ネルケ×悪童会議プロジェクト「絢爛とか爛漫とか」|滝澤諒&池岡亮介 インタビュー

新たな演劇プロジェクト『ネル童会議』が始動!

2025年、新たな演劇プロジェクト『ネル童会議』が誕生した。2.5次元を主軸に多くの舞台を手掛けるネルケプランニングと、演出家・茅野イサムが主宰する「悪童会議」がタッグを組み、次世代を担う才能を育てていく。
第一弾の戯曲は、飯島早苗の名作「絢爛とか爛漫とか」。オーディションでキャスティングされた若手俳優たちが、2チームによるWキャストで挑む。古賀大介役に選ばれたのは、滝澤諒と池岡亮介。

池岡 僕が初めて立った舞台の演出が茅野さん。当時は体育会系の厳しさでしごかれましたが(笑)、お芝居の基礎を叩き込んでいただきました。15年振りになりますけど、僕が出ていた去年の舞台を茅野さんが観てくださったことが今回のオーディションに繋がったと知り、こんなに嬉しいことはないと震えましたね。

滝澤 僕は茅野さんのワークショップに参加させていただいていました。セリフひと言に対しても“どういう気持ちで言ったのか?”と問われる緊張感のある空間で、役者として役に入り込む前に必要なものを丁寧に教えていただきました。すごく実りのある時間でした。

池岡 オーディションでは茅野さんと一対一の読み合わせもあって。その時から稽古が始まっていて、痺れました。古賀役をいただいたことは喜びもありましたが、一番ペーペーの頃を知られているので、“この15年間、何をやっていたんだ”と言われかねない恐ろしさもあります。でも初舞台はアンサンブルでセリフもなかったことを振り返ると、これだけのセリフ量をいただけるのはありがたいこと。稽古がとても楽しみです。

滝澤 いつか茅野さんの演出する舞台に出て、役者としてスキルアップできたらと思っていた矢先のお話だったので、“どの役でもいいのでやらせてください!”という気持ちだったのですが、膨大なセリフのある古賀役とは……と(笑)。繊細な人物でもあるので、自分がどこまでやれるのだろうかと思いつつ。ただ、作品は自分ひとりで作るものではないですし、それは役も同じだと思っているので。周りの方々を信じて稽古に臨もうと思います。

1993年の初演から、多くの名優たちが演じてきた「絢爛とか爛漫とか」は、昭和初期が舞台。まだ何者でもない若き文士たち4人が夢を語らい、ぶつかり合う青き春の物語だ。初演と同じ新宿シアタートップスで幕を開ける。

池岡 同劇場には何度か立たせていただいているのですが、舞台上と客席の境界線が分からなくなる瞬間があるんですよ。あの箱全体で、ひとつの作品を作り上げているっていう空気感がある。そこが僕は堪らなく好きです。それに目線の先にお客様がいらっしゃるので、どこを見てもお客様の存在があって、感覚がビビットになるのも良いですね。たまに外の音は聞こえてきますけど。宣伝車のリズムとか。

滝澤 求人している音が(笑)。

池岡 焼肉屋さんの匂いも上がってきたりして、聴覚、視覚、嗅覚、全て堪能できてしまう(笑)。すごく“生”の感じがあるので、その辺りも含めて僕らが足掻き、悩む姿を楽しみに観に来ていただければと思います!

滝澤 僕は小劇場での経験が少ないので、まずは自分のやるべきことに没頭していけたら。俯瞰し過ぎると上手く作品の手助けにならないタイプなので、突き進んでいきたいです。Wキャストで演じられるのは貴重で贅沢な機会。両チームご覧になられるお客様の感想を、ぜひお聞きしたいです。

インタビュー&文/片桐ユウ
Photo/篠塚ようこ
ヘアメイク/齊藤沙織

※構成/月刊ローチケ編集部 8月15日号より転載
※写真は誌面と異なります

掲載誌面:月刊ローチケは毎月15日発行(無料)
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【プロフィール】

滝澤諒
■タキザワ リョウ
舞台を中心に活躍。映像作品でも2024年に「仮面ライダーガヴ」ニエルブ・ストマック役で出演し、注目を集めた。

池岡亮介
■イケオカ リョウスケ
俳優集団D-BOYSのメンバー。近作は舞台『白衛軍 TheWhite Guard』、タカハ劇団『帰還の虹』など。