ミュージカル『ビッグ・フィッシュ』顔寄せレポート

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ティム・バートン傑作映画の日本初ミュージカルがついに始動!
今年(2017年)2月に、東京・日生劇場で上演されるミュージカル『ビッグ・フィッシュ』。本作は、「チャーリーとチョコレート工場」「アリス・イン・ワンダーランド」などファンタジックな世界観で人々を魅了するティム・バートン監督の傑作映画のミュージカル版。2003年公開の映画は瞬く間に世界中で反響を呼び、2013年にブロードウェイ・ミュージカルとして甦った。そのブロードウェイ版が日本に初上陸を果たすのだ。

昨年(2016年)11月に記者会見をレポートした本作も、いよいよ稽古が始まった。都内の稽古場に、川平慈英、浦井健治、霧矢大夢、赤根那奈、藤井 隆、JKim、深水元基、鈴木蘭々、ROLLYらキャスト陣と、演出の白井晃をはじめとするスタッフ、総勢約50名が大集結。稽古前に「顔寄せ」と呼ばれる紹介が行われ、ロの字に組まれたテーブルの一方の中央に、演出の白井、白井の真正面の位置には、主人公のエドワード・ブルームを演じる川平他メインキャストが座った。スタッフ紹介が始まると、一人ひとりに「イェイ!」と元気な声をかける川平、さすが。出演者20名を超える座組をまとめる座長として、ムードメーカーとして、早くも熱いオーラを放出して場の緊張を少しずつほぐしていく。

 

主人公のエドワードは、自分の人生を現実にはあり得ないほど大げさに、創作したおとぎ話のように語り、聴く人をことごとく魅了していく。だが、息子のウィルだけは、息子であるがゆえに素直に聞けない。死期の近づく病床にあっても相変わらずかつての冒険談を語る父と、「本当の父の姿が知りたい」と葛藤する息子、そんな二人を取り巻く不思議な人々の物語が、幻想と現実を行き来しながら綴られる本作。

 

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そのエドワード役の川平が、キャスト全員を代表してあいさつ。

「ついに今日が来ましたね!素晴らしい作品に参加できることをうれしく、誇りに思って感謝しています。白井さん、呼んでくれてありがとうございます!ここにいるみんなのハッピーパワーで、いいものにしたいですね。稽古ではもがき苦しみながらも、みんなで助け合って、ほっこり温かく、素晴らしい感動が伝えられるものにしましょう。うん、“ハグ”があれば大丈夫!(全員笑い!)ミュージカル界にとっても、自分にとってもエポックメーキングになる作品にしたいと思います。くれぐれも体調に気を付けてがんばりましょう!」

 

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続いて、白井もあいさつ。

「先日美術打ち合わせをしていて、日生劇場にはこんなセリがあるのかとハタと気づき、そこでやっと、自分は日生劇場で演出するのが初めてだと気づきました(笑)。とても新鮮な気持ちです。演出のお話をいただいたときには数作の提案がありましたが、“これがやりたい!”と真っ先に手を出したのが本作でした。映画も印象的ですし、ミュージカル版の台本は映画とまた違う部分もあり、日本で初上演するものとして、より日本人らしい詩情にあふれた舞台になると感じました。親子のことは誰しもなにがしかの心当たりがあるもの。人の人生を考えながら、つい自分の人生も考えてしまう。そんな作品にできたらと思います。慈英は本当に大変だと思うけど(笑)、個性豊かなメンバーが揃いましたから、エドワード(川平慈英)とウィル(浦井健治)の喧嘩を、みなさんで楽しみながら盛り上げてください!」

川平と白井の言葉を受け、パァッと花が咲くように温かな雰囲気に包まれる稽古場。ここから生まれるミュージカル『ビッグ・フィッシュ』は、どれほど素晴らしい仕上がりになることか。ぐんぐん上昇する期待値がマックスになったところで上る幕が待ち遠しい!

取材・文/丸古玲子

 

【公演情報】
ミュージカル『ビッグ・フィッシュ』

 

脚本:ジョン・オーガスト
音楽・詞:アンドリュー・リッパ
演出:白井 晃
出演:
川平慈英、浦井健治、霧矢大夢、赤根那奈
藤井 隆、JKim、深水元基、鈴木 福(Wキャスト)、りょうた(Wキャスト)、鈴木蘭々、ROLLYほか

 

日程・会場:
2017/2/7(火)〜28(火) 日生劇場(東京)

 

<スペシャルトークショー>
該当公演回をご観劇のお客様は、どなたでもご覧いただけます。
2017/2/15(水)13:00  霧矢大夢、赤根那奈、藤井 隆
2017/2/22(水)13:00  川平慈英、浦井健治、赤根那奈
2017/2/24(金)13:00  川平慈英、霧矢大夢、ROLLY
各公演 終演後 開始(約20分の予定)
詳しくはhttp://www.tohostage.com/bigfish/talkshow.html