DMM TV「2.5次元的世界」オリジナルドラマ第一弾として配信された「ナナシ-第七特別死因処理課-」が舞台化。人間の人生最後のストーリーを考える死神たちの物語で、ドラマ版では、エリート死神がポンコツ死神たちが集まる第七特別死因処理課(通称”ナナシ”)に異動になり、日々葛藤しながら人間の生きる姿を見つめ成長していく姿がユーモラスに描かれたが、舞台版ではナナシの結成当初の物語が描かれる。ドラマ版から続投するナナシのメンバー、デンデン役の田中涼星とレイト役の福澤 侑に、作品の魅力や舞台版の見どころなどを聞いた。
――ドラマ「ナナシ-第七特別死因処理課-」が舞台化され、10月27日(金)にいよいよ開幕します。どのような心境ですか?
田中 オリジナル作品のドラマが舞台化になるということで、シンプルにありがたい話だなと思います。舞台へ続いて良かった~っていう気持ちですね。舞台版はエピソード0的な話なので、ドラマを見てくださっている方には、どうやってこのナナシができたのかっていうのを楽しんでいただければと思いますし、見ていない方にはこの舞台を観てドラマも振り返って見ていただけたら嬉しいです。
福澤 キャラクターもみんな個性豊かで、ドラマを撮影しているときから舞台になったら絶対に面白いものができるだろうなと思っていました。演出の松崎史也さんも脚本の亀田真二郎さんも大好きなお二人なので一緒に舞台を作れるのは素直に嬉しい気持ちです。
――ドラマ版から出演されているお二人が思う「ナナシ-第七特別死因処理課-」の物語の魅力はどんなところでしょうか?
田中 本当に登場するキャラクターが個性豊か。僕が演じるデンデンの担当死因は雷に打たれて死ぬ震死、侑が演じるレイトの担当死因は呪われて死ぬ呪死というようにナナシの死神たちの担当死因が特殊で(笑)、その死因にちょっと近い設定のキャラクターが魅力的なんですよね。ストーリーは死をテーマにしていますけど、どう死なせるかというよりは、話の中でどう生きてもらうかにシフトしていくので、人生を豊かに生きる方法というか後押ししてくれる作品になっているのかなと思います。
福澤 普通に生きていて身近にある死がポップに描かれているんですけど、自分の人生を本当にやりたいことや楽しいことをやって、どう幸せに生きていくかってことを考えて生きてほしい、というメッセージを受け取ってもらいたいというのはあります。僕自身もそういうことを思わされた作品なので。
――人生最後のストーリーで素敵な最後の瞬間を作り出すために、ナナシの死神たちは奔走しますが、お二人はどんなストーリーを歩みたいですか?
福澤 自分はエンタメが大好きなので裏方でもどんな形でも一生携わっていきたいです。
田中 「我が生涯に一片の悔いなし」じゃないですけど、全力でエンジョイして人生を終えたいっていうのはありますね。
――田中さん演じるデンデン、福澤さん演じるレイト、それぞれのキャラクターの魅力を教えてください?
田中 デンデンは…愛されキャラですかね。
福澤 涼星くん自身も愛されキャラなんで。
田中 ありがとう(照笑)。
福澤 レイトは…ツンデレじゃないですかね。心の中では熱い部分をすごく持っている人なので、ナナシのメンバーのことが本当に大好きなんですけど、素直に言えなくて嫌味を言ったりするんです。
田中 何も言わずに仲間のために行動したりする実はいいヤツ。
――福澤さんご自身は?
福澤 僕ですか?どツンデレ(笑)。
田中 好きになっちゃうやつです(笑)。
――(笑)キャストとキャラクターがリンクする部分があるんですね?
福澤 オリジナル作品ですし、みんなけっこうリンクしている気がします。
田中 そうだね。
福澤 死神・チョッキュー役の(立花)裕大くんも、役柄同様まっすぐで熱い人だし。
田中 兄貴って感じだよね。
福澤 舞台版で登場する天使のダラク監察官役の廣野凌大に関しては、もうそのまま凌大(笑)。
田中 舞台を観てもらったらわかるね(笑)。
――ナナシ所属の死神を演じるキャスト6名はドラマから続投ですが、現場ではどんな雰囲気のチームですか?
田中 雰囲気はドラマ中もずっと良くて。でもすごく込み入った話をするというよりも、各々が体現したいことをやってみて、それに対してどう動くかっていうのをたぶん全員が何も言わずともできる関係です。
福澤 全員、すぐに仲良くなりましたね。
田中 バランスが初めからからとれているなっていう印象でした。
――因みに、お二人は“ナナシ”メンバーの中では何担当ですか?
田中 今回の舞台で侑に振付をしてもらって、ひとつナナシの世界が広がったというか。
福澤 ダンスの振付とステージングをやらせてもらっています。
田中 それがやっててめっちゃ楽しいんです。舞台全体を使って、すごく面白く作ってくれているので、シンプルに尊敬です。そういう部分も含めて、侑はムードメーカーだと思いますね。
福澤 涼星くんの担当は…お母さん。
田中 アハハハハ!
福澤 (立花)裕大くんがお父さんですけど、みんな裕大くんより涼星くんの言うことを聞くみたいな感じ(笑)。
田中 ほんと?
福澤 はい。涼星くんと共演して思ったことは、圧倒的に信頼を置けるということ。一緒にお芝居をしていても何をやっていても安心だし、そういう人と仕事ができるのはすごく嬉しい。キャスト全員が信頼を置いている人だと思います。
田中 恥ずかしいですね~(照笑)。でもやっぱり嬉しいです。
――舞台「ナナシ-第七特別死因処理課-」には、死神だけでなく天使も登場しますし、ダンスや歌があったり、舞台ならではの見どころが満載ですが、お二人が注目してほしいポイントを教えてください
福澤 新キャラクター3名、天使のダラク監察官(廣野凌大)とオザキ監察官補佐(森下紫温)、死神・カンセイ執行官(糸川耀士郎)が、僕ら死神以上に濃いので、そこは魅力のひとつですね。
田中 その3人が加わっての稽古が楽しみです。舞台版は冒頭から最後までけっこうドタバタしているんですけど、コメディ要素も織り交ぜたスピード感のある会話劇の緩急を楽しんでもらいたいです。さっきまですごく笑っていたのに急にシリアスになったり、感情忙しい(笑)みたいなくらい、目まぐるしくストーリー展開されていくので、気づいたら終わっている感覚になるんじゃないかなと思います。
福澤 台本を読んで、僕も含めてナナシの全員がキーマンな気がしました。キャラクター全員の心情が変わるそれぞれの変化も見どころで、こうやって仲間っていう意識を持ったんだとか、ドラマを見てくださっていた人たちは楽しめる要素だと思います。あとは、個人的には2曲目の曲。そこは僕も楽しく振付させてもらったので、注目です! 全天使ファンに観て欲しい。
田中 そうですね(笑)。
★千穐楽公演ライブ配信決定!
11月5日(日)13:00公演/18:00公演
※アーカイブ1週間あり。詳細は舞台公式サイトをご確認ください。
インタビュー・文/井ノ口裕子
撮影/篠塚ようこ
ヘアメイク/瀬戸口清香
田中涼星スタイリング/MASAYA(PLY)