映画『帝一の國』など、このところ立て続けに話題作に出演している千葉雄大が、6年ぶりの舞台に挑む。作品は恋愛における男女の巧妙な心理戦を描き、世界各国で映画化もされている『危険な関係』。演出を務めるのはロンドンの気鋭演出家、リチャード・トワイマンだ。
千葉「先日リチャードさんのワークショップに参加したんですが、台本の読み方だったり、役者がいつも無意識でやっているようなところから細かくアドバイスを受けました」
中心人物の一人である希代のプレイボーイ・ヴァルモン子爵を演じる玉木宏とは映像作品でも共演経験があり、稽古が楽しみなのだと語る。
千葉「男から見てもかっこいい方でありつつ、素顔は面白くてひょうきんな部分もあったりして…。今回は舞台ということで稽古を一緒に積み重ねていくのは初めてなのですが、玉木さんとならある程度緊張を解いてやれる部分もあると思います」
そして鈴木京香演じる策略家の悪女・メルトゥイユ侯爵夫人については、映画版を観て「この役は京香さんにピッタリ」と思ったのだとか。
千葉「原作では劇的な何かが起こるというよりも、登場人物たちが日常会話の中でお互いに探りあっているようなところにドキドキするというか、いい意味での居心地の悪さみたいなものがあって、そこが面白いと感じました」
千葉演じる騎士のダンスニーは清純なセシル(青山美郷)に恋しているが、二人はいつしかメルトゥイユ侯爵夫人とヴァルモン子爵の繰り広げる背徳のゲームに巻き込まれていく。
千葉「ダンスニーは純粋な男で、その純粋さがある意味、怖いなというイメージがあります。何も知らないからこそ何色にでも染まって、それが正しいと思ってしまうような…。作品の中でダンスニーには一つの“使命”があるんですが、それをきっかけにヴァルモンと対峙しなければいけなくて、そこにかなり熱量が要るのかなとも思いますね。リチャードさんからは男っぽい感じや、多少の色気も出してほしい、というような言葉があったので、そういうところも意識してやれたら」
過去に演じた作品にはない意外な顔が見られる、かも知れない?
インタビュー・文/古知屋ジュン
撮影/永石勝(000)
※構成/月刊ローチケHMV編集部 7月15日号より転載
掲載誌面:月刊ローチケHMVは毎月15日発行(無料)
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【プロフィール】
千葉雄大
■チバ ユウダイ ’89年、宮城県出身。『天装戦隊ゴセイジャー』でデビュー。映画『殿、利息でござる!』で日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞している。10/2からNHK連続テレビ小説「わろてんか」に出演。
【公演概要】
シアターコクーン・オンレパートリー2017
DISCOVER WORLD THEATRE vol.2
危険な関係
作:クリストファー・ハンプトン
翻訳:広田敦郎
演出:リチャード・トワイマン
出演:
玉木宏、鈴木京香、野々すみ花、千葉雄大、青山美郷、佐藤永典、土井ケイト、 新橋耐子、高橋惠子 ほか