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宝塚歌劇 宙組公演 ミュージカル・オリエント『天(そら)は赤い河のほとり』/ロマンチック・レビュー『シトラスの風-Sunrise-』~Special Version for 20th Anniversary~が3/16(金)兵庫県・宝塚大劇場で開幕!新トップコンビ真風涼帆・星風まどかの大劇場お披露目公演となる本公演の観劇レポートをローチケ演劇部員(は)がお届けします!
■『天(そら)は赤い河のほとり』
第一幕『天(そら)は赤い河のほとり』は、小学館発行の「少女コミック」で1995年から2002年まで連載され、絶大な人気を誇った篠原千絵の歴史ファンタジー「天は赤い河のほとり」を、宝塚歌劇がミュージカル化した作品だ。
舞台は紀元前14世紀、古代オリエントのヒッタイト帝国。優れた才能と血筋で世継ぎと目される第3皇子カイル[真風涼帆]が出会った女性・鈴木夕梨(ユーリ)[星風まどか]は、帝国の世継ぎ争いに巻き込まれ、呪術の形代としてタイムスリップさせられた現代の女子高生だった。いつしか互いに深く愛し合うようになる二人の前には、ユーリの帰還や強国との対立など、様々な問題が立ちはだかり…。
★オープニングから胸が高鳴る!
壮大なテーマソングと共に、豪華な衣装を身に纏った登場人物が次々に登場するプロローグは、まるでアニメのオープニングを観ているかのよう。華やかな幕開きに、これから始まる1時間35分の物語への期待が高まり、胸が躍る。
★少女漫画の“ときめき”が連発!
真風涼帆は、安定感のある演技で、部下や国民から厚い信頼を得ている皇子カイルを好演。漫画の世界からそのまま飛び出てきたような真風のカイルによる「壁ドン」や「顎クイ」、「お姫様抱っこ」など、“これぞ少女漫画!!”といった、ときめくシチュエーションも満載だ。
星風まどか演じるユーリは、突然のタイムスリップに戸惑い、初めて目にする戦争にショックを受けながらも、様々な人物と出会う中で、持ち前の正義感を軸に、多くの人々から愛される女性へと成長していく。その姿は、トップ娘役に就任した星風自身の姿とも重なるように感じられた。
そんなユーリをあたたかく見守り、慈しむカイルと、カイルを心から尊敬し、恋するユーリ。美しく、愛らしい二人が描き出す世界観は、まさに少女漫画の世界そのもの。学年差のある新しいトップコンビにぴったりのロマンティックな演目だ。(※真風:92期生、星風:100期生)
■『シトラスの風-Sunrise-』~Special Version for 20th Anniversary~
第二幕の『シトラスの風-Sunrise-』は、宙組が誕生した1998年に上演された宙組を代表するショーとも言える『シトラスの風』に、フレッシュでバイタリティに溢れた新しい場面を加えた華やかなレビュー作品となっている。
メインテーマや「夢・アモール」「明日へのエナジー」など、今年20周年を迎えた宙組を象徴する場面の他、新たに加えられた、新生宙組の夜明けを表すようなナンバー「Sunrise」の白燕尾服での群舞も印象的だ。それぞれの場面に新生宙組のパワーが感じられ、今後の宙組の飛躍を期待せずにはいられない。
公演は、兵庫県・宝塚大劇場にて4/23(月)まで上演。5/11(金)から6/17(日)まで、東京宝塚劇場にて上演される。