舞台「鬼滅の刃」其ノ参 無限夢列車、今秋発車―――
舞台「鬼滅の刃」シリーズ3作目では、ついに《無限列車》の闘いが描かれる。劇場版アニメも幅広い世代から支持された人気エピソードだ。シリーズ1作目から主人公・竈門炭治郎役を務めている小林亮太と、前作から煉獄杏寿郎を演じている矢崎 広に本作への意気込みを聞いた。
小林「日本全国、世界にまで広がっている人気作なので重圧はありますが、僕たちはこれまで舞台でやってきたものを信じて創っていけたらと思います。炭治郎の家族についてたくさん描かれるエピソードでもあるので、大事にしていきたいです。“鬼狩り”としての道を選んだ炭治郎が、今を必死に生きることの理由にもなる重要な場面だと思っています。そして何より、矢崎さんの演じる煉獄杏寿郎が楽しみ!」
矢崎「出演者ながら僕も皆様と同じくらい、もしかしたらそれ以上に“どうなっちゃうんだろう!?”というわくわく感でいっぱいです(笑)。人気の高さや未知の世界に臆せず、『鬼滅の刃』という作品をしっかりお届けしようという想いなので、皆様の期待に応える作品になるのではないかなと。名場面が多いので挙げたらキリが無いのですが、色々成し遂げた後に煉獄杏寿郎はどういう表情をしているのだろう、というところは演じる自分でも楽しみです。尊敬する人物として僕がまっさきに思い浮かべるのは自分の父親なので、この舞台でそんな存在になれたらいいな、ということも目標のひとつ。煉獄さんが出てくるだけで安心してもらえるような、絶対的な“柱”になれたら」
舞台シリーズの1作目は2020年1月、翌年8月には2作目を上演。容赦のない展開と息を呑む剣戟、それらを包み込む主人公の優しさなど、原作の持つ独特な魅力をステージに描き出して好評を博した。脚本・演出は末満健一。小林と矢崎は「とても信頼出来る方」だと口を揃える。
矢崎「命を張って作品を突き詰めていらっしゃる方です。大きな話にしてしまうと、“演劇”と“2.5次元”をつないでくれる人は末満さんなのだと確信を持てた出会いでした。演劇も2.5次元作品も多種多様ですが、それらのジャンルの境目を取り払ってくださる方だと思います」
小林「血の通ったものを作ってくださる方だと思っています。2.5次元作品は歌って踊ることも多いのでリアルとは離れている印象を持たれることもあるのですが、末満さんからは“ちゃんと地に足を着けて芝居するように”という空気を感じます。初主演ということもあって、初演は周りに支えてもらいながらの必死な日々でしたが、たくさんの気付きをいただきました」
小林と矢崎は同じ事務所の所属。矢崎を「尊敬する先輩」と仰ぐ小林、小林を「イチオシの後輩」と推す矢崎。役柄に通じる関係性も窺えた。
矢崎「(小林)亮太には、ちょっと懐かしい熱さを感じていて。あの若い頃の俺らみたいな後輩を見つけたぞ、と(笑)。さらに現場の居方(立ち居振る舞いや雰囲気)が素晴らしいんです。座長という立場を何作品も経て辿り着くような域にもう居るので、すごいなと思っています」
小林「そんな、恐縮です! どう振る舞えていたのか自分では分からないのですが、前作は初舞台の子もいたので、少しでもリラックスしてお芝居できる環境を作れたらと思っていました。炭治郎にとって人とのつながりが救いになっているように、僕も人との出会いを大事にしたい、おざなりにしたくないという気持ちは強いです。舞台はひとりで作ることは出来ないですし、今回もスタッフ・キャストのみんなと楽しみながら本気でやっていきたいと思います!」
※煉獄の「煉」は「つくりが東」が正式表記となります。
インタビュー・文/片桐ユウ Photo/植田真紗美 ヘアメイク:齊藤沙織 スタイリスト:中村美保
衣装クレジット
【小林亮太】
〈シャツ・靴〉
PAZZO(パッゾ)
問:03-5371-1480
¥12,500(税込)
〈その他〉
スタイリスト私物
【矢崎広】
〈シャツ〉
AUI NITE(アウィ ナイト)
問:株式会社cheeekykids 050-1564-2462
¥24,000(税込)
〈その他〉
スタイリスト私物
※構成/月刊ローチケ編集部 7月15日号より転載
掲載誌面:月刊ローチケは毎月15日発行(無料)
ローソン・ミニストップ・HMVにて配布
【プロフィール】
コバヤシ リョウタ
■’98年生まれ。幼少期からモデルとして活動。現在は俳優として、舞台、テレビドラマを中心に活躍している。
ヤザキ ヒロシ
■’87年生まれ。ミュージカルや舞台をはじめ、映画やテレビドラマなど映像作品も幅広く出演している。