ミュージカル『ビッグ・フィッシュ』開幕レポート

ミュージカル『ビッグ・フィッシュ』が、11/1(金)に東京・シアタークリエにて開幕した。

本作は、ティム・バートン監督(代表作『チャーリーとチョコレート工場』『ダンボ』など)が手掛けた同名映画を原作に持ち、2017年に白井晃の演出によりミュージカルとして日本初演。今回の再演では、新曲2曲が加わる他、出演者を初演時の22人から12人へと絞り、「12chairs version」として上演される。

開幕に先駆け、囲み取材とゲネプロが行われた。囲み取材には、初演から続投となるキャスト 川平慈英、浦井健治、霧矢大夢、夢咲ねね、藤井隆、ROLLYが登壇。

主演の川平は本作の魅力を「人間賛美じゃないですけど、生きる喜びや、人に愛情を注ぐこと、または痛みを知ることの大切さを改めて感じさせてくれる舞台。劇場が癒しのハッピーパワースポットになると思います」と語り、最後には「皆さんも僕たちと一緒に幸せを共有しましょう!」とメッセージを送った。その後のゲネプロでは、キャストそれぞれが一人何役も演じ、まさに“総力戦”の『ビッグ・フィッシュ』を披露。霧矢が「劇団といった感じ」と話したように、出演者が少ないながらも、抜群の呼吸で見事にファンタジーな世界観を作り上げる。 メインキャストもあらゆる場面で、予想外の姿で登場する。そのためついつい目が足りなくなってしまうが、ここはぜひ何度も足を運び、舞台の隅々まで観て頂きたい。きっと、観る度に新しい発見ができるはずだ。今回は特に人間関係が色濃く描かれた演出が印象的。浦井が「白井さんが芝居の歌として、演劇的に仕上げて下さった」と明かした新曲「♪二人の間の川」や「♪彼の中の魔法」を含め、魅力的な楽曲の数々が、濃密な芝居と共に楽しめるのも本作の魅力である。 夫婦とて、親子とて、人間対人間であることに変わりはない。それぞれが苦悩を抱えながら、時には対峙し、そして愛し合う。家族の本当の想いを知った時、親として、妻として、夫として、息子として、自分が選ぶべき答えとは――  観劇後、きっと誰しもが「『ビッグ・フィッシュ』は、“あなたの”物語です」とROLLYが語ったこの言葉に、強く納得することだろう。  色鮮やかな舞台にキャッチーな楽曲、そして最後は心がじんわり温かくなる感動の物語。令和元年の締めくくりはぜひ劇場で、煩わしくも愛おしい“あなたの”家族に会いに来て頂きたい。

ミュージカル『ビッグ・フィッシュ』は現在絶賛上演中。11/28(木) まで東京・シアタークリエにて公演の後、12月には愛知・刈谷市 総合文化センター アイリス、兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホールにて上演される。

取材・文・撮影/ローソンチケット