舞台劇『からくりサーカス』のトークイベントが12月1日(土)、サンリオピューロランドにて行われ、加藤鳴海役の滝川広大、しろがね・フランシーヌ役の大西桃香〈AKB48〉と飯田里穂(Wキャスト)、ギイ・クリストフ・レッシュ役の越智友己、アニメ「からくりサーカス」で才賀勝役の声優を務める植田千尋が登壇。本作の魅力や意気込みを語った。
本作は「うしおととら」など多くの人気漫画を手がける藤田和日郎の同名作品の舞台版。2019年1月10日(木)から新宿FACEにて上演となる。
莫大な遺産を相続したことがきっかけとなり親族に狙われる少年・才賀勝と、偶然の出会いから勝を助けることになる拳法家の青年・加藤鳴海、そして勝の祖父からの命により勝を守る人形遣いの女性・しろがね。そんな彼らを巻き込む数百年に渡る壮大な運命の物語が紡がれる。原作は2006年に完結。単行本は全43巻で累計発行部数1500万部、2018年10月11日からTOKYO MXにてアニメ化もされ、今もなお愛される超人気作だ。そんな話題の作品が舞台化ということで、トークイベントの会場となったサンリオピューロランド内のWisdom Tree Stage(知恵の木ステージ)には大勢のオーディエンスが集まった。なお、トークイベントは午前・午後と2回行われたが、今回は午後の部の模様をレポートする。
大きな拍手によって迎えられたキャスト一同はステージ衣裳で登壇。そして、早速マイクを向けられた滝川は「1回目のステージでガチガチに緊張した滝川です」と自虐的な自己紹介でオーディエンスの笑いを誘うと、「この『からくりサーカス』は藤田先生が描いた人気の漫画で、現在はTOKYO MXにてアニメも放送されています! 見たよという方いらっしゃいますか?」と慣れた調子でオーディエンスを巻き込むが「(大勢が手を挙げているのを見て)そうですか、ありがとうございます。……以上、お返しします(笑)」と急にぎこちない様子でマイクを返上。やはり緊張しているのか、滝川の照れたようなキュートな笑みが印象的であった。
その後、植田が落ち着いた調子で本作のあらすじを述べ、「それぞれが自分の人生に向き合っていく壮大な物語」と核となる魅力を紹介。越智は「この舞台は観客のみなさまがステージを囲むような配置となっていて、飲み物も自由。舞台を見に来たはずなのにいつのまにかサーカスの観客になっているような舞台作りとなっています」と演出の一端を明かした。
大西は飯田とダブルキャストであることを説明した上で「本作の見どころはなんといっても、飯田さんが着ているしろがねのセクシーな衣装だと思います!」とコメント。飯田は衣装について「最初は少し恥ずかしかったのですが、もう着なれました(笑)」とはにかむと「私はすぐ笑ってしまうタイプなのですが、しろがねは笑顔が少なさがキーとなる人物なので、顔に出ないようクールにきめたいと思います」と意気込んだ。
続いて、本作の見どころとなるアクションについて尋ねられた滝川は「いま、中国拳法を習っているんですけど、本当にしんどいんですよ」と力説。さらに司会者に求められ実際に中国拳法を披露。すると会場からは歓声があがり、滝川は「本番はもっと頑張ります!」と力強く応えた。
飯田はアクションについて「原作でもアニメでもしろがねはハードな戦いをする人物なので、舞台版でも相当アクションシーンがあるのではないか……」と期待を煽るようなコメントを述べると、大西は「勝さんがしろがねを呼んだ時に上から飛び降りてくる場面があるのですが、それが舞台版ではどういう演出になるのか楽しみです」と注目のポイントを紹介。越智も「『からくりサーカス』の醍醐味といえばやはり人形。人形を操る表現でみなさんを魅せられたら」と期待を込めて呼びかけた。
その後、司会者から仲良しエピソードを聞かれ、飯田は空き時間にみんなでピューロランド内の「ボートライド」というアトラクションに乗車したことを語り「アトラクションの最後にみんなで集合写真を撮るんですけど、その写真でみんなピースをしているのに滝川さんだけ変なポーズをしていて……」と、親指と人差し指をたてた「L」のようなポーズをしてみせた。すると大西は「これはもしかして鳴海のポーズなんじゃないですかね……」と推測。しかし、滝川が慌てて「これは本当に無意識にしてしまったポーズ。中国拳法的では親指を出すなんて絶対NGなんです」と“鳴海ポーズ説”を否定。十分仲の良さが伺える無邪気なやり取りを見ることができた。
トークイベント中盤ではゲストとしてハローキティが登場。キティちゃんの大ファンと公言していた滝川をはじめキャスト一同大盛り上がりで迎え入れられ、写真撮影が行われた。
トークイベントでは最後に植田が「こんなに個性的な人たちが揃っているのですから、成功すること間違いなしです! みなさん、どうぞ舞台版もよろしくお願いします」と舞台版の成功を祈って激励を飛ばすと、滝川が植田に応えるように「もうあれですね。絶対に絶対にみなさまを裏切りません。素敵な世界に招待します!」とオーディエンスに力強く呼びかけトークイベントは終了した。
これからの稽古、本番が楽しみになるような座組みの雰囲気が伺えるトークイベントであった。原作に負けずとも劣らないハイスペクタクルな世界が繰り広げられるだろう、舞台劇『からくりサーカス』にぜひ注目してほしい!
取材・文/大宮ガスト
©’76,’18 SANRIO
©藤田和日郎・小学館 / 舞台劇「からくりサーカス」製作委員会