ブルーマングループジャパンツアー 2024|バイロン・エステップ&SHUKI インタビュー

新たなバンドメンバーを率いるブルーマンたちのパフォーマンスに期待!

ノンバーバル(非言語)のエンターテインメントショーにおけるパイオニアといえる、ブルーマングループ。青い3人の男たちが無表情で繰り広げるのは、ロックとアートとコメディを融合させた彼らならではの面白味が満載のパフォーマンスの数々だ。1987年に結成後、ニューヨークでの路上パフォーマンスから始まりオフ・ブロードウェイのアスタープレイスシアターを拠点に、ドイツ、カナダ、イギリスなど世界各国でロングラン公演をおこなってきた、まさにボーダーレスの人気集団でもある彼ら。日本では2007年に初来日を果たし4年の長期公演を実現させたのち、2019年、2022年にも来日している。2年ぶりとなる今回の日本公演の準備が着々と進行中の4月中旬には、音楽監督のバイロン・エステップが来日し、今回の公演のために募集していたバンドメンバーのオーディションがおこなわれた。

審査にはバイロンだけでなく、バンド“I Don’t Like Mondays.”のドラマー兼リーダーで、実は元ブルーマングループのバンドメンバーという経歴を持つSHUKIも参加。久しぶりのフルバンドバージョンとなる今回の日本公演への想いを聞くと、バイロンは「とにかく日本に戻って来られることが最高にエキサイティングです。ここ数年は日本の皆さんもパンデミックなどのせいもあり孤立感を味わう機会も多かったことと思いますが、それを乗り越え、またみんなでショーを体験できる素晴らしい場が提供できることになりました。しかも今回は、お客さんを巻き込むパフォーマンスが特に多い参加型のショーになりそうです」と、嬉しそうに語ってくれた。

今回のオーディションの参加人数は287名、その中から柔軟性やオープンマインドでチャレンジ精神のある人が選ばれる予定だ。長年ブルーマンのステージに立ってきたSHUKIは、その経験が自らの現在のキャリアにも大きな影響を与えているとも打ち明ける。

「ブルーマンたちは一切言葉を発しないので、今3人は何がしたくてどこに向かいたいのかは、その動き
から僕らバンドメンバーは感じ取るしかないんですね。しかも、それを見て音楽を展開させる合図を出
すのはドラムの役目。なので、実を言うとドラマーの近くにはブルーマンたちがよく見えるモニターが
置いてあったりもするんですよ。そもそもブルーマンたちも演奏をおこないますが、その際に使用する
のは打楽器が多く、ファウンダーも公言していますが日本の和太鼓からもインスパイアされている部分が大きいそうなんです。そして僕はブルーマンでの活動を終えてから今のバンドを始めたんですけど、もちろんバンドではブルーマンの時とは違う音楽的観点が勉強できた面もあるものの、やはり表現力という意味ではブルーマンにものすごく鍛えられていたんです。去年までテレビ放送されていたアニメワンピース』の主題歌は僕らがやらせていただいていたのですが、そこでのドラム演奏に『そういえばブルーマンの要素が入っているよね』と指摘されたこともあって。やっぱり自分のルーツはブルーマンだったんだな!と、改めて思いますね」

今回初めてブルーマンに会いに行くという方は驚きとワクワクが止まらない経験ができるはずだし、長年のファンの方は新規バンドメンバーが加わる新鮮なパフォーマンスに再び心躍る感覚が楽しめそうだ。ここでしか味わえないブルーマン体験を、ぜひこの夏、劇場で!

インタビュー&文/田中里津子
Photo/中田智章

※構成/月刊ローチケ編集部 6月15日号より転載

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【プロフィール】

SHUKI
■シュウキ
’07年、ブルーマン日本公演の際に当時世界最年少でオーディションに合格。現在はI Donʼt Like Mondays.のリーダーとして活動中。

バイロン・エステップ
■ばいろん えすてっぷ
アート・音楽・コメディが融合した唯一無二のエンターテインメント「ブルーマングループ」のシニアミュージックディレクターを務める。