岩井秀人 作・演出 ハイバイ20周年『て』出演者・公演概要決定!

2024.08.03

劇団代表作と呼び声高い『て』が劇団20周年の節目に上演決定!

作家・岩井秀人の実の家族をモデルにしたこの作品は、祖母の認知症をきっかけに再集合した家族が、過去の関係を清算しきれず、お互いの分かり合えなさに沈んでいく様を描いた、厚みある悲喜劇である。次男と母、二つの目線で同じ時間を繰り返す構造が、「家族」という切っても切れないはずの関係を力づくでねじ切り、その傷跡を我々に見せつける。ハイバイ流の「笑うしかない」切実さと悲惨さのバランスは、この作品で形成された。2008年の初演以来、再演を重ねるたびに当日券を求める観客が劇場前に列をなしてきた本作を、「完全版」としてキャストを一新。ハイバイ初の本多劇場公演に加え、富山オーバード・ホール、高知県立県民文化ホール、兵庫県立芸術文化センターでの全国ツアーも決定し、20周年を祝する!

【あらすじ】
山田家の4人兄妹は、かつて自分たちに手を上げていた横暴な父の元を離れ暮らしていたが、母方の祖母の認知症をきっかけに、実家に再集合した。
父の過去の暴力について騒ぐ次男。それについて一向に触れようとしない長男。
「あれから時間も経ってるから、家族をやりなおそう」と希望を見せる長女。
そして兄妹たちが祖母の家に集まる。
酒に酔った父の発言を元に、山田家に再び、暗く熱を持った活気が蘇ってくる。

【岩井秀人 プロフィール】
岩井秀人(いわい ひでと)
2003 年ハイバイを結成。
15歳から20歳まで引きこもりであった自身の体験をもとにし台本を書き、作家活動をスタート。
以降、引きこもり、個人の自意識の渦、家族、集団と個人、などをテーマに演劇を中心に作品作りを続ける。
2012年ドラマ「生むと生まれるそれからのこと」で第30回向田邦子賞。
2013年「ある女」で第57回岸田國士戯曲賞を受賞。
代表作「ヒッキー・カンクーントルネード」「ヒッキー・ソトニデテミターノ」
「て」「夫婦」「ある女」「おとこたち」「世界は一人」「ワレワレのモロモロ」など。