DMM STAGE発足!古川由隆&村中悠介 スペシャル対談

DMM.comが新たなサービスとして「DMM STAGE」を発足させる。これまで『刀剣乱舞』や『文豪とアルケミスト』などDMM GAMES作品が舞台化されてきたが、DMM.comが直接舞台を手掛けるのは初めて。そのスタートに際して、これまで長く2.5次元舞台作品のプロデュースをしてきた古川由隆氏がDMM.comに入社。どのようなことが始まるのか、DMM.com のCOOでDMM GAMES CEOも兼任する村中悠介氏と古川氏に話を聞いた。


――早速ですが、ライブエンターテインメント事業部を立ち上げた経緯を教えてください。

村中「DMM GAMESには『刀剣乱舞』や『文豪とアルケミスト』など、すでに舞台化されている作品がありますが、最初に舞台化の提案をされたとき、私としては「2.5次元舞台という世界があることさえ知らない」というような状況でした。それから数年経ち、舞台化がゲームやアニメの活性化にもつながっていることを実感し、それであればもっと自由に展開できればと考えてライブエンターテインメント事業部を立ち上げました」


――DMM.comはゲームやアニメを製作されているので源流に近いですね。

村中「そうですね。だからこそ「誰と」「どんなものを」つくるかということから話せる環境ができると思いました」


――古川さんはこれまで2.5次元作品で主にプロデューサー・キャスティングを務めていらっしゃいましたが、どうして今回DMM.comに入社されたのですか?

古川「僕は、前職でDMM.comとは、作品を通じて関わっていたのですが、今、話がありましたように、ゲーム事業もアニメ事業もあるのに舞台事業をやられていないことがずっと不思議でした。それで、そういうお話をしていくなかで、この会社が自由な社風であること、新しいことにチャレンジしたいのだということを知り、いろんなご縁もあり、一緒にやらせていただくことになりました」


――入社して実感している魅力は?

古川「本当に自由です。この会社でならできるだろうと思うことがたくさんあります。アニメチームやゲームチームがすぐそばにいるので、意思疎通がしやすいですしね」――社風として大切にしていることはありますか?

村中「チャレンジすることかなと思います」

古川「入社して1ヶ月ですが、そこはすごく感じています」

村中「もちろん基礎があってのチャレンジですけどね。古川さんがすでに持っているものに、自由をどう乗せるかという感じです。だからDMM.com的には古川さんがいないとうまくはいかない事業だと思っています」


――これからどのようなことが始まるのですか?

古川「2.5次元はこの数年でいろんなことも確立してきたと思うのですが、その枠をどう飛び越えていくかがまず取り組んでいきたい課題かなと思っています」


――飛び越えるとは、どのようなことをイメージされていますか?

古川「どんなことでもできますよ。例えば今の劇場とは違う構造で客席をつくったり」

村中「せっかくITの会社なので、ITもぜひ駆使してもらいたいですね。新技術を使ったり」

古川「2.5次元はその辺りの進化のスピードも早いので、その最新情報を知っているという状況はすごくいいですよね」

村中「今、うちが東京大学大学院情報理工学系研究科と社会連携講座として一緒に開発している音声技術があるのですが、1時間くらい声優さんが声をインプットすると、誰が話してもその声優さんの声で吹替えできるんですよ」


――ええ?

村中「だから例えば日本のアニメ原作の舞台を中国で上演します、というときに、キャストは現地の役者で中国語で演じるけれども、声は原作のまま、ということもできるんですね」――すごい。吹替じゃないからアドリブも可能ということですよね。

古川「そうなんです」

村中「あと、うちはVRの研究室があるので、それを活用することもできるかもしれないと思っています。技術って研究している人はたくさんいますけど、実際はそれをどう使うかですから。だから常に最新技術は共有しておきたいと考えています」


――そうなると、演出家も今までとはまた違った考回路が求められそうですね。

村中「僕は舞台のことがわかってないから好きなことが言えるんですけど、キャッチアップする人は大変だと思います。ただDMM.comとしてまずは「捉われない」というところからやりたいですね。今までの舞台のカタチに捉われて、考えが狭くならないようにしたいなと思っています」


――どんな世界が生まれるか楽しみですね。

古川「僕も今やっていて楽しいです」


――その第一弾の作品として12月に『ペルソナ5』が舞台化されますが、どういったものになりそうですか?

古川「まだこれからという感じですが、何よりも原作の世界観が魅力の作品なので、映像はポイントになるのかなと考えています。あとは、人間ではないキャラクターに、今日お話しした新しい音声技術が使えるかも? と考えています。これは間に合えばですけど(笑)」


――新しい体験が待っていそうですね。楽しみにしています!

 

インタビュー・文/中川實穂
Photo/植田真紗美

 

※構成/月刊ローチケ編集部 7月15日号より転載
※写真は本誌とは異なります

掲載誌面:月刊ローチケは毎月15日発行(無料)
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【プロフィール】
古川由隆
■フルカワ ユタカ 青山学院大学卒業後、セガを経て’09年よりマーベラスに入社。プロデューサーとしてミュージカル『薄桜鬼』、舞台『弱虫ペダル』等数多くの2.5次元舞台を手掛ける。’19年4月よりDMM.comに入社した。

村中悠介
■ムラナカ ユウスケ ’02年DMM.comに入社。’11年に取締役就任後アミューズメント事業、アニメーション事業など多岐にわたる事業を立ち上げる。’18年5月 COOに就任。40以上ある事業を統括。’19年5月よりDMM GAMES CEOを兼任。

 

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