
体重110kg
X(旧:Twitter):@CollinesBar
公式HP:東京にこにこちゃん 公式サイト
10/2~6駅前劇場にて『RTA・インマイ・ラヴァー』上演
俳優・佐久間麻由の優先順位高め!
こんにちは、夏~!7月に続き、8月も見たい演劇行きたいイベント目白押しです!ただ、私事ですが、8月はお稽古に明け暮れる日々になりそうなので、どれもこれも行けないだろうなぁと、すでに悲しい気持ちにまみれています。代わりに皆さんに観て貰い、みんなで集まってネタバレとご感想を開く会をやりたいです。楽しそう!では、そんな会をやりたいなぁの想いを抱えながら、8月の優先順位高め、お伝えします。
▶︎せたがやアートファーム2024 音楽劇『空中ブランコのりのキキ』
別役実さんの童話を原作に、快快の野上絹代さんが構成・演出をされる本作。主演が咲妃みゆさんなの、最高じゃないですか!?宣伝ビジュアルのアートディレクターは、いすたえこさん。いすさんは画餅のアートディレクターもされており、今回のビジュアルもまた最高です(玉置孝匡さんのネクタイはハム!?)!世田谷パブリックシアターの劇場空間×サーカスもぴったりじゃないかと、期待高まります!
▶︎劇団アンパサンド「歩かなくても棒に当たる」
優先順位高めですを毎月読んでくださってる方の中には、「ねぇ、もう、安藤さんが上演するたび、毎回言ってるやん…」と思われる方もいるかもしれませんが、私は強い意志で挙げ続けます。全人類が安藤さんの作品を観るまでは。そんな私は、全っ然予定が合わずにしばらく観れてません…。しかも今回はシアタートップス、チケット即完で(そろそろ本多劇場進出でしょうか…)!あらすじでもう面白すぎますよ→【暑すぎる毎日への苛立ちから、扇風機に指を突っ込み指が飛ばされるという妄想をしているところに、東京からやってきた女が突然妄想に入り込み、一緒に指を飛ばし始める。指先から始まる衝撃、アンパサンド・スリラー】ね、皆さま、是非です!
▶︎イキウメ「奇ッ怪 小泉八雲から聞いた話」
もう、こんな世の中ですし、「事実は小説よりも奇なり」と言いますし、なかなか現実世界の方がキテレツだったりしますが、イキウメで出逢える物語には、毎度ゾッとえぐられます。今回はイキウメ×小泉八雲!必見ではなかろうか。ちなみに、来年秋の朝ドラ「ばけばけ」のモデルは小泉八雲の妻セツさん。脚本はふじきみつ彦さんということで、こちらも楽しみすぎます!
▶︎かもめんたる×劇団かもめんたる特別ライブ『アックメ』
どこを切り取っても“かもめんたる”な、かもめんたると劇団かもめんたるの劇団員によるお笑いライブ!う大ワールドは、夏に観るのがぴったりだな、なんて勝手に思ってます。全て新ネタというところもうれしい!楽しみです。
▶︎くによし組 × 劇団だるめしあん × 松森モヘー『ガチゲキ!!復活前年祭』
複数の劇団が共通のテーマで作品を創り、観客投票と特別審査員の審査により賞を決めるコンペ形式のフェスティバル。第3回「ガチゲキ!!」が2026年3月に予定されていて、今回はそれに先駆けて開催される「ガチゲキ!!復活前年祭」とのこと。参加団体は、くによし組、劇団だるめしあん、松森モヘーの小竹向原ボンバーズ!テーマは「月9」。最初の3日間を【伏線編】として、30分程度の作品を3団体で連続上演。その後は【ネタバレ編】として、それぞれの団体が単独上演をする。なんてドキドキする企画!気になります!
あとは、お久しぶりのピンク・リバティ『みわこまとめ』、前回公演も好評だった劇団スポーツ#11『徒(いたづら)』、シビウ国際演劇祭から帰ってきたカッコよすぎるフライングシアター自由劇場『あざみの花咲く頃』、観たいと思って早年TeXi’s『ファジー』「ours」、とっても気になっている果てとチーク『はやくぜんぶおわってしまえ』、なども観たいです!
そして、最後に…。演劇ではないのですが、優先順位高めの展覧会もお伝えさせてください!「行方不明展」!行方不明に関する展覧会なのですが、Aマッソライブ『滑稽』やテレビ東京『Aマッソのがんばれ奥様ッソ!』・『このテープもってないですか?』など、強烈面白いことをばかりを生み出している大森時生さんがクリエイターとして参加している展覧会です。先日放送されていた『イシナガキクエを探しています(TXQ FICTION)』も強烈でした…!どれも検索いただき、心が動いてしまったら、「行方不明展」もぜひ!それでは、夏バテ気を付けつつ、どうぞ素敵な8月演劇ライフを…!
佐久間麻由
俳優・企画制作。劇団「スリーピルバーグス」所属。企画ソロユニット「爍綽と」主宰。次回出演作品→スリーピルバーグス第2回野外公演inスタジアム『リバーサイド名球会』作・演出:福原充則@兵庫豊岡市 こうのとりスタジアム 9月20日(金)〜9月22日(日)
X(旧:Twitter):@mamamayuuuu
公式サイト:https://www.lespros.co.jp/artists/mayu-sakuma/
俳優・田代明の優先順位高め!
あっちいいぃぃぃい!
みなさんこんにちは、田代明です!
冷房の効いた劇場に逃げましょう、劇場は避暑地!!
NODA・MAP第27回公演『正三角関係』
野田さん、ほんと大好きです!公式ホームページの直筆のメッセージはぜひ読んでくださいね。
今回の主演キャストの皆様、松本潤さん、長澤まさみさん、永山瑛太さん…名前の並びを見るだけでワクワクしてきます。ドストエフスキーの最高傑作「カラマーゾフの兄弟」の設定を入口に、「日本のとある場所のとある時代の花火師の家族」=「唐松族(からまつぞく)の兄弟」の物語。日本公演を終えた後はなんとすぐにロンドンでの公演を控えているそう。
この一大作品、絶対に見逃せません。
アマヤドリ・二本立て本公演『牢獄の森』『うれしい悲鳴』
私の大好きな劇団の一つであるアマヤドリさん。今回は、新旧作品二本立てで上演するそう。同じ時期に二本やるって、本当に大変だと思います。すごい。
『牢獄の森』は犯罪者予備軍として社会から半ば排除されてしまった人々が形成する近未来の「森」を舞台にして展開される、SF会話劇。『うれしい悲鳴』は、「感じすぎる女」と「痛覚の無い男」を中心に集団の狂気と悲恋の顛末を描いた作品なんだそう。
毛色の違った2作品、セット割チケットなんかもあるみたいなので、どちらも観てみてはいかがでしょう。
PAPALUWA『ナイン』
主に「野球」をテーマに絞った作品を上演し続けている「野球劇団」ともいえるPAPALUWA。
私は野球に全く縁もゆかりもない人間なのですが、そんな人が見ても絶対に楽しめる、熱く、そして全力で笑える作品を提供して下さる劇団さんです。今回は7年前からバージョンアップして『ナイン』を上演します。
123点差をつけられた弱小野球チーム。絶体絶命のこの試合、しかし何故か9回裏が繰り返されていく…《元祖スーパーハイテンションSF野球活劇》を是非体感しに行きましょう。
個人的には8月は青山メインランド ファンタジースペシャル ブロードウェイミュージカル『ピーター・パン』の地方公演がございます!
愛知・広島・富山・大阪と回らせていただきますので、こちらの地方にお住まいの皆様、是非劇場にておまちしております!
田代明
俳優・歌手
北海道札幌市出身。東京藝術大学声楽科卒業。7月24日(水)~8月31日(土)ミュージカル「ピーター・パン」出演予定。
X(旧:Twitter):@akkarindays
Instagram:@akkarindays
脚本家/演出家/俳優・滑川喬樹の優先順位高め!
洗濯しても汗の匂いが取れません。夏ですね。滑川です。
柔軟剤を入れて洗ってもフローラルな香りの向こうに確実に雑巾の匂いがして万事休すです。
8月の優先順位はこちらです。
ガクヅケ単独ライブ『天才』ユーロライブ(渋谷)
テアトロコントで観てからファンになりました。ネタももちろん面白いし役者さんとしても大変魅力的なコンビだと思ってます。1日しかやらないのが少し残念ですが、観れたら是非観に行きたい。
MITAKA “Next” Selection かるがも団地『三ノ輪の三姉妹』
三鷹市芸術文化センター 星のホール(三鷹)
武蔵野市民としてはMITAKA “Next”は憧れの舞台でもあるのですが、今回はかるがも団地さん。最近かるがも団地さん近辺の知り合いが増えててみんなもれなく好き、出たいって言ってます。『なんとなく幸せだった2022』は映像で拝見しぼくも好きでした。おすすめです。
劇団アンパサンド「歩かなくても棒に当たる」
新宿シアタートップス(新宿三丁目)
『地上の骨』を観劇してから虜になりました。最近のぼくのナカゴーロスを埋めてくれるのは劇団アンパサンドさんなのかもしれないと思ったりしています。あの丁寧にしつこく「やっちゃう」感じにひどく憧れてます。なんであんなことできるんだろう。
Mrs.fictions『ミセスフィクションズのファッションウィーク』
駅前劇場(下北沢)
「Mrs.fictions」「日本のラジオ」「なかないで、毒きのこちゃん」の3組のオムニバス公演。
豪華な3組ですよね。『「ファッション」をテーマに創作した作品を偶然にも持て余していた3団体がたまたま一堂に会して上演する企画』だそうです。この並びは絶対面白いですよね。
くによし組 × 劇団だるめしあん × 松森モヘー『ガチゲキ!!復活前年祭』
アトリエ春風舎(小竹向原)
こちらも3団体の公演。一度に沢山の作品に出会えるのはいいですよね。個人的にはくによし組さんはこれからも追いかけて行きたい団体さんです。ところで8月はこういうイベント的な公演が増える傾向なんでしょうか。夏ですね。
「呼び水」SCOOL(三鷹)
企画が面白そうなので、HPの文章をそのまま引用します。
「SCOOL前の三鷹中央通りでは毎年恒例の阿波踊り大会が行われます。阿波踊り大会の最中は、屋外からの音漏れも大きく、本来ならば公演等のイベントは避けるものですが、それを“呼び水”として、誰かの何かの新しいきっかけになるのか、試行したいと思います。」
こういう状況を逆手に取る企画っていいですよね。素敵な試み。観たいです。
こういうの記事を書いてると、ほんとにみんな才能豊かだなあって思って落ち込んだりもしますが、ぼくもなんとか食らいついて行くつもりです。今日も日焼け止め塗って外に出ます。みなさんも日焼け止めは必ず塗って下さいね。
滑川喬樹
脚本家・演出家・役者。
自称武蔵野市代表コントユニット「エトエ」主宰。
X(旧:Twitter):@nametakaki
エトエ公式HP:https://etoe.amebaownd.com/
脚本家/演出家・海路の優先順位高め!
海路です。みろって読みます。
溶ける。暑い。そんな自分、今風邪引いてます。何でやねん。その話は置いておいて、なのでマスク着けてるせいで、顔の上半分と下半分で色が違います、はい。日焼け止めは塗ってるはずなんですけどね。
てなてなことで、8月の優先順位高めな作品はこちら!!
○B子『郡』
今月はどんな公演あるのかなーって調べてたら出てきた、作演出出演全部ひとりでやり、他誰もいないから予約フォームすらなく、1日限定当日券のみの販売という、攻めに攻めまくった企画にびっくりしてしまったこちらの公演。公演ページを見てみると、ほんのり香る東葛感。面白そうな気配しかしません。B子さんは、お名前は以前から知っていたものの未見なので、興味深々です!
○ハイバイ「ワレワレのモロモロ2024 札幌東京編」
誰かの人生を台本にしてそれを主宰の岩井さんが演出するワレワレのモロモロシリーズの、札幌東京編とののとで、下北のスズナリの他、北海道札幌でも上演されるこちらの作品。自分もいち書き手として、身売りして書く、ということは往々にしてあるのですが、やっぱりそうやって書いたものは、面白い!現実は小説より奇なり、なんて言葉もあるくらいですからね。こちらもぜひ!
○ロロ新作公演 劇と短歌『飽きてから』
劇作家の三浦直之さんと、歌人の上坂あゆ美さんが、台詞と短歌の往復書簡で戯曲を綴る、というこちらの企画公演。いったいどういうことなのか、まだ全貌が掴めてなくて、台詞と短歌の往復の書簡…何だか新しい表現に触れられそうな予感がします。劇場がユーロ・ライブっていうのもこれがまたよくて、それだけで、あっ、攻めてるな、なんて思ってしまう今日この頃です。偏見だったらすみません。
今月はご紹介した3公演、どれも企画公演という初めてのラインナップでしたが、企画公演には企画公演だからできる表現だったりチャレンジが沢山あるので、そこら辺凄く楽しみです!
海路
脚本家。演出家。監督。
劇団papercraft主宰。アミューズ所属。『檸檬』にて第29回劇作家協会新人戯曲賞を受賞。
1999年7月20日生まれ。
X(旧:Twitter):@nonde_miro
批評家・山﨑健太の優先順位高め!
外では日差しと暑さにやられ、劇場では強すぎる冷房にやられ、の8月。
今月の優先順位高め1本目は果てとチーク『はやくぜんぶおわってしまえ』。『くらいところからくるばけものはあかるくてみえない』が岸田國士戯曲賞の最終候補となった果てとチークは8月、11月、1月と怒涛の公演ラッシュを予定している。その幕開けとなる『はやおわ』は第29回劇作家協会新人戯曲賞最終候補作となった2023年1月初演の作品だ。早くも再演となる本作は、女子校の生徒たちが過ごす地獄のような(しかしどこまでもリアルでしかない)日常を、お前にはこれが見えているのかと言わんばかりにはっきりと観客の眼前に突きつけてみせる。2025年1月には続編となる『きみはともだち』が上演される。約10年前の世界を物語の舞台とする『はやおわ』から現在を舞台とする『きみはともだち』へ。そこに横たわる10年の年月に果たして希望は見い出せるだろうか。
優先順位高め2本目はロロ新作公演 劇と短歌『飽きてから』。
「劇と短歌」の冠の通り「劇作家・三浦直之と歌人・上坂あゆ美が、台詞と短歌の往復書簡で戯曲を綴る新企画」とのことなのだが、「台詞と短歌の往復書簡で戯曲を綴る」とは一体どういうことなのだろうか……?ともあれ、高校演劇のフォーマットに則った「いつ高シリーズ」にせよ、たくさんのキャラクターのプロフィールから物語の断片を立ち上げていく「オムニバス・ストーリーズ・プロジェクト」にせよ、企画公演はこれまでもロロが新たな魅力を発揮する契機となってきたのであった。今回も予想のつかなさが楽しみ。
優先順位3本目は劇団スポーツ#11『徒(いたづら)』。
《青春記憶改竄コメディ》と冠されていた傑作『略式:ハワイ』に続く新作は《不条理誤謬コメディ》。「わからない…。何がわからないのかもわからない…」というキャッチコピーからもう面白い。この〇〇コメディシリーズはぜひ今後も展開していってほしいところ。前作から引き続き起用となった煙どろんの宣伝イラストもかわいくてサイコーです。
山﨑健太
批評家・ドラマトゥルク。演出家・俳優の橋本清とともにy/nとして舞台作品も発表しています。
X(旧:Twitter):@yamakenta
ライター・釣木文恵の優先順位高め!
M-1グランプリの予選がはじまる8月。キングオブコントは2回戦〜準々決勝が行なわれます。けれど、お笑いは賞レースがすべてではありません。日々、その日だけの公演が行なわれては消えていく、そのほんの少しだけでも引き続きご紹介していけたらと思います。
AUN〜深呼吸〜第一陣
回を重ねるごとに規模が拡大しているコンビ大喜利の大会「AUN」。第8回大会となる今回は初めて8、9、10月の3公演にわたって開催されます。その幕開けとなるのが「AUN〜深呼吸〜第一陣」。予選に位置づけられる深呼吸は8、9月の2度行なわれ、それぞれ8組がしのぎを削ります。ここで優勝した1組だけが10月に行なわれる本戦に出場できるというしくみ。8月の出演者には、かつてこの予選を勝ち抜いて決勝に進出した経験をもつ都トムをはじめ、人間横丁や、初出場となるシモリュウ、キャプテンバイソンら、それぞれ個性あふれる回答が期待できる面々が揃います。友田オレ&惹女香花など、この大会ならではの組み合わせが観られるのも魅力。コンビ大喜利は二人の息が合うのが大事。どの組み合わせがもっともコンビの強みを出せるのか、楽しみです。
ジェロニモ短歌賞 in 渋谷コントセンター
R-1グランプリやABCお笑いグランプリの準決勝進出経験をもつピン芸人、鈴木ジェロニモ。「水道水の味を説明する」などの言語表現を巧みに扱ったネタ(?)でも注目を集める彼は、さまざまな短歌賞で最終選考に残ったり、NHK短歌で穂村弘と対談したりと、短歌の世界でも存在感を表しています。そんな彼がずっと続けているライブが「ジェロニモ短歌賞」。芸人さんを中心に、短歌経験の浅い人たちが自由に詠んだ短歌をジェロニモ氏が順位をつけつつ評価・批評するものなのですが、これが面白いのです。たしかにそんな情景が、感覚がある!という気づき、ことばの音が伝えてくるもの、いろんな発見があります。今回は8月23日(金)からユーロライブで上演され、ジェロニモ氏も俳優として参加するロロ 新作公演 劇と短歌『飽きてから』
の関連企画として、ロロメンバーも参加。このライブ常連であるバローズ・徳永敦の五連覇を他のメンバーが阻止できるのかも見どころです。
かもめんたる×劇団かもめんたる 特別ライブ『アックメ』
劇団かもめんたるを立ち上げてからは、すっかり演劇づいていた岩崎う大さん。しかしここにきて!「かもめんたる」としてのライブが観られるとは!劇団かもめんたるの作品はもちろんかもめんたるのコントのテイストをふんだんに含んでいますけれど、やはりう大さんと槙尾ユウスケさん、二人だけで作り出す濃密な世界はまた格別。かもめんたるのコントを久々にたっぷり観られるのはかなり貴重な機会です。
ほかにも8月は、唯一無二のコントを披露するガクヅケの単独ライブガクヅケ単独ライブ『天才』、公演当日に開催が発表され、観客は芸人限定だった幻の小松海佑単独公演「りんごのホームランを打ちたい」再公演なども。演劇では劇団アンパサンド「歩かなくても棒に当たる」、ハイバイ「ワレワレのモロモロ2024 札幌東京編」が楽しみです。
釣木文恵
演劇を中心にインタビュー記事などを執筆。最近はお笑い関連の仕事も増えてきました。
X(旧:Twitter):@troookie
ライター・井ノ口裕子の優先順位高め!
夏休み旅行もいいけれど、舞台で別世界への旅を満喫しませんか?
2024年劇団☆新感線44周年興行・夏秋公演 いのうえ歌舞伎『バサラオ』
主演の生田斗真さんが、南北朝を彷彿とされる時代を舞台に、自分自身の美しさを武器に天下取りを目指す極悪非道な悪い男を演じるダークスペクタクル。注目は、生田さんの美しいビジュアル、2016年の『Vamp Bamboo Burn~ヴァン!バン!バーン!~』以来の共演となる中村倫也さんとのバディ役。歌あり、ダンスあり、アクションあり…新感線ならではの極上のエンターテインメントを存分に楽しみたいと思います!
海のSDGsプロジェクト・ファミリーフェスティバル 海の音楽劇『プリンス・オブ・マーメイド~海と人がともに生きる~』
人魚と人間が暮らす伝説の王国が一夜にして沈んでしまってから2000年後、人魚の王子と王国の王女が出会い、ふたりの奇跡とロマンに満ちた海の旅が始まるという海の壮大な営みや神秘を描いた物語。大量の廃品ペットボトルを使用した舞台美術など海洋汚染問題を視覚的にも表現しているのも注目です。劇場内で海のスペシャリストの講演会が開催されるなど、夏休み親子で楽しめる舞台でもあると思います。そして、主人公・人魚の王子役の市村優汰さんは市村正親さんの息子さん。どんな演技を見せてくれるのか楽しみです。
そして、8月のおススメ2.5次元作品はーー。
ミュージカル『刀剣乱舞』和泉守兼定 堀川国広 山姥切国広 参騎出陣 ~八百八町膝栗毛~
これまのどの少数出陣とも、ミュージカル本公演ともガラリと異なる趣で、3振りならではの出陣が描かれるという演出に注目。和泉守兼定役の有澤樟太郎さん、堀川国広役の阪本奨悟さん、山姥切国広役の加藤大悟さん、それぞれグランドミュージカルやドラマ、バラエティなどで幅広く活躍するキャスト3人のパフォーマンスにも期待が高まります。
「マッシュル-MASHLE-」THE STAGE 2.5
魔法界を舞台に繰り広げられる個性豊かなキャラクターたちの友情や戦いと、シュールなギャグによって生まれるギャップが話題の甲本一による大人気コミック『マッシュル-MASHLE-』の舞台化第2弾。昨年夏の初演は原作の世界観を驚きに溢れた演出で表現して話題になりました。更にパワーアップした「アブノーマル魔法ファンタジー」の世界に没入したい。
ミュージカル『新テニスの王子様』The Fourth Stage
「新テニミュ」の第4章。U-17W杯(アンダーセブンティーンワールドカップ)準決勝が描かれます。越前リョーマ、跡部景吾など日本代表が、世界を舞台にさらなる強敵と繰り広げる熱戦を見届けたいです。
劇団『ドラマティカ』ACT4/魔女とお菓子の家
劇団『ドラマティカ』とは、『あんさんぶるスターズ!!』に登場するキャラクター・日々樹 渉が主宰する演劇サークルの公演を舞台化する“もうひとつの『あんスタ!!』舞台化プロジェクト”。この4作目では、グリム童話「ヘンゼルとグレーテル」を題材にした物語を上演。ファンタジックな舞台を見せてくれすはず。
井ノ口裕子
ライター。観劇の入口は中学生のときの宝塚。それから観劇は一番の趣味です。小劇場からグランドミュージカルまで、ジャンルは問わず面白そうと思ったら何でも観ます。
ライター・河野桃子の優先順位高め!
まちはどこも夏休みモード。ひとが入り乱れ、暑くて賑やかで、なにか特別なことが起こりそうなわくわくを感じます。そんな頃には、いろんな人があつまるところに惹かれてしまいます。
8月8日(木)〜8月18日(日)に アトリエ春風舎(小竹向原)で上演される、くによし組 × 劇団だるめしあん × 松森モヘー『ガチゲキ!!復活前年祭』は、まずその企画が面白い!「月9」を共通テーマとして、3つの団体が各30分の【伏線編】を一挙上演する期間前半。そして、団体ごとに【ネタバレ編】を単独上演する期間後半。なにが起こるのか?自分はなにが気になってどれを観るのか?何日もかけていろんなわくわくが折り重なっている、月9枠のような期待が詰まった企画。
同じ頃に下北沢では、Mrs.fictions『ミセスフィクションズのファッションウィーク』が上演されます。Mrs.fictions、日本のラジオ、なかないで、毒きのこちゃんの3団体が「ファッション」をテーマに創作。タイトルの”ファッションウィーク”からイメージするように、ファッションショーのような個性鮮やかさが楽しみな企画。
8月23日(金)から9月1日(日)にかけては、演劇と短歌の出会いからうまれる1作。ロロの三浦直之さんと、歌人の上坂あゆ美さんが、台詞と短歌の往復書簡で戯曲を綴る、ロロ 新作公演 劇と短歌『飽きてから』。おもいつくままに書いたシーンを送り、それに対して短歌が返ってきて、そうして戯曲がうまれていく……どうやって!?そのプロセスが非常に気になる企画。
8月24日(土)・8月25日(日)の週末に長野県松本市でおこなわれる、倉田翠芸術監督企画 『身体と音楽』。夕方から夜にかけて、劇場のロビーや美術館の中庭で、踊ったり奏でたり演じたり。真夏の空のした、多彩なひとびとの入り混じる、 真の夜の夢のような企画。
河野桃子
ライター。翻訳戯曲と小劇場を中心に、ミュージカルやコンテンポラリーダンスなど「舞台」と名がつくものはなんでも観に行きます!
X(旧:Twitter):@momo_com
ローチケ演劇部_白の優先順位高め!
暑い!8月の優先順位高めな公演はこちら!8月も熱い!
まずは劇団アンパサンド「歩かなくても棒に当たる」。
なんだかアンパサンドの勢いがすごいです。今回初めてチケット売らせていただいたのですが、勢いがすごいです。だって面白いもんね。安藤さんの描く世界は日常(オフィス)からのぶっとびっぷりがすごいのです。チケット購入できた幸運な方は体感ください!
そして、劇団スポーツ#11『徒(いたづら)』。
前回公演『略式:ハワイ』で初めて観させていただいたんですが、面白かったんですよ!で、こちらも同じく初めてチケットを売らせていただいております。前回公演の際も優先順位高めでたくさん取り上げられてました。今回も注目です!
ハイバイ「ワレワレのモロモロ2024 札幌東京編」もぜひ。
初めてみたのは、アトリエヘリコプターでの公演(2016年)でした。ゆうめいの池田さんも出演されてました。一番わらったのが永井若葉さんの「て」の稽古のエピソードでしたね。強烈でした。ドキュメンタリーですね、まさに。ぜひ。
Mrs.fictions『ミセスフィクションズのファッションウィーク』も観ます。
Mrs.fictions、日本のラジオ、なかないで、毒きのこちゃんの3団体がファッションをテーマにしたオムニバス公演とのこと。上演ができることが何よりうれしいですよね。刮目したいと思います。
他、2024年劇団☆新感線44周年興行・夏秋公演 いのうえ歌舞伎『バサラオ』も観たいし、紀伊國屋ホール開場60周年記念公演 KOKAMI@network vol.20「朝日のような夕日をつれて2024」もやっぱり観たいです。ロロ新作公演 劇と短歌『飽きてから』もどんな作品になるのか、興味津々です。