ミュージカル『憂国のモリアーティ』大英帝国の醜聞 Reprise│彩凪翔&能條愛未 インタビュー

写真左から)彩凪翔、能條愛未

あの人気エピソードが“再構成”で甦る!

2020年7月に上演されたOp.2「大英帝国の醜聞」編が、W主演の鈴木勝吾と平野良、そして新キャストを迎え“再構成”される。アイリーン・アドラー役を彩凪翔、ミス・ハドソン役を能條愛未が務める。

彩凪 階級社会という揺るぎのないものを自分一人の力で変えようなんて、強い意志とエネルギーがないとできない。アイリーンはその信念を持った女性です。弱者のために不可能と思われることを成し遂げようとする姿がカッコいいなと思いました。

能條 ハドソンさんはキュートで明るい大家さん。世話のかかるシャーロックを叱っている場面が印象的だと思うんですけど、その根っこには家族のような関係性がある。シャーロックのことを誰よりも心配して気にかけている愛情深いところが彼女の魅力です。

二人の見せ場となるのが、アイリーンとミス・ハドソンが初めて顔を合わせる場面だ。

彩凪 女性独特のバチバチ感がお客さんからは愛らしく見える、とても印象深い場面ですよね。あの一曲だけで二人の性格の違いがよくわかる。難しい楽曲ではありますが、この作品におけるいいスパイスになれば。

能條 率直に『このシーン楽しい!』って思いました(笑)。アイリーンがシャーロックにベタベタしているのを見て嫌だなと思うハドソンさんの気持ちは共感できるので、思い切りコミカルに演じたいです。

彩凪 純粋でまっすぐなハドソンさんに対して、アイリーンはどこか憧れのような気持ちがある気がしました。だから、つい可愛がってあげたくなっちゃうんでしょうね(笑)。

能條 ハドソンさんから見ると、アイリーンは美しくてお色気ムンムン。自分より一枚も二枚も上手の彼女を必死に負かそうと奮闘している姿は、確かに可愛らしいなと思います。

シャーロックを演じる平野との掛け合いにも注目したい。

彩凪 平野さんのシャーロックは謎オタク感がとてもリアル。ウィリアムについて話し出すと止まらないあの感じを、あの勢いで演じられる技術は素晴らしいなと思います。

能條 わかります。あのブワーッと突き進んだときの平野さんのお芝居には、誰も入り込めない、場を支配する力がありますよね。さすがだなと圧倒されました。

犯罪によって世界を変えようとするモリアーティ一味。決して純粋な正義ではない彼らに、なぜ我々は心を奪われるのだろうか。

彩凪 私たちが生きる社会にも絶対に動かせないものがあって。それを変えるために行動を起こせる人はごく一部。自分たちができないことを実行してくれるから、つい共感してしまうんじゃないでしょうか。

能條 ダークヒーローとはいえ、ウィリアムたちは社会的弱者に寄り添ってくれる存在。日本にもネズミ小僧のお話があるように、やっぱりそういう人たちはどの国でもどの時代でも支持されるんだと思います。

天才同士の頭脳戦が見どころの本作。鍵を握るのが、ある人の“クセだ。二人にも、意外な“クセ”はあるだろうか。

彩凪 私、しゃべるときについ鼻を触ってしまうんです。特に何か考えながら話しているときに多い
みたいなんですけど、最近人から指摘されて気づきました。

能條 私は褒められると、髪をこうするクセがあって(と、髪先をかき上げる)。たぶん褒められるとどうしたらいいかわからなくて、照れ隠しでやってるんだと思います(笑)。

インタビュー&文/横川良明
Photo/篠塚ようこ

【プチ質問】Q:手土産を選ぶポイントは?
A:
彩凪 選ぶ時間があるときは「みんなへ」ではなくて「これは○○さんへ」と全部違うものを買うようにしています。たとえば車の運転が好きな人には交通安全のお守りを渡したり。

能條 差し入れや手土産って、その人のセンスがけっこう問われますし、重要なものだと私は思っています。手土産一つで、「この人はこういう感じなのか」というイメージがついちゃうようなものなのかなと。だから、今までいろいろな現場でいただいてテンションが上がった手土産は必ず写真を撮って覚えておくようにしています。そのストックの中から選んで買ってきて、「これが私のセンスだよ」って渡します(笑)。

※構成/月刊ローチケ編集部 4月15日号より転載
※写真は誌面と異なります

掲載誌面:月刊ローチケは毎月15日発行(無料)
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【プロフィール】

彩凪翔
■アヤナギ ショウ
元宝塚歌劇団雪組の男役スター。2021年に退団。以降、数々の舞台や映画で活躍。

能條愛未
■ノウジョウ アミ
乃木坂46の1期生として活躍。2018年に卒業。以降、多数の舞台に出演。