公演迫る★『平成中村座小倉城公演』お練り in 小倉 完全レポート

九州初登場『平成中村座』出演者らによる お練りで小倉の町は大にぎわい!!

11月1日より小倉にて九州初上陸の公演を迎える『平成中村座小倉城公演』。その公演を目前にした10月27日、快晴の中、小倉の魚町商店街から京町こまち通りまでを出演たちがお練りで登場。中村勘九郎、中村七之助、中村獅童、片岡亀蔵、坂東彌十郎によるお練りとセレモニーが開催され、小倉の町は約二万人もの人であふれかえった。

お練りスタート地点・ヒカリテラス前にて。代表して挨拶を行う中村勘九郎

<お練り>

お練りのスタート地点は小倉魚町商店街にあるヒカリテラス前。そこに、今回の公演の出演者である中村勘九郎、中村七之助、中村獅童、片岡亀蔵、坂東彌十郎が登場すると見物客からは歓声が。ビッシリと人で埋め尽くされた商店街の様子を目の当たりにした中村勘九郎は、「今からこの中を進むと思うと恐怖でしかございませんが(笑)、皆様のパワーを頂いて、平成中村座の九州初上陸を成功させたいと」壇上から代表で挨拶。その後、いよいよ人力車に乗った出演者たちのお練りがスタート!お練りの御一行は、見物客たちの歓声に笑顔で手を振り返し、最終地点となるセレモニー開催場所の井筒屋前 船場広場ステージまでの全長約800mもの距離を進んだ。

 

お練りが最終地点へと進む一方で、お練り後のセレモニーが開催される井筒屋前 船場広場ステージ前にも早くから大勢の見物客が、スマホやカメラを片手に、外だけでなくビルの中までも役者たちの登場を待ち構えていた。

その光景は福岡ソフトバンクホークスの優勝パレードなどにも似た賑わいをみせていた。

 

<セレモニー>

お練りを終えた出演者たちに加え、セレモニーには、中村橋之助、中村虎之介、中村歌女之丞、中村鶴松らも参加。各出演者たちが一言ずつ挨拶を行うなか、思いも寄らぬトークが繰り広げられる場面も!仲の良さを見せ付けられたセレモニーの様子をお届け!!

 

中村勘九郎

「こんにちは!中村勘九郎です!!皆さまのお力添えの元、最高のお練りが出来ました!有難うございます!!!父が生み出し、愛した『平成中村座』が、(力を込めて)九州・・・初上陸ばーい(笑)!父の夢・私たちもですが、歌舞伎をまだご覧になったことがない・中村座をまだ体感したことがない皆さんに、少しでも多くの方に観て頂きたいいう願いでこの九州にやって来れたこと、本当に私たちは嬉しく思っております。この恩返しは舞台上でしか出来ません。1日から26日まで一生懸命勤めさせて頂きます。ぜひ、足を運んでください!よろしくお願いします。そして・・・私ごとですが、一年間、NHK大河ドラマ「いだてん」を一年間勤めさせて頂きました。私が演じた金栗四三さんは熊本・九州出身でございます。そんな九州に歌舞伎で!中村座で!(中村獅童演じた金栗四三の)兄ちゃんと来れたこと大変嬉しく思います(笑)。一生懸命やりますので、よろしくお願いします!」

 

中村獅童

「皆さまお集まり頂きまして有難うございます。そうなんですよねぇ。勘九郎さんとは「いだてん」以来の、歌舞伎では久々の共演なので楽しみなんですけども。毎週日曜日、大河ドラマ「いだてん」はまだ放送中ですので、皆さん「いだてん」もご覧ください!そして『平成中村座』は(笑)、完売の日も、当日券や突然キャンセルなんかも出てたりするでしょうから、ホームページなどこまめにチェックして頂いて!劇場で待ってまーす!・・・ん?元気ないなぁ!(大声で)劇場で待ってまーす!」

場内からの「は~い!」という掛け声と拍手に、「 ありがとぅ~!」と手を掲げ大きな声を場内に響き渡らせた。

中村獅童による大河ドラマ「いだてん」話から、思わず隣りで主人公・金栗四三らしい駆け足のポーズをとってみせる中村勘九郎

 

坂東彌十郎

「坂東彌十郎でございます。(獅童さんのテンションの後は)すみません・・・ちょっと次やりにくいかもしれません(笑)。『平成中村座』の立上げからほとんどの公演に出させて頂いております。亡くなられた勘三郎さんの夢であった『中村座』にずっと関わらせて頂いて、そして受け継がれた勘九郎さん七之助さん、可愛がられていた獅童さん、亀蔵さん、そして後ろにいらっしゃる皆さんと中村座で九州に来られた・・・こんなに嬉しいことはございません。一番年上になってしまいましたが、命の限り今限り!勤めさせて頂きます」

 

片岡亀蔵

「中村座が、ついに!嫁の出身地福岡へやって参りました!博多はひと月いたことございますが、小倉は人生で初めてなので、皆さま・・・美味しいお店を教えてください!よろしくお願いします」

 

中村七之助

「皆さま本日は、お足の・・・お足元・・・の悪い中・・・え?違う!違う!“悪く”無いわ!ごめんなさい(笑)。『お足をお運びいただきまして』って言おうと思ったの!すみません(笑)。いや、実はちょっと体調を崩してましてね(笑)。初日までにはなんとか復活したいと思いますが(笑)。九州初上陸、嬉しく思います。父(勘三郎)が九州大好きだったんです。中村座も大好きだったので、父も中村座で九州に来たかっただろうなと思ってます。父の魂を受け継ぎまして、私も一生懸命やらさせて頂きたいと思います。是非、足をお運びください。よろしくお願いします」

・・・と、思わぬ言い間違えで場内の爆笑をさらった七之助だったが、このあとに続く後輩が思わぬフォローで更なる爆笑をさらっていくことに。

弟・中村七之助の言い間違えに、すかさず立ち上がり好天の空を指差して笑いを煽る、兄・中村勘九郎

 

中村橋之助

「僕は小倉が初お目見えでございまして、昼の部では『神霊矢口渡』の(新田)義峯を、夜の部『小笠原騒動』では(飛脚)小平次を勤めさせて頂きます。憧れの役でありますので、一座の戦力となれるよう、一生懸命に勤めたいと思います。よろしくお願いします」

 

中村虎之介

「えぇ・・・本日は、“お足元の悪い中”(笑)お越しいただき有難うございます。まあね、これだけウケ(場内爆笑)が取れれば僕の仕事はこれで終わりなんですけど(笑)。九州で中村座で、初めてこのメンバーに入れて頂いてありがたく思っています。千穐楽まで頑張りますので、皆さま宜しくお願い申し上げます」

中村虎之介のお茶目な先輩いじりで、出演者も大爆笑。その予想外の挨拶に七之助は思わず虎之介の首に腕を回しにいくというやり取りが起こり、場内にはさらなる爆笑が起き、セレモニーはさらに和やかムードへと・・・

 

中村歌女之丞

「平成中村座に、小倉城公演にも参加させて頂けること、嬉しく存じております。昼の部では、『封印切』で井筒屋おえんを、夜の部では『小笠原騒動』で勘九郎さんのお母さん役を勤めさせて頂きます。一生懸命勤めさせて頂きますので、どうぞ宜しくお願い申し上げます」

 

中村鶴松

「『平成中村座』は18年前、僕が6歳の時から参加させて頂いて、大阪・名古屋などいろんなところに連れて行ってもらって、今回の小倉公演にも参加させて頂けることは、この上ない喜びだと感じております。千穐楽まで精一杯勤めますので、お足をお運びください。お待ちしております」

 

こうして、終始和やかな雰囲気で進んだセレモニーも最後はお練り・セレモニーの結びとして、出演者ら全員で小倉で伝統的な“小倉ゑびす締め”(商売繁盛を祈願したもの)で、「商売繁盛!よいよいヤー!」と出演者・場内大きな声でセレモニーを締め括った。

『平成中村座小倉城公演』開催期間中は、観劇が出来ない人も楽しめるようにと、会場周辺には誰もが入場して楽しめる、“二十軒長屋”という平成中村座史上最大規模数のテナントが出店!江戸時代の情緒を感じられる商店街に来ているようなエンターテインメント空間が劇場に花を添える。テナントには平成中村座お馴染みのお店から、九州ご当地ならではのお店が多数出店し、特設劇場と合わせてお祭りのような雰囲気を味わえるので、ぜひ足を運んでみては?

ローソンチケットでは全日程分のチケットが完売。当日券等の詳細は博多座ホームページをご確認ください。