左から 森川葵・三宅弘城・宮藤官九郎
宮藤官九郎×ロミジュリの恋愛珍悲劇とは!?
宮藤官九郎が演出を手掛ける舞台『ロミオとジュリエット』が、11月20日(火)から東京・下北沢の本多劇場で上演される。ロミオ役を演じるのは、ナイロン100℃のメンバーでグループ魂のドラムも務める三宅弘城。ジュリエット役にはドラマ『ごめんね青春!』や映画『TOO YOUNG TO DIE!若くして死ぬ』など宮藤作品で強烈な印象を残す森川葵が演じる。異色のキャスティングにして、「なるべくまんまやる」とコメントを表明した宮藤の思惑とは?
宮藤「三宅さんをロミオ役で『ロミオとジュリエット』という企画をいただき、『これは戯曲をいじらず、そのまんまやったほうがいいぞ』と思ったんです。その方が、二枚目のロミオ像を壊せると(笑)。ただ、ロミオって、すごい恋愛体質な人で三宅さんもロミオ級に恋愛体質なので、正直、ロミオが言う台詞くらいのことは、三宅さんも普段考えてると思うんですよね(笑)
三宅「パンクな気構えで演劇を始めたので、『ロミオとジュリエット』についても実はよくわかっていないんです。ただ、今回は“知らない”ということが強みになると思っていているので、宮藤さんと同じく僕も、まんまやろうと思います(笑)」
ジュリエット役の森川葵は本作が舞台初出演となる。
森川「舞台に出演した経験がないので、正直、舞台に対して恐怖心がありました。でも今回、宮藤さんが演出してくださると聞いて、『宮藤さんの舞台に出たらきっと舞台を好きになれる』と思い、参加させていただきました。素晴らしい出演者の方々の中に、良い意味で違和感のある存在として舞台上にいられたらうれしいです」
本作は宮藤、三宅、森川にとって初めてづくしの舞台となるのだろう。
宮藤「考えてみたら、僕は人の戯曲を演出したことがないんですよね。ましてや外国の人が書いた戯曲は、ひっかかる箇所が多くて。そういう違和感を随所にいじり倒したのが『メタルマクベス』。
でも、今回はそれはやらずに戯曲をなるべくそのまま活かしながら、『どうしてあなたはロミオなの』という台詞が本来の意味と全然違って聞こえる、そんな演出をしたいと思っています(笑)」
インタビュー・文/大宮ガスト
Photo/山本倫子
※構成/月刊ローチケ編集部 9月15日号より転載
※写真は本誌とは異なります
掲載誌面:月刊ローチケは毎月15日発行(無料)
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【プロフィール】
宮藤官九郎
■クドウ カンクロウ 脚本家、監督、俳優。パンクコントバンド「グループ魂」ではギター・暴動として活動。
三宅弘城
■ミヤケ ヒロキ 「ナイロン100℃」のメンバーで俳優。パンクコントバンド「グループ魂」ではドラマー・石鹸として活動。
森川葵
■モリカワ アオイ いくつもの話題作に出演。映画『耳を腐らせるほどの愛』の公開が控える。