★公演迫る★福岡発!万能グローブ ガラパゴスダイナモス『ナイス・コントロール』に注目!!

今年15周年を迎える福岡演劇界 注目の劇団で、脚本・演出を務める川口大樹を直撃!

 

今年、旗揚げから15周年を記念したプロジェクトの第2弾として、劇団初のプロデュース公演を行う、福岡を拠点に活躍を続ける劇団、万能グローブ ガラパゴスダイナモス。その記念すべき公演に選ばれたのは、2013年に上演された作品で人気も高かった、『ナイス・コントロール』。ローチケ演劇部では、その旗揚げ当初から脚本・演出を務めている川口大樹に、今作について話を聞いた。

 

― ガラパ作品でも人気が高いという『ナイス・コントロール』。再演に期待は高まるが、前回の上演時からの変更点は?

「特に何か追加したり設定を変更した役は無いですが、実は前回の上演時の方が年齢的なことで設定に無理はあったんですよねぇ。“美”に執着する中年の女性教祖・・・という役柄を演じていた団員の横山祐香里は、当時まだ20代でしたから役柄ほど美肌がどうとかっていう年齢ではなかったでしょうし、今は30代になったので“まさに!”って感じでリアリティが増したかなと。あとは、野球選手役なんかもあるんですが、前回はポチャっとしていた団員が演じていて、野球選手にしては無理があるな~(笑)という感じでしたが、今回は三岳君(10神Actor)に演じてもらいますので、彼は体もがっちりしています。あと、今回は全体的に役に寄った役者をチョイスしてきたので、前回を観られたことがある方は、切り口は変わってないけど役者のテイストがガラッと変わっているように感じるかもしれないですね。

 

― 初のプロデュース公演。なぜ今、プロデュースを?

「まず第一に、劇団は来年が15周年なんですが、劇団全体を盛り上げようと思って今年から行う、“15周年記念プロジェクト”の一環として…ということ。あとは、お客さんの層をもっと広げたいのもあるんです。福岡で演劇を観るお客さんが増えて欲しいと思っていまして。演劇好きな人は、結構僕らの劇団を認知してくださっていますが、福岡で演劇自体がまだまだ・・・って感じなんですよね。だからいろんな層に認知されていないなと。だから、元LinQの原さんやワタナベエンターテインメント所属の土居君、10神ACTORで活躍中の三岳君なんかは、地元では活躍してグイグイ来ていると思うから、そことのマッチングで演劇を観にいかないような人たちの、劇場へ足を運ぶ“きっかけ”になってくれればいいなと」

 

― 今回出演する劇団外のメンバーの人選は?オーディション?

「全員、何かしら仕事をしたことがあって、そこでみんなすごく良かったんですよね。基本的には役者としてもガラパの芝居に合うなと思ったメンバーしか選んでないです」

 

― ガラパメンバー以外のゲストを演出する時は、演出の仕方が変わったりするもの?

「あんまり変わらないです。ガラパのこの作り方やリズム・テンポに溶け込んでもらおうとしてますから、ガラパ的なことを意識してやっているって感じです。別のことをやるというよりは、息があってくれば自然とその空気が出来てくるだろうと思っているので」

 

― 今回の公演は福岡のみ上演で東京や大阪などツアーではないのは残念だが…

「メンバーも福岡色満載で、地元で作っているぞ!という感じを強調したかったんです。東京から客演を呼ぶとかではなく、地元で活躍している人たちが集まって、これだけのことが出来るんだぞ!と。福岡の人たちだけで、こんなにおもしろいものを作れるんだ!というところを見て欲しいなと、福岡で育って来た僕や(主宰で役者の)椎木もそう思っているんです。だから、『ナイス・コントロール』をもう一度観たい人は、福岡まで来てください!(笑)」

― ガラパの公演では、おそらく他のどの劇団でもやっていないことがある。それが、『生コメンタリー付』というアフターイベント付の公演だが、この内容、実はパンフレット等どこにも説明書きがない。果たしてどういった内容なのか?

「映画のコメンタリー(シーンを見ながら話・解説をする)のような、公演後のオマケ的イベントです。演劇なので、映像ではなく“生”で、上演した場面の一部を抜粋して役者にもう一度そのシーンを演じてもらうんです。20分くらいかな?それを僕が解説したり話をするんですが、最近ではイタズラをしかけたりしています。コメンタリーなので、実際に演じている役者は、僕の声が聞こえてはいるけど聞こえていないように演技を再現して続けなければならないので、飲み物を飲まないといけない場面で僕がわざと飲み物を隠したりとか、芝居の段取りを壊してみたり(笑)。だから、昔からのガラパのファンはコメンタリーを狙って来ているようですね。芝居の余韻はぶち壊されますけどね(笑)。実はこの企画、僕らの劇団しかやっていないんですよ。僕らが開発したんです。このオマケも含めてガラパ作品を観て、演劇は真面目なものとか敷居が高いもの・・・という印象を抱かれている人にも『ふざけてもいいんだ』と思ってもらえたらいいかもしれないなと」

 

― 『ナイス・コントロール』を15周年プロジェクトでの再演作品に選んだ理由は?

「当時、自分たち的に手ごたえがあった作品で、評判もよかったんです。最近の作品は、抽象的だったりとか、完全なワンシチュエーションもの以外に変えていたんです。だから、今回はしっかりワンシチュエーションものを久しぶりにやりたいなと。それで過去作品を振り返って、もう1回やってみたいなと思ったのが本作でした。あと、この作品って結構人気があるんです。全国の高校や大学の演劇部からこの作品をやらせて欲しいと言ってくることが多いんです。だから、そんなデータも客観的に見ておもしろいなと思ったのが再演に選んだ理由でしょうか」

 

― 今、2013年に上演した『ナイス・コントロール』を振り返ってみてどう思ったか?

「自分の台本の粗さをすごく感じました(笑)。うわっ下手やな~とか。そういう意味でも再演することにしてよかったですよね。だから、いくつかは調整しようと思う箇所はあります。でも今は、あの当時の強引さでは書けないな~と思うところもあるんですよね。そこがいいところでもあるんですよね。当時の自分と今の自分をミックスして何かやれたらいいなと思っています。失ったものもあるけど得たものもあるなと、今回この作品をやることで感じました。役者たちもそれは感じるところじゃないかと思いますね。椎木や横山ら当時出たメンバーなんかも、長いこと芝居を続けてきて、彼らなりに何か感じるところはあるんじゃないかと。自分では気付かないことを振り返って気付くことって多いですよね。そうじゃないとね、全然成長してないなー!!ってなりますからね(笑)」

 

― 福岡の演劇界でも15周年といえばかなりのキャリアを積んでいるが、今の福岡の演劇界はどんな感じだろうか?

「最近、大学演劇が活発になってきて、その世代が今は元気ですね。でも、あまり大きい劇場でやらないんですねぇ。小さな劇場でやっていて、派手な芝居というより実験的。エンターテインメント的というよりはアート的・・・演劇的というのかな?僕らのようなコメディを主軸にしている劇団って10年くらい出てきてないですねぇ」

 

― そんな流れの中、ガラパはこれからもコメディを?

「そうですね。最近はドラマ性を持たせるようにしていますが、ベースはコメディ。僕はこれからもコメディを続けたいですね。コメディがいいな~と。単純に好きだからっていうのもありますが、最近は嫌なニュースなんかも多いじゃないですか。生でやってるからこそ笑いは共有できますから、一人で笑うよりみんなで笑うのって劇場の醍醐味でいいものですしね。だから“笑い”にはこだわって書き続けていきたいなと思っています」

 

― 劇団として長く続けてこられた要因は?

「ガラパが15年続いているのは、やっぱりまだ何も達成できていないぞ!という思いが、僕にも椎木にもあるからでしょうね。まだ全然満足出来ていないというか、こんなものじゃない!俺らも福岡も!・・・という思いがあるからでしょうか。満足したらやる理由もなくなりますし、福岡演劇という中で見れば頑張ってるぞと思われるかもしれませんが、それだけじゃ嫌だなと。それで続けられているんだと思います。負けず嫌いなんですよ、僕も椎木も(笑)。理由はどうあれ、続けているっていうことは自分たちで褒めてあげてもいいかなと思いますね。当時からやっている同期や、先に旗揚げしていたような劇団ってほとんどなくなったりしてますし。なんだかんだで、長く続けていることに意味も価値もあるんだなと、最近思うようになれました。地元に根付いてでも、派手ではなくても、15年20年続けていることはスゴイなと思えるようになりました」

 

― 最後に、初めて芝居を観に行ってみようかなと思っている人に向けて一言!

「デートなんかで観に来て欲しいですね。友達誘って観に行くというものに適した劇団だと思いますし、そんな作品だと思っています。最近何かおもしろいものないかな~という時に是非!それで、“演劇”という穴場を発見して欲しいですね」

 

今や福岡演劇界を背負って立つ存在となった劇団万能グローブ ガラパゴスダイナモス。彼らが放つ“演劇愛”をぜひ生で感じ取って欲しい。チケットは好評発売中です!

 

★★★万能グローブガラパゴスダイナモスって?★★★

2005年に福岡で結成された劇団。ドリフのようなドタバタ劇に、緻密な伏線を張り巡らせるコメディで人気を博す。結成14年目となる今年、劇団初のプロデュース公演を敢行。福岡のエンタメ界を担っていくであろう、俳優やタレント、芸人といった多ジャンルの出演者がガラパと強力タッグ。誰も見たことのない化学反応で、この夏ガラパプロデュースが福岡を騒がす!