阿久根温世×八神遼介インタビュー ICExの2人がドタバタ喜劇の舞台『ソーセージ』に挑む!

【左】八神遼介 【右】阿久根温世

舞台『ソーセージ』が10月10日〜27日、銀座・博品館劇場にて上演される。本作は鈴木勝秀による上演台本・演出で、シェイクスピアの作品の中で最も短い戯曲『間違いの喜劇』を⼤嶋吾郎のオリジナル音楽に彩られた現代的ドタバタ喜劇として蘇らせる企画公演で、離れ離れになってしまった双子の兄弟と、その2人に仕える双子の召使いが巻き起こす騒動を描く。生き別れた家族を探す“弟アンティフォラス”には今回が舞台出演2回目となる阿久根温世、弟アンティフォラスと行動を共にしながら自分の兄を探している使⽤⼈の“弟ドローミオ”には舞台初出演となる八神遼介。8人組ダンスボーカルユニットICExに所属する阿久根と八神に、本作に挑む思いを聞いた。


同じグループのメンバーがいることは心強い

――阿久根さんは2度目の舞台出演ですが、初舞台のときに「また舞台をやりたい」という気持ちになりましたか。

阿久根 初舞台のときは何もわからずにやっていたんですけど、毎日の稽古の中で濃密な時間を過ごすことが出来ました。カンパニーの皆さんと作り上げていけることがすごく楽しくて、終わった後も達成感がすごくあって、それが舞台の良さでもあるんだなと思いました。なので、また舞台をやってみたいな、と思っていました。

――では、この舞台のお話しが来たときはどんなお気持ちでしたか。

阿久根 もちろん嬉しかったんですけど、それ以上に不安がすごくありました。前回は初めてだったので何もわからず、周りのみなさんに支えていただいたところがありました。今回はいろんな経験も少しずつ踏んできた中での舞台のオファーだったので、すごく緊張するし、しかも主演ということで本当に引っ張っていけるのかという不安もあったし、観てくださる方にいいものを届けなきゃいけないな、という思いもありました。

――八神さんは初舞台ということで、今回のお話しを聞いたときの率直なお気持ちはいかがでしたか。

八神 僕はお芝居の経験が浅いということもあって、すごいプレッシャーというか、不安な気持ちをまず感じました。嬉しいという気持ちもあったんですけど、自分に務まるのかなとか、実際に稽古が始まったらどんな感じになるのかなとか、そういう不安もあって……って、なんかネガティブなことしか言ってないですね(笑)。でも、温世くんと一緒にやれるのは嬉しいです。同じグループのメンバーなので心の支えにもなってくれると思いますし、でもそれに甘えてばかりでは駄目なので、ちゃんと頑張るところは頑張りたいなと思います。

――阿久根さんは八神さんとの共演についてはどう思っていますか。

阿久根 やはり舞台となると、2人とも役者としてしっかりやっていかなくちゃならないので、そこの助け合いはできるんじゃないかなと思っていますし、心強いです。メンバーだからこそお互い言えるところももちろんあると思うので助け合いながらやっていけたらなと思っています。


演じる役として見てもらえることが楽しみ

――八神さんから舞台出演経験のある阿久根さんに聞いておきたいことや、アドバイスしてもらいたいことなどありますか。

八神 そうですね、お芝居の台本でセリフをたくさん覚えるという経験がないので、本当に基礎から、例えばどうやって台本を覚えるのかとか、どうやって役作りしているのかとか、そういうことを聞いてみたいですね。

――阿久根さんは台本を覚えるときにどのようにされているのでしょうか。

阿久根 まず、何回も読んで、頭で覚えたら一回書くんです。相手のセリフも覚えるようにしています。相手のセリフを頭で流して、自分のセリフは紙に書いて、という感じで、僕はそういう覚え方をしています。あとは誰かに相手のセリフを読んでもらいながら練習をしたりもします。

――演じる役について、それぞれどんなキャラなのか教えてください。

阿久根 僕が演じる弟アンティフォラスは、とてもしっかりしています。僕自身は基本おふざけキャラなので、僕とは全然違うなと思っています(笑)。

八神 でも温世くんは「やるときはやる」って感じで、しっかり分けているタイプですよね。締めるところは締める、みたいな。僕が演じる弟ドローミオは、逆に結構自分に似ているかな、と思っています。楽観視しているところとか、温世くんの役とは主従関係があるんですけど、小さい頃からずっと一緒にいて付き合いが長いので、若干相手をなめてるところがあるというか……あ、なめてるっていうのは役の上でだけですよ、温世くんのことをなめてるってことではなくて(笑)。

阿久根 (笑)。

八神 同じグループの先輩後輩という関係で、ちょっと甘えてしまっているところもあるし、そういう意味で役としての2人の関係と割と似ている感じがするので、役作りする上で入りやすいんじゃないかなと思っています。

――舞台を楽しみにされているお客様へのメッセージをお願いします。

阿久根 この作品は、小道具を使ったりとか、歌ったりとか、いろんな演出があって楽しめる場面がたくさんある舞台だと思っています。物語もとても楽しくて、きっと何回も見たくなるような舞台になるので、しっかり稽古を積んで最高の作品を届けたいです。

八神 温世くんが言ったように、演出もすごく新鮮で、見に来てくれているお客さんが楽しめるようなものになっていますし、僕自身がお芝居をあまり経験したことがない中での舞台出演なので、すごい挑戦というところもあります。ICExでの僕たちを知っている方にも、普段の僕たちではなくて、演じている役の人物として見てもらえることがすごく楽しみなので、皆さんにもぜひ公演を楽しみにしていて欲しいです。

 

取材・文:久田絢子