「PERSONA5 the Stage」猪野広樹 インタビュー

©ATLUS ©SEGA ©SEGA/PERSONA5 the Stage Project

スタイリッシュな雰囲気は崩さず、どれだけ演劇として遊べるか!


現代日本を舞台に、「ペルソナ能力」に目覚めた高校生たちが仲間と協力し合いながら困難に立ち向かう姿を描く、アトラスの人気ジュブナイルRPG『ペルソナ』シリーズ。中でも2016年に発売されて以降、アニメ化やコミカライズされるなど人気の高い『ペルソナ5』が待望の舞台化。この話題作で「主人公」を演じる猪野広樹の、作品にかける思いはいつにも増して熱い。

猪野「日本はもちろん、世界中で大人気のこの作品で主演させていただくということで、プレッシャー以上に燃えたぎりますね! 絶対に成功させたいと思っていますし、この作品を“2.5次元”と呼ばれる分野の、そして僕自身の代表作のひとつにできればという意気込みでいます」


原作では、主人公をはじめとする高校生たちが「心の怪盗団」となり、腐った大人たちの心を改心させようと奮闘。特殊能力「ペルソナ」を用いた迫力のバトルシーンと、少年少女の絆や心の成長がスタイリッシュに描かれる。

猪野「カッコイイ世界観に一瞬で惹き込まれました。ファンタジーと言いますか、異世界の雰囲気が魅力なのでそれをどう表現するのか、舞台演出も楽しみです。今はプロジェクションマッピングも主流ですが、今回はどうなるんでしょうね。原作のスタイリッシュな雰囲気は崩さないようにしつつ、どれだけ演劇として遊べるかということに力を入れていきたいです」


まずはビジュアル撮影で、その世界の一端に触れた猪野。高校制服と怪盗姿で主人公を表現した。

猪野「衣裳もヘアメイクもすごくこだわって作ってくださっているので、自分で言うのもおこがましいのですが“めちゃくちゃカッコイイじゃん!”と思いました(笑)。怪盗団全員が揃ったら、それはもう壮観だろうなと。撮影前に作品やキャラクターのことを勉強していったのはもちろんですが、現場にもすごくたくさんの資料があったので、それらを見ながら原作のイラストをできるだけ忠実に再現するということを一番大切に、表情やポーズを付けていきました」

 

ミステリアスな主人公の内面を表現するのには、特に目を意識しているという。

猪野「この主人公って、何を考えているかわからない感じもあるじゃないですか。なので、わりと目は流している印象で撮っていて。それでいて見るときはしっかり見る、というのを意識しました。でも今回だけではなく、いつも写真撮影では目をかなり意識しています。瞳の奥の感情はメーキャップできないですからね。怪盗の姿では、目をより強くすることで変化を出しています」


怪盗姿となった主人公は、ナイフとハンドガンを使って戦う。バトルシーンの派手なアクションも見どころのひとつとなりそうだ。

猪野「アクションは得意なほうだと思います。ナイフなので(刀身は)短いですけど、殺陣もあるんじゃないかなと思うと楽しみです。キャラクターそれぞれに戦い方があると思いますが、今回は(主演で)真ん中に立つので、バランスを考えるというよりはまず自分から、どういうふうに表現したいか提示するところから作っていこうと考えています。個人的には、今回自分にとって新しい技を増やせたらと思っていて。たとえばですがバック転ができたら舞台が派手になっていいですよね。目でも楽しめるような作品にしたいというのも目標のひとつです」


共に戦う怪盗団メンバーに塩田康平、小南光司、ライバルの明智吾郎役に佐々木喜英など、個性的な共演陣には「クセが強い!」と思わず笑みがこぼれる。

猪野「康平くんは、場の埋め方がもう本当にピカイチの役者ですね! ヒデ様は、あの何を考えているかわからない感じがピッタリ。役の関係性的にもその印象は残しておきたいと思うので、最初は遠くから観察しつつ、少しずつ近づいてみたいと思っています。小南は…保留で(笑)。いやいや、愛されキャラの小南がいてくれてよかったです。みんなで小南をイジりたいと思います」


座長としての強い気概を持って本作に挑む猪野。彼が引っ張っていくこのカンパニーならば、間違いなく熱い舞台が見られるだろうと今から期待で胸が膨らむ。

猪野「僕はこれまで、どちらかというと周りに助けられる座長だったと思うんですが、今回は僕がみんなを引っ張っていきたいと思っています。役者の皆さんそれぞれにいいところがたくさんあるので、それをどれだけ引き出して、みんなが演じやすい環境を作れるかというのを、僕が率先してやっていきたい。みんなで話し合いをたくさんして、気になることは何でも言い合えば、自分たちが作ったという感覚も強くなるし、作品がよかったと言ってもらえたときの喜びも大きいですからね。全員が立ててよかった、お客さんも観られてよかったと思ってもらえるような座組と作品にしたいです。この作品が長く愛されるものになるよう、頑張っていきたいと思います」

 

インタビュー・文/髙橋裕美

 

※構成/月刊ローチケ編集部 7月15日号より転載

掲載誌面:月刊ローチケは毎月15日発行(無料)
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【プロフィール】
猪野広樹
■イノ ヒロキ ’92年、神奈川県出身。ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!! 」、舞台『刀剣乱舞』義伝 暁の独眼竜、『あんさんぶるスターズ!エクストラ・ステージ』~Memory of Marionette ~、『僕のヒーローアカデミア』The“Ultra”Stage、舞台『弱虫ペダル』など数多くの作品に出演。

 

【公演公式ホームページ】

https://p5-the-stage.jp/

 

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