ローチケ演劇部presents はじめてのミュージカル「今月のあの人の“今キニナル”」 第7回 ミュージカル『レ・ミゼラブル』:村井良大

こんな感情になったミュージカルは『レミゼ』が初めて

 

ちょっとベタかもしれないけど、はじめての人にオススメするなら映画版の『レ・ミゼラブル』です。

僕はまだ舞台で『レミゼ』を観たことがないときに、2012年に公開された映画版(※1)を見たんです。それがものすごく衝撃的で、今でも忘れられませんね。

(※1ヒュー・ジャックマンやアン・ハサウエィ、エディ・レッドメインらが出演し、作品賞はじめアカデミー賞7部門にノミネート、アン・ハサウエィの助演女優賞、録音賞も受賞し、大きな話題を呼んだ)

やっぱりミュージカルって明るくて華やかなイメージが強いと思うのですが、『レミゼ』はどちらかと言うと泥臭いというか、現実味がある世界観。変にきれいさを押し出していないところがまた良くて、グッときました。

楽曲もすごく魅力的ですよね。基本は歌で物語が進んでいくのですが、たまに現れるセリフだけのシーンにはむしろ「歌わないのかよ!」ってツッコミ入れちゃいそうになるくらい、気づくと歌を欲してしまって(笑)。こんな感情になったミュージカルは『レミゼ』が初めてですし、自分でも驚きましたね。それだけ音楽の要素も大きいのがこの作品だと思います。

特に印象的なシーンは、ファンテーヌ役のアン・ハサウエィが歌う「I dreamed a dream」かな。(※2)歌声は力強いんだけど、かと言って歌い上げているという訳でもなく、表現はすごく自然体でリアル。「あ、映像だとこんなに繊細に表現出来るんだな」と素直に感動しました。あのシーンは特に好きです。

(※2 ファンテーヌは職場で不当な解雇を受け、絶望の淵に立つ。そんな彼女のナンバー『I dreamed a dream(夢やぶれて)』は、イギリスのオーディション番組でスーザン・ボイルが歌ったことでも有名)

映画版を見た後に舞台版も観させて頂きましたが、個人的には映画が最初で良かったなと思っています。映画だと細部までしっかりと描写されているから、物語がシンプルに分かりやすいんじゃないかなと。
そういう意味で、初めてミュージカルを見るのであれば、僕は映像から入るのも全然アリだと思いますね。

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■ミュージカルの魅力
ミュージカルでしか辿り着けないところに連れて行ってくれること、かな。
良い映画とか良いドラマって、大抵BGMも良い気がしませんか?音楽が鳴った瞬間、純粋に心がワクワクするというか。
ミュージカルもそれと一緒なんですよね。お芝居にメロディや歌が加わることで、高揚感を覚えたり、日常では辿り着けないところへ連れて行ってくれたりする。それくらい音楽ってすごく力を持っている重要なものだと思います。
だから突然歌い出すとちょっと…という考えではなくて、ミュージカルによってしか行けないところ、ミュージカルでなければ見られない景色を楽しんで頂けたらなと思います。


■こぼれ話 by ローチケ演劇部員

ズバリ『レミゼ』に出演してみたいかと伺ってみると、「もちろん、出てみたいですね」と好感触の返答を頂きました!演じてみたい役について聞くと、少し悩まれている様子。「マリウス(革命家の学生)はちょっと辛そうですよね。仲間が散っていく中一人残されて、エンドが無いから…」とのこと。(とてもお似合いになりそうですが…)
個人的には村井さんの柔らかな雰囲気とはむしろ真逆の、厳格な警官・ジャベールを演じて欲しいです!とお伝えすると「もう少し年を重ねたら演じてみたいかも!」と……!!村井ジャベ、期待の極みです。


■村井良大

1988年生まれ、東京都出身。2012年に舞台『弱虫ペダル』の主人公・小野田坂道役で注目を集め、映像や舞台で活躍。「RENT」マーク役、「きみはいい人チャーリーブラウン」チャーリーブラウン役、「アダムス・ファミリー」ルーカス役など、名立たるブロードウェイミュージカル作品にも主要キャストとして出演を果たす。

公式HP:http://www.wave-master.com/wmt-murairyouta.html
公式ブログ:https://lineblog.me/murai_ryouta/

 

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