2019年9月に東京・東急シアターオーブで開幕するミュージカル『ボディガード』が来日公演に続き、日本キャストで上演されることが決定。
主人公と禁断の恋に落ちるボディガードのフランク・ファーマー役で、舞台初挑戦となる大谷亮平に話を聞いた。
――初舞台ですね。
大谷「これまで映像の仕事をメインにさせていただいてきたので、生の舞台はミスが許されないという点で不安もあります。舞台は映像作品とまた違う部分で大変だろうなと思うと同時に、その真逆で、みんなで時間をかけて作っていくという楽しさ、やりがいもすごく感じています」
――舞台に出てみたいという気持ちはありましたか?
大谷「この仕事が決まるまでは、正直あまりイメージしていませんでした。かなり大きなチャレンジになるので、覚悟を持って臨まなければならないと思います。舞台への出演はどこかすごく高い壁のように感じていたので、軽い心持ちでやってみたいとは実はあまり思わなかったですね」
――今回、お話が来たときの気持ちは?
大谷「“挑戦”だなという気持ちです。素敵な作品でいいご縁をいただいた喜びはありますが、実は最初この話をいただいてから稽古に入るまでかなり時間があったので、現実味がなかったです。先のことだっていう感じで。でも最近、徐々に近づいてきた感じがしています。フランク・ファーマーは責任感があって、この作品に必要な役。多くの人が携わる作品なので、しっかり準備をして臨みたいです」――最初で最後の「初舞台」になりますが、今後のご自身にとってどういったものになると思いますか。
大谷「大きな財産にはなると思いますが、まだ終わった後のことはわからないですね。
映像と違うところは、みんなで時間をかけて準備をして一つのものにチャレンジしていくというところだと思います。スポーツをやってきた人間なので、そういったスタイルはもしかしたら自分に合っているかもしれないですが、やってみないとわからないところですね。とにかく、完全燃焼。やり切りたいな、と。まだイメージできないですけど、自分にとってかなり大きなプラスになると思います。終わった後に自分がどうなっているかも楽しみです」
――今回の作品はミュージカルですが、歌やダンスに関するご経験はありますか?
大谷「皆無ですね(笑)。以前、チャリティーイベントに参加した際、武道館で韓国語で一回歌を歌ったぐらいです。人前で歌うということは自分が気持ちよければいいというものではなくて、聞かせるものだと思うので、まだまだこれからです」
――ご出演されていたドラマ「ノーサイド・ゲーム」で共演されている、ミュージカル経験者の方々とは何かお話されたのでしょうか。
大谷「舞台に出演されている方が沢山いらっしゃるので、舞台の話をよく伺いました。特に失敗談が多かったのですが、ほんとに?というようなエピソードとか、よりプレッシャーを感じるような話も。でも、先に聞いておくとそういうケースもあるんだ、って対策も立てられますよね。
面白いエピソードや、ご経験者ならではの話も聞けているので、ありがたいです」
――ホイットニー・ヒューストンの名曲ぞろいで有名な本作ですが、楽曲に対してのイメージはいかがですか。
大谷「やっぱり『I Will Always Love You』。映画以上のイメージというか、あのメロディーはみんな知っていますよね。映画が公開されたのは中学生ぐらいの時かな?みんなが意味も分からずサビの部分を叫んでいた記憶があります(笑)。叫んでいても気持ちいんでしょうね。その思い出が強いです(笑)。
歌い手さんはもちろん、聞いている人たちも気持ちのいいメロディーだと思います。メロディーをみんなが知っているし、耳に残っているからこそ歌唱力が問われる曲。曲の中の一瞬音が止まるところは、みんなが聞き入る瞬間なので聞く方として僕も楽しみです。名曲の作品に携われることが楽しみですね」
――その名曲を、舞台で誰よりも近くで聞くことができるのも楽しみですね。
大谷「一緒に歌っちゃうかもしれないですね(笑)。「エンダー」のあの瞬間はぞわっとすると思います。来月からの来日公演も鳥肌ものだと思いますし、柚希さんや新妻さんが歌われるのを聞けるのも楽しみです」
――作品自体の面白さについてはいかがですか?
大谷「常に追われてるようなスリル、緊張感。そしてそんな中での禁断の恋。そこが見せ場で、ぞくぞくする部分でもありますよね。ボディガードとその雇い主の関係が近づいていく感じがいい。レイチェルのキャラクターも好きですね、自分からデートに誘う瞬間とか。レイチェルとフランクが徐々に近づいていく関係性も見ていて面白い作品だと思ったので、演じられるのは嬉しいです」
――今回演じられるフランク・ファーマーについてお聞かせください。
大谷「無骨な男ですよね。自分の仕事をまっとうして、それ以外のことは排除する、というような生き方。男としてもかっこいいと思いますし、共感できる部分もあります。ただ、その彼の自制心を超えていくのが“愛”だったりするんだろうなと思いますね。」
―来日公演は観に行かれて参考にされたりしますか?
大谷「観に行きますが、参考にしたいという気持ちはないですね。演出も言語も違うので、あまり気にしないで、いち観客として観たいです。自分たちは自分たちの、日本人ができる『ボディガード』というミュージカルをみんなで作りたいですね」
――舞台を楽しみにしてくれる観客の方にはどのような気持ちで来ていただきたいですか。
大谷「楽しみにしていてもらいたいです。映画と曲のイメージが強いとは思うのですが、あれを日本人でやることで、映画とは別の味が出せるのではと思います。“日本キャストによるミュージカル『ボディガード』”を楽しみにしていただきたいです」
――ありがとうございました。