6月12日(水)~6月26日(水)まで「坂東玉三郎特別公演」が京都・南座にて上演される。
劇中で琴、三味線、胡弓の三曲を弾き分けるとともに、繊細な心理描写も求められることから、女方屈指の大役として知られる『壇浦兜軍記 阿古屋』。玉三郎による南座での『阿古屋』上演は、2019年以来、5年振りとなる。さらに、『阿古屋』上演前には、玉三郎による『口上』に加え、『阿古屋』解説の一幕があり、より多くの皆さまに作品の世界をお楽しみいただけるよう、趣向を凝らしている。
公演に先立ち、坂東玉三郎の取材会が実施された。
――ご挨拶(今回の公演について)
歌舞伎をよくご覧になっていらっしゃる方は、『阿古屋』の琴責の段だけでもよくお分かりになるかと思うのですが、今回は改めて皆さんにこの演目をご理解いただければということで『解説』をつけさせていただきました。景清と平家、そして源平の関係や、どうして傾城がこういう形で出てくるのか、どうして人形振りなのかなど、改めてお分かりいただけることもあると思いますので『解説』をつけさせていただきましての公演になりました。
――初めて『阿古屋』を見る方に向けて演目の見どころ
『阿古屋』はとても動きの少ないお芝居なのですが、内容は奥が深く、幾重にも重なっています。五条坂で見染めあった景清、その景清がお尋ね者になり、詮議を受けるという物語ですが、その中で傾城に三曲を弾かせて、音色の中で(物事を)判断をしていくという趣向が『阿古屋』を人気狂言にしたのだと思います。
また文楽では、阿古屋が一人で出てくるんですが、歌舞伎では捕り手が6人も出てくるというのも歌舞伎らしい華やかな演出だと思います。
チケットは、5月9日(木)10:00より一般発売