ミュージカル『ビッグ・フィッシュ』公開稽古レポート

10/16(水)、都内某所にてミュージカル『ビッグ・フィッシュ』の公開稽古が行われた。


ティム・バートン監督(代表作『チャーリーとチョコレート工場』『ダンボ』など)が手掛けた映画『ビッグ・フィッシュ』を原作に持ち、2017年にミュージカルとして日本初演の幕を開けた本作。初演時はアンサンブル含め22人で上演されたが、今回の再演では新たに“12 chairs version”として、12人編成の作品に生まれ変わる。

公開稽古には、キャストの川平慈英、浦井健治、霧矢大夢、夢咲ねね、藤井隆、JKim、深水元基、東山光明、小林由佳、鈴木蘭々、ROLLYらが参加した。この日公開されたのは、「♪ヒーローになれ」「♪彼の中の魔法」「♪二人の間の川」の3楽曲のシーン。

「♪ヒーローになれ」は、川平演じる主人公・エドワードが幼い息子・ウィルに「人生は果てしない夢を生きることだ、自分を信じて物語のヒーローになれ」と説く、軽やかで希望に満ちたナンバーだ。本作では、メインキャストが本役以外で登場するのも見どころの一つ。浦井が“あの姿”で魅せるタップシーンにもぜひ注目して頂きたい。次の2曲は、今回の再演で追加される新曲である。

霧矢演じるエドワードの妻・サンドラが「(夫を愛したことが)私の厄介な宿命」と語りだすと、「♪彼の中の魔法」の音楽が鳴る。成長したウィルを演じる浦井、ウィルの妻・ジョセフィーンを演じる夢咲も加わり、美しい歌声を響かせた。演出の白井晃が「昨日やっと出来上がった、出来立てホヤホヤのシーン」と語る「♪二人の間の川」では、稽古場の雰囲気が一変。エドワードとウィルとの親子の亀裂を、舞台作品ならではの方法で表現するようだ。 ワンシーンごとに丁寧な演出を加えていく白井と、白井の言葉にすぐさま反応していくキャストたち。初演と同じメンバーで挑む再演ということで、強固な信頼関係の上で作品がどのように進化していくのか、期待が高まる。 稽古後には、メインキャストによる挨拶が行われた。

夢咲は「初演から同じメンバーでこの作品にチャレンジできることがすごく嬉しい。初演とは違う場面にも出させて頂くので、初演のような気持ちで頑張りたいです」と意気込む。霧矢は「大好きな家族と再会できて幸せ。サンドラ以外の役も楽しくて、本役のサンドラがぼやけないように務めたいと思います(笑)」と、会場の笑いを誘った。浦井は「稽古場ではすでに、慈英さんの歌を聴くと出演者みんな涙が止まらないという現象が起きている。お客様の心の中にもきっと“ビッグ・フィッシュ”が泳ぐんじゃないかと思います」とコメント。主演の川平は「間違いなく劇場が、幸せと癒しのハッピーパワースポットとなると思います。皆さんもぜひ、幸せを共有しましょう」と締め、公開稽古は終了した。公演は11/1(金)開幕の東京・シアタークリエ公演を皮切りに、12月には愛知・刈谷市 総合文化センター アイリス、兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホールにて上演される。

当たり前のようでいて見失いがちな、けれどきっと一番大切な、家族の絆を描いた感動のミュージカル『ビッグ・フィッシュ』を、ぜひ劇場で体感して頂きたい。

取材・文・撮影/ローソンチケット