「ロボ・ロボ」 玉城裕規 インタビュー

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ロボットたちの織り成す美しい世界
新たな作品として再び幕を開ける

 

玉城「この作品のお話を最初にもらったときは……正直、出たくないなって思ったんですよ(笑)」

 

 過去に舞台「弱虫ペダル」のエースクライマー・東堂尽八役や「ライチ☆光クラブ」の魔性の美少年・ジャイボといった人気キャラクターを演じ、個性派俳優として高い評価を得ている玉城裕規を悩ませた作品とは、西田シャトナー演出の「ロボ・ロボ」。

 2014年に上演された同作は、7人の登場人物全員がロボットという異色作。「弱虫ペダル」での役者の肉体を駆使する演出で観客を驚かせた西田による緻密な作風に、矢崎 広ら若手の実力派俳優7人が挑戦。約75分の上演時間をロボットマイムだけで演じきった。

玉城「前回の公演を見させていただいて、本当にすばらしかったんです。ロボットマイムが、一見ハードそうには見えなかったんですよ。でもそれがシャトナーさんや前回出ていた役者さんたちのすごいところで……観ている側が想像する何十倍も、ロボットたちの体の動きや微妙な感情の表現といった部分が緻密に計算されている作品なんですよね。僕自身がこの作品を大好きでリスペクトしているからこそ、自分が入ることで作品の世界観を壊してしまったらどうしよう?とも考えました。だから、プレッシャーがないと言ったらうそになります。前回、僕が演じるアナライザー(分析ロボット)を演じた陳内 将くんも僕にはない魅力を持ったステキな役者さんで、僕もファンになってしまったくらいで……(笑)。逆にそう考えると、同じ役だとしても僕なりのものを出さないと陳内くんにも失礼だし、僕がこの役をやる意味がないのかなっていうふうに今は思っていますね」

 

 ちなみに今作は、演出の西田によれば「同じ脚本ですが、再演とは考えていません」とのことで、キャストや切り口の異なる“新しい「ロボ・ロボ」”となる。

玉城「これまでのシャトナーさんとの仕事を思い出すと、たとえ同じ作品を続けてやるとしても同じことをやろうとは言わない方なんですよ。たとえ誰もが知っているような文学作品を演出するとしても、多分同じようにはしないだろうと思いますし。だからこそ、今回僕らが新たにこの作品に挑戦する意味があるんだろうと」

 

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 物語の舞台はとある南の島。家電ロボット7体はアクシデントにより、人の住まないこの島に取り残されてしまう。ユーザーなしでは行動することのできない彼らは、この危機にどう立ち向かうのか……?

 アナライザーと組んで事態を収拾しようとするレコーダー(記憶ロボット)に扮するのは、玉城とは舞台「曇天に笑う」でも共演経験のある小澤亮太。

玉城「亮太くんは芝居に対して熱い役者さんで、かつちょっとかわいいところもあって。『曇天に笑う』では彼は悪役だったんですけど、僕とにらみ合うようなシーンが終わったあとに舞台袖で『(演技が)どうだったかな? 大丈夫だった?』って聞いてきたりして、このギャップがいいですよね(笑)。僕は熱い人が好きなんです。その熱さが表面には出ていなくても、仕事に対して常に“こうしてみたらどうだろう?”っていろいろ考えながら取り組んでいる人が好きなので、彼は好きな役者のひとりですね。だから今回、また共演できるのをすごくうれしく思ってます」

 

 ほかにもドクター(医療ロボット)役の根本正勝、ナビゲーター(運転ロボット)役の村田 充という前回からの続投キャストを含めて玉城いわく「個性が豊かすぎる」面々が集い、作品の持つ独特な世界観をより鮮烈なものにしていく。

玉城「演劇は形のないものですけど、『ロボ・ロボ』の持つ美しさって人間が作る動く芸術、みたいな感覚なんですよ。世界最大って言われてるフランスのルーブル美術館に飾れるんじゃないかって、前回観たとき本気で思ったくらい。そのくらいきれいで、かつ観終わったあとにじんわり心が温かくなる不思議な魅力を持った作品です。なので観に来る方は何も考えず、ただこの世界を感じていただけたら」

 

インタビュー・文/古知屋ジュン
Photo/家老芳美
構成/月刊ローソンチケット編集部 12月15日号より転載

 

【プロフィール】

玉城裕規

■タマキ ユウキ ’85年、沖縄県出身。舞台「弱虫ペダル」や「ライチ☆光クラブ」など、さまざまな人気作品に出演。’16年には出演映画「血まみれスケバンチェーンソー」も公開予定。

 

【公演情報】

キティエンターテインメント・プレゼンツ
シャトナー of ワンダー #3
「ロボ・ロボ」

日程・会場:
2016/1/16[土]~24[日] 天王洲 銀河劇場

★詳しいチケット情報は下記ボタンにて!