ブロードウェイ・ミュージカル「ウエスト・サイド・ストーリー」Season2 ビジュアル撮影潜入レポートを大公開!【マリア編】

左:宮澤エマ 右:田村芽実

【マリア役 宮澤エマ(Wキャスト)】

マリア役をWキャストで演じる宮澤エマのビジュアル撮影が始まった。宮澤の衣裳は、劇中でダンスパーティーに着て行く白いドレス。カメラのシャッターが切られるたびに、さまざまな表情を見せていく。「演じるのが未だに夢のよう」と語る宮澤だが、今カメラの前に笑顔で立っているのはまさしくマリアだと思うほど、作品のイメージととても合う。数々のミュージカル作品を経験してきた宮澤らしく、今にも歌い出しそうな立ち居振る舞いには、その場にいたスタッフたちからも思わずため息が漏れる。カメラマンや撮影スタッフと話しながらいろんなポーズを見せてくれ、時にはその場でくるっと回って見せたり、カメラを見てはいるがその向こうにトニーがいるような表情を見せてくれたりと、この時はまだ本格的な稽古が始まっていないにもかかわらず、すでに「宮澤マリア」として完成されたようだった。本番ではどのような演技を見せてくれるのか、ぜひ注目したい。撮影を終えた直後の宮澤に話を聞いた。


――衣裳を着てみて、今の率直な感想をお聞かせください。

宮澤「この衣裳を着て、初めてマリアになれる感じがします。あまりにもアイコニックで、みんなが知っているこの真っ白な衣装にピンクのベルトというのは、16歳の女の子ならではの可愛らしさが詰まっているドレスでなかなか普段着ないようなタイプのドレスなので、ぎゅっと身が引き締まる思いですね。」


――「ウエスト・サイド・ストーリー」という作品の印象をお聞かせください。

宮澤「本当に不朽の名作というかミュージカルの中でもクラシック中のクラシックで、こんなにも長い間世界中で愛されていた作品は、そうそうないと思います。出演が決まって一番喜んでくれたのは両親でしたし、『あの「ウエスト・サイド・ストーリー」に出られるなんて!』という気持ちが私の周りからひしひしと伝わってきて、自分でも夢のようだったんですけど周りの反響や反応を見るたびにものすごい作品に参加するんだなと、日に日に実感が増しています。」


――マリアという役柄の印象は、いかがですか?

宮澤「物語の冒頭で、この白いドレスの胸元を『あと1インチでいいから下げて』とアニータにおねだりするような子供っぽさと、おしゃまな感じの16歳らしい女の子という印象です。ストーリーが進んでいくにつれて彼女の芯の強さや心の美しさ、そしてそれが悲劇に繋がっていくんですけど、もろさと実直さ、繊細さと強さみたいなものが混在していてすごく理想的なヒロインです。今までたくさんの役を演じさせていただいていますが、多分これ以上のヒロインはいないだろうなと思います。」


――これから稽古が始まると思いますが、苦労しそうだなと思う点はありますか?

宮澤「全部だと思います!(笑)特にマリアのパートはソプラノの役として高い技術力を求められるので、そのハードルも高いです。今回のメンバーは今までのシーズンと比べて一番面白いメンバーになっているんじゃないかなと感じていて、普段はあまりミュージカルをやっていらっしゃらない方や映像の世界で活躍されている方も多いので、いろんなスキルや引き出しを持っていて切磋琢磨しながらどんな新しい「ウエスト・サイド・ストーリー」になるのかっていうのは、大変そうだなと思いながらも未知数で楽しみなところはあります。」――いろんな楽曲がありますが、印象的なものはありますか?

宮澤「どの楽曲もすごく良くて、「Somewhere」も今回の演出版ではエニィバディズがメインで歌っているんですけど、この演出ならではのシーンになっているなと思いました。作品が書かれた当時も今も、『きっとここより私達が生きやすくて素敵な場所がどこかにあるはずだ』という希望は、何十年経っても変わらない普遍性のある曲だと思いますし、「Tonight」も今回の演出だとこれでもかというくらいロマンチックなシーンで、多分ほかの劇場じゃありえない素晴らしいバルコニーシーンになっていて印象的でした。もう数え切れないですね!」


――劇場の印象は、いかがですか?

宮澤「転換や暗転がほぼないので、客席からはニューヨークの街並みに本当に入り込んでいく感覚ですよね。シームレスというか、物語がぶつ切りにならないので、それぞれの主人公の気持ちや話の流れが途切れずにずっと入り込んでいく感じが、1950年代後半のニューヨークの中に自分もいるんじゃないかと思えるような、そういう素晴らしい劇場だなという印象があります。」


――最後に、意気込みをお聞かせください。

宮澤「出演が決まった時は、ずっと地上から3センチくらい浮いたようなふわふわした気持ちだったんですが、こうやってかつらと衣裳を着させていただいて『いよいよ始まるぞ』と実感しています。歌の練習でもこの楽譜通りに歌えたら多分マリアになれると思いながら、マリアとトニーの純粋な気持ちに観ている全員が共感できて、初めて恋に落ちた瞬間というのを一緒に味わっていただけるように、精いっぱい心を込めて演じさせていただきたいと思っています。自分でもこういう機会は二度とないんじゃないかと思いますし、お客さまも日本で、このスケールで、このキャストで観られるというのは多分二度とないと思うので、ぜひ劇場に足を運んでいただきたいと思います。」

 

 

【マリア役 田村芽実(Wキャスト)】

ビジュアル撮影が行われているスタジオに、Wキャストでマリアを演じる田村芽実が現れた。白地に赤い花柄のドレスをまとった田村は、劇中のマリアのように天真爛漫で笑顔が絶えない。この作品に出演することを誰よりも喜んでいるかのように、カメラの前で次々とマリアを演じていく。笑っている顔や悲しげな顔までさまざまな表情を見せ、撮影の合間のふとした表情までもがマリアのように感じられるほど、田村マリアの姿にスタッフの面々も目を奪われていた。撮影された写真がモニターに映し出されると、照れ臭そうにしながらもまた新しいポーズを取っていき、時にはその場で回転しながら笑顔を振りまいていく。幼い頃からこの作品が大好きという田村だが、その喜びを全身で噛み締めているかのような撮影となり、今から本番が待ち遠しい限りである。 撮影を終えた田村に話を聞いた。


――衣裳を着てみての率直な感想をお聞かせください。

田村「「ウエスト・サイド・ストーリー」の世界の一員になれた気がして、ただただ幸せで、今から本番がとても待ち遠しいです!今日の撮影もすごく楽しかったです。」


――作品の印象をお聞かせください。

田村「幼い頃から映画を観たりミュージカルを観に行ったりしていたんですけど、観ている人の心に語りかけてくるような作品だなといつも思うんです。また、この360°回転するIHIステージアラウンド東京でさらに世界観にグッと入り込めるので、体験型のミュージカルだなと思います。」


――マリアという役には、どんな印象をお持ちですか?

田村「映画やミュージカルで観たときは若くておしとやかなイメージがあったんですけど、大人になってから観て思ったのは、割とはっちゃけている女の子で、恋に対してまっすぐで好きな人のことしか見えなくなってしまう子なんだなと思うようになりました。」


――田村さんとマリアとは同世代だと思うんですけど、自分とリンクするようなところはありますか?

田村「私も好きなものや好きなことにはまっすぐで、それ以外のことが見えなくなってしまう性格なので、そういったところはマリアと似ている部分があるなと感じます。」


――これから稽古に入ると思いますが、苦労しそうだなというところはありますか?

田村「この360°回転するIHIステージアラウンド東京は、物理的にも大変なんだろうなとは思うんですけど、トニーを愛する気持ちやアメリカという国にプエルトリコから移住してきたマリアの心に寄り添って、本番に向けて稽古に臨みたいと思っています。」――共演者のみなさんの印象はいかがですか?

田村「今日初めてWキャストの宮澤エマさんとご挨拶させていただいたのですが、元々学生の頃から宮澤さんが出演されているミュージカルをたくさん拝見させていただいて、私個人としてもすごく好きな女優さんなので、「この方とWキャストとしてステージに立たせていただけるんだ」と幸せを噛み締めています。いろいろと勉強する部分もあると思いますが、そこがWキャストの醍醐味だと思うので、学べること、盗めるところは盗んで活かして行きたいなと思います。


――IHIステージアラウンド東京は特殊な劇場だと思いますが、どんな印象ですか?

田村「ステージに上がらせていただいて隅々まで見させていただいたんですけど、お客さまから見えないところにまで小物が置かれていたり壁の裏側まで塗装がしてあったりということにびっくりして、映画の中に自分がいるような気持ちになりました。」


――最後に、意気込みをお聞かせください。

田村「大好きな「ウエスト・サイド・ストーリー」にマリア役として出演させていただけることをとても嬉しく思っています。この作品に出演できるということ、マリアとしてステージに立てるという喜びを噛み締めて舞台に上がりたいと思いますので、みなさん観に来てください!」